ブラック社畜の俺、部屋でアニメを見ていたら説明もなしにドラゴンの跋扈する異世界に強制転移される。でも今は≪盾の聖女≫と元気に勇者やってます!
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
文字の大きさ
大中小
41 / 58
第40話 ツインブレードアタック
しおりを挟む
『くくく、どうやら話はまとまったようだな。だがまとまったところで、今のキサマらの力でこのオレ様をどうにかできるとは思えないがな』
「勝負事はやってみなきゃ分からねぇだろ?」
『なるほど、威勢だけはまだ勇者クラスだな。ガハハハハハ!』
ギガントドラゴンは完全に俺たちを舐め切っていた。
「それでなにか考えはあるんだろうな?」
見くびって高笑いしている隙に、俺は小声でミストルティアに問いかける。
「あるよ?」
「言ってみろ」
「おにーさんとボクがまったく同じタイミングで攻撃するの。そしたら威力は2倍、ううん相乗効果で5倍になるから!」
「その計算の根拠はまったくもって意味不明だが、とりあえず言いたいことは分かった」
「どうやるかは聞かないの?」
「そんなもん付け焼刃で話し合ったってダメだろ。ここは気持ちで行こうぜ」
俺はニヤリと笑いながら、ミストルティアの前に左拳を突き出す。
「さすがおにーさん、わかってるー!」
するとミストルティアが俺の拳に自分の拳をこつんと合わせる。
「じゃあ行こうか! あの偉そうなでか物に目にもの見せてやろうぜ」
「うんっ! ボクとおにーさんの初めての共同作業だね!」
「その言い方はやめてくれ……」
「ええっ、そんな~」
俺たちは軽く笑い合うと全くの同時に動き出した。
ギガントドラゴンへとまっすぐ突撃する。
『ガハハ、力を合わせると言って何をするかと思えば、同時にまっすぐ突っこんでくるだけとはとんだお笑い草だな!』
ギガントドラゴンが反撃をしようとして――その瞬間、俺とミストルティアは全くの同タイミングで左右に別れた!
俺は向かって右側。
ミストルティアは向かって左側へと、僅かのタイミングのズレもなく回り込む!
『なにィっ――!?』
全く同じタイミングで左右に別れた俺とミストルティアを見て、ギガントドラゴンがどちらを追うかほんの一瞬、躊躇した。
普通ならたいしたことはない、ほんの一瞬の迷い。
だがしかし!
ここにいるのは勇者と元ドラゴン四天王だ!
そのわずかな隙は、最高レベルの戦士の戦いにおいては決定的な命取りとなる――!
「必殺! ≪アルティメット・ソード≫!!」
「喰らえ! ≪ドラゴンバスター≫!!」
俺とミストルティアの必殺の一撃!
左右からの域を合わせた寸分たがわぬ同時攻撃――ツインブレードアタックがギガントドラゴンに炸裂した!
『ぐおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーっっ!!』
勇者と竜姫の心を合わせた一撃を受け5倍、いや10倍の威力となったツインブレードアタックを受けたギガントドラゴンが絶叫した。
しかしそれと同時に俺はその場にへたり込んでしまう。
残る全ての力を絞り出して、俺は最後の一撃を叩き込んだのだ。
これでもうまともに動くことはできない。
完全に力を使い果たしてしまった。
これで勝てなければ終わり、ジ・エンドだ。
それはミストルティアも同じようだった。
ミストルティアも力を使い果たしたのだろう、ゲンブソードを杖代わりにしてなんとか立っているようなありさまだった。
「頼む、これで終わってくれ……!」
祈るような想いでギガントドラゴンに視線を向けると、
『なぜだ……なぜさっきまで敵同士だった者が、こうもぴったりと息を合わせられるのだ……今のはほんのわずかでもタイミングがずれていたら、俺は防御することができていたというのに……』
かすれるような声でつぶやくと、ギガントドラゴンの身体がグラリと倒れ始めた。
その身体に既に力はなく、虫の息だとわかる。
かろうじてまだなんとか生きているだけ。
「よし……!」
それを見た俺はホッと胸をなでおろしたのだった。
「勝負事はやってみなきゃ分からねぇだろ?」
『なるほど、威勢だけはまだ勇者クラスだな。ガハハハハハ!』
ギガントドラゴンは完全に俺たちを舐め切っていた。
「それでなにか考えはあるんだろうな?」
見くびって高笑いしている隙に、俺は小声でミストルティアに問いかける。
「あるよ?」
「言ってみろ」
「おにーさんとボクがまったく同じタイミングで攻撃するの。そしたら威力は2倍、ううん相乗効果で5倍になるから!」
「その計算の根拠はまったくもって意味不明だが、とりあえず言いたいことは分かった」
「どうやるかは聞かないの?」
「そんなもん付け焼刃で話し合ったってダメだろ。ここは気持ちで行こうぜ」
俺はニヤリと笑いながら、ミストルティアの前に左拳を突き出す。
「さすがおにーさん、わかってるー!」
するとミストルティアが俺の拳に自分の拳をこつんと合わせる。
「じゃあ行こうか! あの偉そうなでか物に目にもの見せてやろうぜ」
「うんっ! ボクとおにーさんの初めての共同作業だね!」
「その言い方はやめてくれ……」
「ええっ、そんな~」
俺たちは軽く笑い合うと全くの同時に動き出した。
ギガントドラゴンへとまっすぐ突撃する。
『ガハハ、力を合わせると言って何をするかと思えば、同時にまっすぐ突っこんでくるだけとはとんだお笑い草だな!』
ギガントドラゴンが反撃をしようとして――その瞬間、俺とミストルティアは全くの同タイミングで左右に別れた!
俺は向かって右側。
ミストルティアは向かって左側へと、僅かのタイミングのズレもなく回り込む!
『なにィっ――!?』
全く同じタイミングで左右に別れた俺とミストルティアを見て、ギガントドラゴンがどちらを追うかほんの一瞬、躊躇した。
普通ならたいしたことはない、ほんの一瞬の迷い。
だがしかし!
ここにいるのは勇者と元ドラゴン四天王だ!
そのわずかな隙は、最高レベルの戦士の戦いにおいては決定的な命取りとなる――!
「必殺! ≪アルティメット・ソード≫!!」
「喰らえ! ≪ドラゴンバスター≫!!」
俺とミストルティアの必殺の一撃!
左右からの域を合わせた寸分たがわぬ同時攻撃――ツインブレードアタックがギガントドラゴンに炸裂した!
『ぐおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーっっ!!』
勇者と竜姫の心を合わせた一撃を受け5倍、いや10倍の威力となったツインブレードアタックを受けたギガントドラゴンが絶叫した。
しかしそれと同時に俺はその場にへたり込んでしまう。
残る全ての力を絞り出して、俺は最後の一撃を叩き込んだのだ。
これでもうまともに動くことはできない。
完全に力を使い果たしてしまった。
これで勝てなければ終わり、ジ・エンドだ。
それはミストルティアも同じようだった。
ミストルティアも力を使い果たしたのだろう、ゲンブソードを杖代わりにしてなんとか立っているようなありさまだった。
「頼む、これで終わってくれ……!」
祈るような想いでギガントドラゴンに視線を向けると、
『なぜだ……なぜさっきまで敵同士だった者が、こうもぴったりと息を合わせられるのだ……今のはほんのわずかでもタイミングがずれていたら、俺は防御することができていたというのに……』
かすれるような声でつぶやくと、ギガントドラゴンの身体がグラリと倒れ始めた。
その身体に既に力はなく、虫の息だとわかる。
かろうじてまだなんとか生きているだけ。
「よし……!」
それを見た俺はホッと胸をなでおろしたのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
92
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる