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おまけ(夏の終わり~秋 編)
第69話 【精霊騎士】、迷宮精霊と出会う。
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迷宮の最奥にある豪華な扉を押し開けるとそこにいたのは、
「やっぱりな」
牛の頭をした大型の人型の精霊――迷宮精霊【ミノタウロス】だった。
【イフリート】や【ペンドラゴン】のような2、3階建ての建物ほどある巨体ではないものの、身長6メートルはあろうかというその体躯は、壁と天井に囲まれた迷宮ではものすごい威圧感だ。
「確認しました。部屋にトラップはありませんね、ゴーレムもいないみたいです」
ミスティが精霊術【看破】によって、即座に部屋の中の状況を把握する。
ほんと強い能力だなぁ、これ。
「ってことは注意すべきは【ミノタウロス】だけってわけだ」
「はてさて、どう出てくるでしょうか?」
「うーん……【ミノタウロス】の精霊としての能力は、迷宮制作っていうただ一点に特化してるんだよな。だからお得意のトラップとゴーレムがない今の状況は、完全に詰んでるはずなんだけど――」
「うむうむ、だからといって油断は禁物ということじゃな?」
「ですね、魔王さま」
俺たちが【ミノタウロス】の出方をうかがいながら作戦会議をしていると、
「来たぞ――!」
「動きましたね、魔王さまは少し下がっててくださいね」
「う、うむ! よろしく頼んだぞ2人とも」
【ミノタウロス】が巨体を揺らしながら、のっしのっしと威圧感たっぷりに近づいてくると、俺たちから5メートルほど手前で、ピタッと静止した。
そしてわずかな沈黙の後、
――ぼ、僕はとても人見知りで。だから誰とも関わらずに平和に暮らしたいだけなんです。ここを出て行けと言うなら出ていきます。だからどうか命だけは助けてください、なにとぞ……――
折り目正しく正座をして、さらには額を地面にこすりつけるように土下座を始めたのだった。
「……えっと、ミスティ?」
俺はなんと言ったらいいものか困ってしまってミスティを見た。
「わ、わたしに振るんですか!? こういう時はやはり魔王さまの出番ではないかと」
「自慢ではないが、いきなり不意打ちを受けたら妾じゃ死ぬかもしれんのじゃ?」
む、それは確かに。
「……じゃあ俺が代表して話すな?」
「お任せします」
「任せたのじゃハルト」
俺は少し前に出ると、いまだ土下座を続ける【ミノタウロス】に言った。
「とりあえず顔を上げてくれ。俺たちは討伐に来たんじゃない、近くにダンジョンができたから、その危険性の確認に来ただけなんだ」
――本当ですか?――
「本当だよ。だから土下座して謝る必要もないし、へりくだる必要もない」
俺の言葉に【ミノタウロス】はホッとしたように顔を上げた。
「たださ、ゴーレムがいてトラップも仕掛けられてただろ? 間違えて子供が中に入ったりしたら危ないから、そういうのはやめてもらえないかな?」
――ううっ、ですがそれだと悪い人に入られたら、僕はやられちゃいます。見ての通り、僕は迷宮作り以外にはなんの力も持たないよわよわ精霊なので……――
しかも気まで弱そうだった。
「だけど、そもそも精霊が見えるやつは、ほとんどいないだろ?」
――今まさに精霊を見える人たちが、目の前に3人もいるんですけど……――
「それを言われると辛いものがあるな」
俺は痛い所を突っ込まれてしまい返答に窮してしまった。
「分かった、ならば妾が入り口に警備員を配置しようではないか」
――あなたは?――
「妾はこのあたり【南部魔国】を治める魔王じゃよ」
――ま、魔王さま!? どうか、どうか命だけはお助けを!――
魔王登場と聞いて驚愕に目を見開いた【ミノタウロス】は、さっきよりも激しく土下座を敢行した。
まぁ何も知らずに【魔王】と聞いたら普通はそうなるよな。
「やっぱりな」
牛の頭をした大型の人型の精霊――迷宮精霊【ミノタウロス】だった。
【イフリート】や【ペンドラゴン】のような2、3階建ての建物ほどある巨体ではないものの、身長6メートルはあろうかというその体躯は、壁と天井に囲まれた迷宮ではものすごい威圧感だ。
「確認しました。部屋にトラップはありませんね、ゴーレムもいないみたいです」
ミスティが精霊術【看破】によって、即座に部屋の中の状況を把握する。
ほんと強い能力だなぁ、これ。
「ってことは注意すべきは【ミノタウロス】だけってわけだ」
「はてさて、どう出てくるでしょうか?」
「うーん……【ミノタウロス】の精霊としての能力は、迷宮制作っていうただ一点に特化してるんだよな。だからお得意のトラップとゴーレムがない今の状況は、完全に詰んでるはずなんだけど――」
「うむうむ、だからといって油断は禁物ということじゃな?」
「ですね、魔王さま」
俺たちが【ミノタウロス】の出方をうかがいながら作戦会議をしていると、
「来たぞ――!」
「動きましたね、魔王さまは少し下がっててくださいね」
「う、うむ! よろしく頼んだぞ2人とも」
【ミノタウロス】が巨体を揺らしながら、のっしのっしと威圧感たっぷりに近づいてくると、俺たちから5メートルほど手前で、ピタッと静止した。
そしてわずかな沈黙の後、
――ぼ、僕はとても人見知りで。だから誰とも関わらずに平和に暮らしたいだけなんです。ここを出て行けと言うなら出ていきます。だからどうか命だけは助けてください、なにとぞ……――
折り目正しく正座をして、さらには額を地面にこすりつけるように土下座を始めたのだった。
「……えっと、ミスティ?」
俺はなんと言ったらいいものか困ってしまってミスティを見た。
「わ、わたしに振るんですか!? こういう時はやはり魔王さまの出番ではないかと」
「自慢ではないが、いきなり不意打ちを受けたら妾じゃ死ぬかもしれんのじゃ?」
む、それは確かに。
「……じゃあ俺が代表して話すな?」
「お任せします」
「任せたのじゃハルト」
俺は少し前に出ると、いまだ土下座を続ける【ミノタウロス】に言った。
「とりあえず顔を上げてくれ。俺たちは討伐に来たんじゃない、近くにダンジョンができたから、その危険性の確認に来ただけなんだ」
――本当ですか?――
「本当だよ。だから土下座して謝る必要もないし、へりくだる必要もない」
俺の言葉に【ミノタウロス】はホッとしたように顔を上げた。
「たださ、ゴーレムがいてトラップも仕掛けられてただろ? 間違えて子供が中に入ったりしたら危ないから、そういうのはやめてもらえないかな?」
――ううっ、ですがそれだと悪い人に入られたら、僕はやられちゃいます。見ての通り、僕は迷宮作り以外にはなんの力も持たないよわよわ精霊なので……――
しかも気まで弱そうだった。
「だけど、そもそも精霊が見えるやつは、ほとんどいないだろ?」
――今まさに精霊を見える人たちが、目の前に3人もいるんですけど……――
「それを言われると辛いものがあるな」
俺は痛い所を突っ込まれてしまい返答に窮してしまった。
「分かった、ならば妾が入り口に警備員を配置しようではないか」
――あなたは?――
「妾はこのあたり【南部魔国】を治める魔王じゃよ」
――ま、魔王さま!? どうか、どうか命だけはお助けを!――
魔王登場と聞いて驚愕に目を見開いた【ミノタウロス】は、さっきよりも激しく土下座を敢行した。
まぁ何も知らずに【魔王】と聞いたら普通はそうなるよな。
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