ブラック社畜の俺、部屋でアニメを見ていたら説明もなしにドラゴンの跋扈する異世界に強制転移される。でも今は≪盾の聖女≫と元気に勇者やってます!
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
文字の大きさ
大中小
40 / 58
第39話「ガーン!?」
しおりを挟む
『やれやれ、もはや話し合いの余地はなさそうだな』
「ふーんだ、もう決めたもんね! ギガントと話し合う余地なんてないよーだ!」
『いいだろう。ならば今この瞬間より、キサマはドラゴンの敵と認定する! そして勇者ともどもこの場で葬り去ってくれるわ!』
「そんなこと言って、ギガントはボクに勝ったことがなかったはずだけど?」
『くくっ、それは疲れていない時の話だろう。今のキサマが、勇者同様に疲れ果てているのはわかっているのだぞ?』
「へへーんだ! それがどうしたっていうの? ボクとおにーさんの絆の力なら、そんなもの簡単に乗り越えられるんだから! ねっ、おにーさん」
「え? いや突然そんなこと言われても……」
急に始まったミストルティアとギガントドラゴンの激しい討論の行方を静かに見守っていた俺は、突然話を振られてしまい困惑を隠せないでいた。
いやほんとなぜそこで俺に振るんだ?
「ボクとおにーさんなら、どれだけ疲れていてもギガントなんて余裕で倒せちゃうよね!」
なんかやたらといい笑顔で言われたんだが、ちょっと待って欲しい。
「そもそもミストルティアに人類の味方をするとか言われても、イマイチ信用しきれないんだが……」
「ガーン!?」
『ガハハハッ! それ見たことか! しょせんドラゴンと人の間に絆など生まれぬのだ! しかも勇者とドラゴンの姫の間になどなぁ!』
俺とミストルティアのやり取りを見てギガントドラゴンが高笑いする。
「おにーさ~ん……」
ミストルティアが捨てられた仔猫のような顔をして俺を見つめる。
なんで俺が悪いみたいになってんだよ?
「そんな顔で見るなよな。そもそも俺たち、ついさっきまで何時間も全力で殺し合いをしてたわけだろ? なのにいきなり力を合わせるとか言われてもさぁ……」
「ええっ!? でもボク知ってるよ?」
「知ってるって何をだよ」
「人間って、拳を交えたら分かり合える種族なんでしょ? それってまさに今だよね?」
「微妙に斜め上に人間文化に詳しいな……そりゃそういう奴らもいるんだろうけど」
「それにほら、よく考えてみて? 何もしなければおにーさんはここでギガントに殺されるだけなんだよ?」
「それは、まぁそうだけど」
「だったらボクと一緒にギガントを倒した方がいいでしょ? 簡単な話だよね? 悩むことなんてある?」
ミストルティアの中では、俺と協力してギガントドラゴンと戦うことはもう既定路線のようだった。
だけど俺の中では、ミストルティアをそこまで信頼していいものか正直怪しくはあるんだよな。
なにせついさっきまで敵同士として殺し合いをしていたのだ。
信用も信頼もしようがない。
でもま。
「たしかにどうせこのままだと殺されるんだ。だったら騙された時はしょうがないと思って、ミストルティアと協力してみるのもありっちゃありか」
「ひっどーい! ボクはおにーさんを騙したりなんてしないもん!」
俺の出した「ダメで元々」論にミストルティアがプリプリした。
なんかさっきからのミストルティアを見ていると、絶体絶命のピンチだっていうのになんか気持ちが楽になってくるから不思議だ。
妙に懐いてくれる親戚の子供を見ているみたいっていうか。
「ああうん、わかってるわかってる」
「その言い方、絶対わかってないし! じゃあそうだね、これなら信じてくれるかな?」
「えっ?」
「ボクの初めてをおにーさんにあげるね」
そう言うとミストルティアはいきなり俺にキスをした。
唇が触れ合うだけの子供だましのキス。
だけどそれは間違いなく男女のキスで――。
「ちょ、おまえ何するんだ!?」
俺はビックリして突き飛ばすようにミストルティアを押しのけた。
「何ってキスだよ? 人間は本当に大事に思っている人とキスをするんだよね?」
「だからっておまえ、いきなりキスとか……」
「ボクがおにーさんを信頼しているのを見せるのにはこれが一番だって思ったんだ。ね、どうだった? これで信じてくれた?」
少し頬を染めたミストルティアが上目づかいで見上げてくる。
やれやれまったく。
ほんと意味不明なやつだぜ、こいつは。
でもま。
「ここまでされたら信じるしかないだろ」
ああもう!
いいぜ、俺はもう完全に腹をくくったぞ。
全力でミストルティアと協力してギガントドラゴンを倒す!
それに俺の命を全ベットだ!
「ふーんだ、もう決めたもんね! ギガントと話し合う余地なんてないよーだ!」
『いいだろう。ならば今この瞬間より、キサマはドラゴンの敵と認定する! そして勇者ともどもこの場で葬り去ってくれるわ!』
「そんなこと言って、ギガントはボクに勝ったことがなかったはずだけど?」
『くくっ、それは疲れていない時の話だろう。今のキサマが、勇者同様に疲れ果てているのはわかっているのだぞ?』
「へへーんだ! それがどうしたっていうの? ボクとおにーさんの絆の力なら、そんなもの簡単に乗り越えられるんだから! ねっ、おにーさん」
「え? いや突然そんなこと言われても……」
急に始まったミストルティアとギガントドラゴンの激しい討論の行方を静かに見守っていた俺は、突然話を振られてしまい困惑を隠せないでいた。
いやほんとなぜそこで俺に振るんだ?
「ボクとおにーさんなら、どれだけ疲れていてもギガントなんて余裕で倒せちゃうよね!」
なんかやたらといい笑顔で言われたんだが、ちょっと待って欲しい。
「そもそもミストルティアに人類の味方をするとか言われても、イマイチ信用しきれないんだが……」
「ガーン!?」
『ガハハハッ! それ見たことか! しょせんドラゴンと人の間に絆など生まれぬのだ! しかも勇者とドラゴンの姫の間になどなぁ!』
俺とミストルティアのやり取りを見てギガントドラゴンが高笑いする。
「おにーさ~ん……」
ミストルティアが捨てられた仔猫のような顔をして俺を見つめる。
なんで俺が悪いみたいになってんだよ?
「そんな顔で見るなよな。そもそも俺たち、ついさっきまで何時間も全力で殺し合いをしてたわけだろ? なのにいきなり力を合わせるとか言われてもさぁ……」
「ええっ!? でもボク知ってるよ?」
「知ってるって何をだよ」
「人間って、拳を交えたら分かり合える種族なんでしょ? それってまさに今だよね?」
「微妙に斜め上に人間文化に詳しいな……そりゃそういう奴らもいるんだろうけど」
「それにほら、よく考えてみて? 何もしなければおにーさんはここでギガントに殺されるだけなんだよ?」
「それは、まぁそうだけど」
「だったらボクと一緒にギガントを倒した方がいいでしょ? 簡単な話だよね? 悩むことなんてある?」
ミストルティアの中では、俺と協力してギガントドラゴンと戦うことはもう既定路線のようだった。
だけど俺の中では、ミストルティアをそこまで信頼していいものか正直怪しくはあるんだよな。
なにせついさっきまで敵同士として殺し合いをしていたのだ。
信用も信頼もしようがない。
でもま。
「たしかにどうせこのままだと殺されるんだ。だったら騙された時はしょうがないと思って、ミストルティアと協力してみるのもありっちゃありか」
「ひっどーい! ボクはおにーさんを騙したりなんてしないもん!」
俺の出した「ダメで元々」論にミストルティアがプリプリした。
なんかさっきからのミストルティアを見ていると、絶体絶命のピンチだっていうのになんか気持ちが楽になってくるから不思議だ。
妙に懐いてくれる親戚の子供を見ているみたいっていうか。
「ああうん、わかってるわかってる」
「その言い方、絶対わかってないし! じゃあそうだね、これなら信じてくれるかな?」
「えっ?」
「ボクの初めてをおにーさんにあげるね」
そう言うとミストルティアはいきなり俺にキスをした。
唇が触れ合うだけの子供だましのキス。
だけどそれは間違いなく男女のキスで――。
「ちょ、おまえ何するんだ!?」
俺はビックリして突き飛ばすようにミストルティアを押しのけた。
「何ってキスだよ? 人間は本当に大事に思っている人とキスをするんだよね?」
「だからっておまえ、いきなりキスとか……」
「ボクがおにーさんを信頼しているのを見せるのにはこれが一番だって思ったんだ。ね、どうだった? これで信じてくれた?」
少し頬を染めたミストルティアが上目づかいで見上げてくる。
やれやれまったく。
ほんと意味不明なやつだぜ、こいつは。
でもま。
「ここまでされたら信じるしかないだろ」
ああもう!
いいぜ、俺はもう完全に腹をくくったぞ。
全力でミストルティアと協力してギガントドラゴンを倒す!
それに俺の命を全ベットだ!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
追放された荷物持ち、【分解】と【再構築】で万物創造師になる~今更戻ってこいと言われてももう遅い~
黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーから「足手まとい」と捨てられた荷物持ちのベルク。しかし、彼が持つ外れスキル【分解】と【再構築】は、万物を意のままに創り変える「神の御業」だった!
覚醒した彼は、虐げられていた聖女ルナを救い、辺境で悠々自適なスローライフを開始する。壊れた伝説の剣を直し、ゴミから最強装備を量産し、やがて彼は世界を救う英雄へ。
一方、彼を捨てた勇者たちは没落の一途を辿り……。
最強の職人が送る、痛快な大逆転&ざまぁファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる