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異世界転生 4日目(後編)
第66.5話 2度目の死
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「わ、悪い、ナイア……」
「謝るのは後だ!」
ナイアはチラッと俺の手元の、へし折れた日本刀を見やると、
「アタイも武人のはしくれだ。セーヤの気持ちは痛いほど分かる。でも頼む。今は、今だけはシャキっとしてくれ!」
「あ、ああ……」
「とりあえず、今は距離を取るのが最優先だ――っ!」
「あ、ああ……」
生返事を返す俺を半ば引きずるようにして抱えながら、《神焉竜》から距離を取るべく、ナイアは広場の中を逃げ回りはじめた。
そしてそれを激しく追いたてる《神焉竜》。
しかし逃げるナイアの動きには、これまでのようなキレが全くなっていた。
戦闘前に使用した、輝く白銀のオーラをまとう《救世の加護》も、既に効果を失いつつあるようだった。
ナイアだって戦闘が始まった時に「限界を超える」って宣言していたもんな。
ここまでも相当な無理をしていたことだろう。
動作のいたるところから、隠しきれない疲労の色が見て取れた。
既にナイアからはB級、ともすればC級ほどの力しか感じられない。
それでもナイアは俺を抱えたまま、戦況を好転させるチャンスを探して、逃げ場のない広場を必死に走り続けていた。
「借り物じゃない、これが本当の強さってやつか……」
「ごめん、何か言ったかい、セーヤ?」
「……いや、なんでもない」
ふと、距離を詰めつつあった《神焉竜》が、巨体を地面に滑らせながらのスライディング・尻尾の横振りを放つのが目に入った。
ナイアはまだそれに気付いていない。
当然だろう。
俺というお荷物を抱えたままで、次なるチャンスの訪れを信じて気力を振り絞って必死に走っているのだから。
突進の加速力を威力に上乗せした《神焉竜》の致命的な一撃が、俺とナイアを捉える――その寸前で、
ドン――!
俺はナイアを思いきり突き飛ばしていた。
つんのめるようにしてかろうじて攻撃圏外へと逃れるナイア。
同時に大木の幹のような巨大な尻尾がしなりながら、うなりを上げて俺の眼前へと迫り――そしてそのまま俺の身体をしたたかに打ちつけた。
激震とも言うべき衝撃が身体中を駆け抜け、目の中で火花が明滅する。
「ぐ……ふ……かはっ」
グシャ――と、骨という骨が粉々に砕ける音がするとともに、俺の身体は文字通り弾き飛ばされていた。
その威力たるや、猛烈な勢いで数十メートルを打ち飛ばされ、広場の端にある家屋の壁に激突・貫通したところで、やっと停止するほどの凄まじさだった。
そして――、
「あ……が……」
この時点でもう既に、俺は瀕死の状態だった――。
身体中の骨と臓器がぐしゃぐしゃに粉砕され、もはや自分の意志では指一本すら動かすことができない。
口の端からはおびただしい血がこぼれ落ちる。
声にならないうめき声だけを発するだけの、ボロ雑巾となり果てて。
麻奈志漏誠也という意識が、俺という存在がブラックアウトし始めた。
こうして。
俺、麻奈志漏誠也は。
「突然ですがあなたは死にました」
アリッサにそう告げられてからたったの4日。
異世界転生してわずか4日目にして。
2度目の死を、迎えた、のだっ、タ――
「謝るのは後だ!」
ナイアはチラッと俺の手元の、へし折れた日本刀を見やると、
「アタイも武人のはしくれだ。セーヤの気持ちは痛いほど分かる。でも頼む。今は、今だけはシャキっとしてくれ!」
「あ、ああ……」
「とりあえず、今は距離を取るのが最優先だ――っ!」
「あ、ああ……」
生返事を返す俺を半ば引きずるようにして抱えながら、《神焉竜》から距離を取るべく、ナイアは広場の中を逃げ回りはじめた。
そしてそれを激しく追いたてる《神焉竜》。
しかし逃げるナイアの動きには、これまでのようなキレが全くなっていた。
戦闘前に使用した、輝く白銀のオーラをまとう《救世の加護》も、既に効果を失いつつあるようだった。
ナイアだって戦闘が始まった時に「限界を超える」って宣言していたもんな。
ここまでも相当な無理をしていたことだろう。
動作のいたるところから、隠しきれない疲労の色が見て取れた。
既にナイアからはB級、ともすればC級ほどの力しか感じられない。
それでもナイアは俺を抱えたまま、戦況を好転させるチャンスを探して、逃げ場のない広場を必死に走り続けていた。
「借り物じゃない、これが本当の強さってやつか……」
「ごめん、何か言ったかい、セーヤ?」
「……いや、なんでもない」
ふと、距離を詰めつつあった《神焉竜》が、巨体を地面に滑らせながらのスライディング・尻尾の横振りを放つのが目に入った。
ナイアはまだそれに気付いていない。
当然だろう。
俺というお荷物を抱えたままで、次なるチャンスの訪れを信じて気力を振り絞って必死に走っているのだから。
突進の加速力を威力に上乗せした《神焉竜》の致命的な一撃が、俺とナイアを捉える――その寸前で、
ドン――!
俺はナイアを思いきり突き飛ばしていた。
つんのめるようにしてかろうじて攻撃圏外へと逃れるナイア。
同時に大木の幹のような巨大な尻尾がしなりながら、うなりを上げて俺の眼前へと迫り――そしてそのまま俺の身体をしたたかに打ちつけた。
激震とも言うべき衝撃が身体中を駆け抜け、目の中で火花が明滅する。
「ぐ……ふ……かはっ」
グシャ――と、骨という骨が粉々に砕ける音がするとともに、俺の身体は文字通り弾き飛ばされていた。
その威力たるや、猛烈な勢いで数十メートルを打ち飛ばされ、広場の端にある家屋の壁に激突・貫通したところで、やっと停止するほどの凄まじさだった。
そして――、
「あ……が……」
この時点でもう既に、俺は瀕死の状態だった――。
身体中の骨と臓器がぐしゃぐしゃに粉砕され、もはや自分の意志では指一本すら動かすことができない。
口の端からはおびただしい血がこぼれ落ちる。
声にならないうめき声だけを発するだけの、ボロ雑巾となり果てて。
麻奈志漏誠也という意識が、俺という存在がブラックアウトし始めた。
こうして。
俺、麻奈志漏誠也は。
「突然ですがあなたは死にました」
アリッサにそう告げられてからたったの4日。
異世界転生してわずか4日目にして。
2度目の死を、迎えた、のだっ、タ――
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