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異世界転生 10日目
第179話 はっ!? わたくし、今キュピーンと閃きましたわ!
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「どうだ上手いだろ? 身内びいきを抜きにしても、ハヅキにはなかなか絵の才能があるんじゃないかと思ってるんだけど」
うんうんとしたり顔でうなずく俺は、我が子を自慢する親ばかを全開で丸出しだった。
「ウヅキは一応下着を付けてますのに、セーヤ様は全裸なのですわね」
ハヅキの絵の中に描かれた俺は、我が息子を自慢するかのように丸出しで全開だった。
「まぁそれは色々あってね……。それよりほら、とてもクレヨンで描いたとは思えない才能を感じる――」
「才能!?」
サーシャが大きな声とともに、くわっと目を見開いて俺の言葉をかき消した。
おう、思わずビクッとしちゃったじゃないか……、やめてよね、もう。
「これは、これはそんなものではありませんわ――!」
「さ、サーシャ?」
「わたくし、幼い頃より数多の芸術作品に触れ、一流のなんたるかを学んでまいりましたの。その感性が告げておりますわ! これは才能なんて陳腐な言葉では形容できない、これはそう、言うなれば神域に踏み込んだ神の御業であると……!」
「またまたそんな大げさな――」
「これが大げさにせずにいられますの!?」
「あ、はい」
怒られてしまった……。
「失礼しましたわ、つい入れ込んでしまいましたの……。で、ですが、これはすぐに持ち帰って専門家に鑑定を依頼しなくては……!」
「だからそんな大げさな。確かに文句なしに上手いけど、子供が描いたもんだぞ――」
「はっ!? わたくし、今キュピーンと閃きましたわ! ビビっとインスピレーションが降りてきたのですわ!」
「なぁ、あの、俺の話を聞いて――」
「『《神滅覇王》幕の内弁当』――」
サーシャがぽつりとつぶやいた。
「え? なんだって?」
ディスペル系S級チート『え? なんだって?』が暴発し、因果を断絶して結果をなかったことにする。
もちろん特になにが起こるわけでもなく、そのあまりにアレすぎる名前をもう一回聞かされるだけなんだけど――、
「『《神滅覇王》幕の内弁当』ですの! わたくし、わたくし、閃きましたの! 閃いてしまいましたの!!」
「は――?」
お前はいったいなにを言って――、
「この裸セーヤ様を元に、『《神滅覇王》幕の内弁当』を作るのですわ!」
「ちょ、ちょっと待って――」
「いえ、待ちませんの! ……いえ、そうですわね。はい、確かにセーヤ様のいうこともいちいちもっともですの」
「珍しく分かってくれたか! そうだ、まずは落ち着いて話を整理して――」
「確かにそうですわ、『《神滅覇王》幕の内弁当』という名称ではこの裸セーヤ様に見劣りしてしまうというもの……! セーヤ様の言うことはまったくもって的を射ておりますの!」
「ん、んんっ……?」
なにかちょっと方向性がずれているような……?
「『《神滅覇王》マナシロ・セーヤ幕の内弁当』ですわ……」
「え? なんだ――」
「『《神滅覇王》マナシロ・セーヤ幕の内弁当』ですわ! セーヤ様のお名前を入れることで、さらに《神滅覇王》っぽいインパクトが高まりますの……!」
「高まりすぎだよ! ただでさえ自己顕示欲の塊みたいな商品名なのに、さらに自意識過剰が限界振り切っちゃってる感じに進化してるよ!?」
「ああ! わたくしの中に、素晴らしい構想が次々と降りてきますの……!」
うへへへ、神降臨! みたいな顔を隠そうともしない金髪ちびっ子お嬢さま。
アヘ顏寸前なせいで、せっかくの可愛い顔が残念なほどに台なしだった。
「やばいぞ、こいつ……、完全にイっちゃってる……! そしてもはやまったく俺の言葉を聞く気がねぇ……!」
「はっ!? こうしてはいられませんの! セーヤ様、この絵はしばらくお借りしますわね!」
言うが早いかサーシャは画用紙を丸めると脱兎のごとく走り去っていった。
「おい、だからちょっと待てって、おーい。おーい……」
すぐに馬車が走り出してそのまま遠ざかっていく音が聞こえてくる……。
行っちゃったよ……。
それにしても、だ。
