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第9話 vsキングドラゴン(上位種ドラゴン)(2)

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『ば、バカな……!? たった一振りで我がキングドラゴン・ブレスをかき消すなど考えられん! な、なにが起こったというのだ!? 悪い夢でも見ているというのか!?』

 そしてリュスターナ同様にキングドラゴンも、驚きのあまり大きく目を見開いて固まっていた。
 ははっ、ドラゴンもこんな風に驚くんだな。

「まぁなんだ、とりあえず聖剣≪クラウソラス≫があれば、お前程度の雑魚ドラゴンに負ける気はしないかな?」

『く、ぐう……! 上位種ドラゴンたる我を、雑魚ドラゴンだと……!』

「そう言うわけなんでお前はさっさと死んでくれ。なんか偉そうにあれこれ言われた上に、死ねとか言われてムカついてたんだ」

 そう言うと、俺はキングドラゴンに向かって駆け出した。
 同時に聖剣≪クラウソラス≫に膨大な勇者の力を込めていく。

『ぐぬぬぬぬぬ! もはや力の差は歴然。だがそうは簡単にやられはせんぞ! 喰らえぇぇっ!!』

 接近する俺に向かってキングドラゴンは再びキングドラゴン・ブレスを放ってきた。
 しかも2発3発4発5発etc...と、キングドラゴン・ブレスをこれでもかと連発してくる。

 しかし俺は聖剣≪クラウソラス≫を軽く振るってキングドラゴン・ブレスを全てかき消すと、懐に飛び込んで必殺技を放った――!

「喰らえ 必殺! ≪アルティメット・ソード≫!」

 聖剣≪クラウソラス≫から膨大な聖なる力が噴き出し、4メートルほどの光の刃となる!
 さらに聖剣≪クラウソラス≫を振り切ると同時に光の刃はさらに長く伸び、キングドラゴンの巨体を左右に分割で真っ二つにした。
 まるで包丁で豆腐を切るみたいに、いとも簡単に二分割する。

『グワアアアアアァァァァァァァァァァァーーーーーーッッッ!!!!』

 断末魔の絶叫をあげて倒れ伏すキングドラゴン。
 やがてその身体は聖なる光に焼かれて、光の粒子となって消えていった。

 文句なしに圧勝・完勝・大勝利だった。

「ふぅ、やれやれ――ってほどでもなかったかな? 聖剣≪クラウソラス≫、すごい武器だよこれは」

 正直、大人と子供が戦っているような力の差で負ける要素はゼロだった。

「これが聖剣≪クラウソラス≫を手にした勇者の力……まさに古文書にあった通りです! すごいです、すごすぎます! ≪プロテクション≫を張って防御しようと思ったのに、そんなの全然必要ありませんでしたもん!」

 絶句状態から気を取り直したリュスターナが喜びの声をあげた。

「まぁな。聖剣≪クラウソラス≫を持った勇者の手にかかればざっとこんなもんよ」
「さすがです勇者様♪」

「ははっ、ありがとう。ちなみにこのキングドラゴンってのは、ドラゴンの中でも上位種なんだよな?」

「はい、かなりの上位種になりますね。もし私が真正面から戦えば1分と持たずに殺されてしまうことでしょう」

「そんな強いドラゴンを相手に、こうも一方的に勝つことができるのか。さすが聖剣≪クラウソラス≫、伝説といわれるだけのことはあるな」

「はい、本当にすごかったです♪」

「じゃあま、聖剣≪クラウソラス≫を手に入れて今後の戦いのメドもついたし。これで今回のミッションは成功だな。早く帰って休憩しようぜ。洞窟の中はちょっと息が詰まるからさ」

「ですね♪ 早く明るいお外に出ましょう♪」

 こうして無事に聖剣≪クラウソラス≫を手に入れた俺とリュスターナは、≪試練の洞窟≫を出ると拠点の城へと戻ったのだった。
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