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異世界転生 10日目
第178話 なんちゃって、ですの!
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3人での優しくておだやかなおままごとがちょうど終わったころ。
「ただいまなのじゃー!」
朝からどこぞに出払っていた《神焉竜》が帰ってきたと思ったら、
「妹君よ、遊びに行くのじゃ」
ハヅキを誘ってまたすぐに出ていってしまった。
「そろそろ日も傾いてきたし、あんま遠くまで行くなよー、って行っちゃったし……」
慌ただしいやっちゃな……。
「まぁ《神焉竜》が一緒なら、クマが出ようがトラが出ようがなんてことはないだろうけども……」
こと戦闘力という面で言えば、SS級の中でもトップクラスに君臨する《神焉竜》が遅れをとるなんてことは、天地が翻ってもありえないわけで。
むしろ俺が気がかりだったのは、
「その強力すぎる力でもって、何かしらの犯罪行為をしでかさないか、それだけが心配だ……」
なにせ、
「一般常識とは無縁の存在の上に、割と煽り耐性がないからな、あいつ……」
頼むから法に触れることだけはしてくれるなよ……、なんてことを考えていると、
「ごきげんようですの!」
《神焉竜》と入れ替わるようにして、今度はサーシャがやってきた。
「よっ、1日ぶりだな。ウヅキに用なら、今は晩ごはんの用意をしてるから呼んでこようか?」
「いいえお料理の邪魔をするのも悪いですから結構ですわ。今日は婚約者たるセーヤ様のお顔を見に来たのですわ……、なんちゃって、ですの!」
「おう、俺たちは仲間だもんな」
「ええ、婚約者ですものね!」
サーシャが嬉しそうに声を弾ませるのを見て、俺も嬉しい気分になる。
女の子の笑顔は男の子を元気にする究極のスパイスなのだから。
それに何度聞いても仲間って響きはいいよな。
実際サーシャとは一緒に戦った戦友でもあるわけだし、一歩引いて支えてくれるタイプのウヅキとは、また違った絆を感じるというか。
「あ、そうだ――」
サーシャと言えば。
俺はさっきのハヅキとの会話を思い出した。
「ハヅキにお絵かきセットをくれたんだろ? ありがとな。あいつ、すっごく喜んでたぞ?」
俺が感謝の言葉を述べると、
「それでしたらお礼など言われなくても結構ですわ。あれはトラヴィス商会が児童館などに無償配布している教育キットですから」
サーシャは髪をかき上げながら、それくらい何でもないって風に答えてくる。
「へー、そういう慈善事業もやってんのか。さすがはトラヴィス商会だな」
いたるところで見聞きするトラヴィスの名前。
それなのに悪い噂は一切聞かないと来たもんだ。
「そりゃサーシャの名前どころか、トラヴィス商会の存在すら知らないと俺が言った日には、サーシャも怒って当たり前だよな……」
改めて反省する俺だった。
「……でもさ、ハヅキがすっげー楽しそうに絵を描いていたんだ。だから、やっぱりありがとうだ」
「セーヤ様は本当に礼儀正しいお方ですの。わたくしもそんなセーヤ様の婚約者として相応しいように、恥ずかしくないように。もっと頑張らないといけませんわね」
「ま、そう気張るもんでもないさ。足りない所を助け合うのが仲間ってなもんだろ?」
「セーヤ様は、ほんとうに素敵ですの……」
「よせやい、照れるじゃないか」
そうは言いながら、サーシャに熱い視線を送られてまんざらではない俺だった。
「そうだ、せっかくだからハヅキの描いた絵を見ていくか? あいにくと今は出かけてるんだけど、絵はどこにあるか知ってるからさ。ちょっと取ってくるよ」
そうしてハヅキの描いた絵を持ってきて見せたところ――、
「これを? ハヅキちゃんが?」
サーシャが妙に真剣な顔をして画用紙を覗き込んできた。
「ただいまなのじゃー!」
朝からどこぞに出払っていた《神焉竜》が帰ってきたと思ったら、
「妹君よ、遊びに行くのじゃ」
ハヅキを誘ってまたすぐに出ていってしまった。
「そろそろ日も傾いてきたし、あんま遠くまで行くなよー、って行っちゃったし……」
慌ただしいやっちゃな……。
「まぁ《神焉竜》が一緒なら、クマが出ようがトラが出ようがなんてことはないだろうけども……」
こと戦闘力という面で言えば、SS級の中でもトップクラスに君臨する《神焉竜》が遅れをとるなんてことは、天地が翻ってもありえないわけで。
むしろ俺が気がかりだったのは、
「その強力すぎる力でもって、何かしらの犯罪行為をしでかさないか、それだけが心配だ……」
なにせ、
「一般常識とは無縁の存在の上に、割と煽り耐性がないからな、あいつ……」
頼むから法に触れることだけはしてくれるなよ……、なんてことを考えていると、
「ごきげんようですの!」
《神焉竜》と入れ替わるようにして、今度はサーシャがやってきた。
「よっ、1日ぶりだな。ウヅキに用なら、今は晩ごはんの用意をしてるから呼んでこようか?」
「いいえお料理の邪魔をするのも悪いですから結構ですわ。今日は婚約者たるセーヤ様のお顔を見に来たのですわ……、なんちゃって、ですの!」
「おう、俺たちは仲間だもんな」
「ええ、婚約者ですものね!」
サーシャが嬉しそうに声を弾ませるのを見て、俺も嬉しい気分になる。
女の子の笑顔は男の子を元気にする究極のスパイスなのだから。
それに何度聞いても仲間って響きはいいよな。
実際サーシャとは一緒に戦った戦友でもあるわけだし、一歩引いて支えてくれるタイプのウヅキとは、また違った絆を感じるというか。
「あ、そうだ――」
サーシャと言えば。
俺はさっきのハヅキとの会話を思い出した。
「ハヅキにお絵かきセットをくれたんだろ? ありがとな。あいつ、すっごく喜んでたぞ?」
俺が感謝の言葉を述べると、
「それでしたらお礼など言われなくても結構ですわ。あれはトラヴィス商会が児童館などに無償配布している教育キットですから」
サーシャは髪をかき上げながら、それくらい何でもないって風に答えてくる。
「へー、そういう慈善事業もやってんのか。さすがはトラヴィス商会だな」
いたるところで見聞きするトラヴィスの名前。
それなのに悪い噂は一切聞かないと来たもんだ。
「そりゃサーシャの名前どころか、トラヴィス商会の存在すら知らないと俺が言った日には、サーシャも怒って当たり前だよな……」
改めて反省する俺だった。
「……でもさ、ハヅキがすっげー楽しそうに絵を描いていたんだ。だから、やっぱりありがとうだ」
「セーヤ様は本当に礼儀正しいお方ですの。わたくしもそんなセーヤ様の婚約者として相応しいように、恥ずかしくないように。もっと頑張らないといけませんわね」
「ま、そう気張るもんでもないさ。足りない所を助け合うのが仲間ってなもんだろ?」
「セーヤ様は、ほんとうに素敵ですの……」
「よせやい、照れるじゃないか」
そうは言いながら、サーシャに熱い視線を送られてまんざらではない俺だった。
「そうだ、せっかくだからハヅキの描いた絵を見ていくか? あいにくと今は出かけてるんだけど、絵はどこにあるか知ってるからさ。ちょっと取ってくるよ」
そうしてハヅキの描いた絵を持ってきて見せたところ――、
「これを? ハヅキちゃんが?」
サーシャが妙に真剣な顔をして画用紙を覗き込んできた。
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