「裸の俺のイラストを使った『《神滅覇王》マナシロ・セーヤ幕の内弁当』……。もはや自己主張が激しすぎて、痛々しさすらある……。黒歴史が確定しているぞ……。なによりも、いったいどこにソレの需要があるというのか……」
頭の痛い俺だった……。
うんうんとしたり顔でうなずく俺は、我が子を自慢する親ばかを全開で丸出しだった。
「ウヅキは一応下着を付けてますのに、セーヤ様は全裸なのですわね」
ハヅキの絵の中に描かれた俺は、我が息子を自慢するかのように丸出しで全開だった。
「まぁそれは色々あってね……。それよりほら、とてもクレヨンで描いたとは思えない才能を感じる――」
「才能!?」
サーシャが大きな声とともに、くわっと目を見開いて俺の言葉をかき消した。
おう、思わずビクッとしちゃったじゃないか……、やめてよね、もう。
「これは、これはそんなものではありませんわ――!」
「さ、サーシャ?」
「わたくし、幼い頃より数多の芸術作品に触れ、一流のなんたるかを学んでまいりましたの。その感性が告げておりますわ! これは才能なんて陳腐な言葉では形容できない、これはそう、言うなれば神域に踏み込んだ神の御業であると……!」
「またまたそんな大げさな――」
「これが大げさにせずにいられますの!?」
「あ、はい」
怒られてしまった……。
「失礼しましたわ、つい入れ込んでしまいましたの……。で、ですが、これはすぐに持ち帰って専門家に鑑定を依頼しなくては……!」
「だからそんな大げさな。確かに文句なしに上手いけど、子供が描いたもんだぞ――」
「はっ!? わたくし、今キュピーンと閃きましたわ! ビビっとインスピレーションが降りてきたのですわ!」
「なぁ、あの、俺の話を聞いて――」
「『《神滅覇王》幕の内弁当』――」
サーシャがぽつりとつぶやいた。
「え? なんだって?」
ディスペル系S級チート『え? なんだって?』が暴発し、因果を断絶して結果をなかったことにする。
もちろん特になにが起こるわけでもなく、そのあまりにアレすぎる名前をもう一回聞かされるだけなんだけど――、
「『《神滅覇王》幕の内弁当』ですの! わたくし、わたくし、閃きましたの! 閃いてしまいましたの!!」
「は――?」
お前はいったいなにを言って――、
「この裸セーヤ様を元に、『《神滅覇王》幕の内弁当』を作るのですわ!」
「ちょ、ちょっと待って――」
「いえ、待ちませんの! ……いえ、そうですわね。はい、確かにセーヤ様のいうこともいちいちもっともですの」
「珍しく分かってくれたか! そうだ、まずは落ち着いて話を整理して――」
「確かにそうですわ、『《神滅覇王》幕の内弁当』という名称ではこの裸セーヤ様に見劣りしてしまうというもの……! セーヤ様の言うことはまったくもって的を射ておりますの!」
「ん、んんっ……?」
なにかちょっと方向性がずれているような……?
「『《神滅覇王》マナシロ・セーヤ幕の内弁当』ですわ……」
「え? なんだ――」
「『《神滅覇王》マナシロ・セーヤ幕の内弁当』ですわ! セーヤ様のお名前を入れることで、さらに《神滅覇王》っぽいインパクトが高まりますの……!」
「高まりすぎだよ! ただでさえ自己顕示欲の塊みたいな商品名なのに、さらに自意識過剰が限界振り切っちゃってる感じに進化してるよ!?」
「ああ! わたくしの中に、素晴らしい構想が次々と降りてきますの……!」
うへへへ、神降臨! みたいな顔を隠そうともしない金髪ちびっ子お嬢さま。
アヘ顏寸前なせいで、せっかくの可愛い顔が残念なほどに台なしだった。
「やばいぞ、こいつ……、完全にイっちゃってる……! そしてもはやまったく俺の言葉を聞く気がねぇ……!」
「はっ!? こうしてはいられませんの! セーヤ様、この絵はしばらくお借りしますわね!」
言うが早いかサーシャは画用紙を丸めると脱兎のごとく走り去っていった。
「おい、だからちょっと待てって、おーい。おーい……」
すぐに馬車が走り出してそのまま遠ざかっていく音が聞こえてくる……。
行っちゃったよ……。
それにしても、だ。
「裸の俺のイラストを使った『《神滅覇王》マナシロ・セーヤ幕の内弁当』……。もはや自己主張が激しすぎて、痛々しさすらある……。黒歴史が確定しているぞ……。なによりも、いったいどこにソレの需要があるというのか……」
頭の痛い俺だった……。
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