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異世界転生 16日目
第371話 お前にはできない、俺にはできる。てめぇの無能を俺に押し付けんな!
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「俺の進む道は、俺自身が選ぶ! だいたいなんだ? ティモテか世界か救う方を選べって。どっちも救えやこのバーカ!」
「それができれば苦労は――」
「お前にはできない、俺にはできる。てめぇの無能を俺に押し付けんな!」
あいも変わらず後ろ向きなグレンの言葉を、俺は言葉を被せるようにしてぶった切った。
「ぐ――」
「分かったら年寄りは年寄りらしく、とっとと隠居して縁側で茶でもすすりながら、俺の華々しい大活躍を指をくわえて眺めてるんだな」
そうさ。
俺は転生して一番最初に、俺が理想とする最高の異世界生活を送ると決めたんだ。
そしてそれを実現するための力を手に入れたんだ。
ただの一般人が最強無敵になるための手段を――全チートフル装備を手に入れたんだ!
目の前のむかつく理不尽を全てねじ伏せ叩きつぶし、そうして女の子からちやほやされまくる――。
そんな最強で最高のモテモテハーレムの主に、麻奈志漏誠也はなってみせる!
そのためには、女の子を泣かせるようなくそったれな世界なんて――、
「一生懸命に頑張ってるティモテが、なのに世界のためとか言って死ななきゃいけない世界なんて――そんなもの俺は完全無欠にノーサンキュー、願い下げだ!」
言葉と同時に、俺は親指を立てた拳を180度ひっくり返した。
ファック・ユー、地獄に落ちろって意味のジェスチャーだ。
「――っ」
世界より目の前のティモテを選ぶと言い切った俺の啖呵に、グレンが絶句した。
ま、悲観主義に凝り固まったじいさんにはいい薬だろ――ちょっと刺激が強かったかも、だけど。
「――ってわけだティモテ。今から俺がお前を助けてやる」
俺はグレンとの話を終わらせると、ティモテの方に向き直った。
「一生懸命な頑張り屋さん、いつも誰かのために頑張っていたティモテが酷い目に合う世界なんて、誰が見たっておかしいもんな」
俺はにっこり笑って、ふわふわと宙に浮いたままのティモテに語りかけた。
しかし返ってきたのは、
「ごめんなさいマナシロさん。私は……私はマナシロさんが思うようなそんな素晴らしい人間じゃないんです……とっても、とっても生き汚い人間なんです」
そんな謝罪と否定の言葉だった。
「私は自分の中に《魔王》が――《魔神》がいることを薄々感じていながら、みんなのために死ぬ勇気もなく、どうにかして《魔神》を抑えこめはしないかと当てもなく聖母に祈り続け――そうしていたずらに先延ばしにして、ここまで《魔神》を育ててしまったんです……」
「うん……そうか」
「ふふっ、凄いでしょう? 事ここに至っても、まだ私には死ぬ勇気がないんです。どうにかしてうまく収まらないかなって、そんな風に考えているんです。死ぬのが怖いんです。私が死ねば、みんなが幸せになるのに――」
自分を責め続けるティモテの頬を、一筋の涙が流れ落ちた。
最初は小さな流れだったそれは、とめどなくあふれだした涙で次第次第に滝のようになってゆく。
「私は……私は最低の人間です。自分勝手な、エゴの塊なんです。せめて死ぬ勇気があれば、よかったのに――」
「ティモテ……」
「私は聖母マリアの再来なんかじゃありません。自分の弱さを見ないふりして、死におびえてばかりの意志の弱い、ちっぽけな普通の人間なんです。こんなの、マナシロさんだって失望しちゃいますよね……」
「まったくばかだなぁ、ティモテは」
「はい、馬鹿なんです……」
「ほんとバカだよ、ティモテは大ばか者だ――だってそうだろ? そんなことで俺が失望なんてするわけないじゃないか」
「それができれば苦労は――」
「お前にはできない、俺にはできる。てめぇの無能を俺に押し付けんな!」
あいも変わらず後ろ向きなグレンの言葉を、俺は言葉を被せるようにしてぶった切った。
「ぐ――」
「分かったら年寄りは年寄りらしく、とっとと隠居して縁側で茶でもすすりながら、俺の華々しい大活躍を指をくわえて眺めてるんだな」
そうさ。
俺は転生して一番最初に、俺が理想とする最高の異世界生活を送ると決めたんだ。
そしてそれを実現するための力を手に入れたんだ。
ただの一般人が最強無敵になるための手段を――全チートフル装備を手に入れたんだ!
目の前のむかつく理不尽を全てねじ伏せ叩きつぶし、そうして女の子からちやほやされまくる――。
そんな最強で最高のモテモテハーレムの主に、麻奈志漏誠也はなってみせる!
そのためには、女の子を泣かせるようなくそったれな世界なんて――、
「一生懸命に頑張ってるティモテが、なのに世界のためとか言って死ななきゃいけない世界なんて――そんなもの俺は完全無欠にノーサンキュー、願い下げだ!」
言葉と同時に、俺は親指を立てた拳を180度ひっくり返した。
ファック・ユー、地獄に落ちろって意味のジェスチャーだ。
「――っ」
世界より目の前のティモテを選ぶと言い切った俺の啖呵に、グレンが絶句した。
ま、悲観主義に凝り固まったじいさんにはいい薬だろ――ちょっと刺激が強かったかも、だけど。
「――ってわけだティモテ。今から俺がお前を助けてやる」
俺はグレンとの話を終わらせると、ティモテの方に向き直った。
「一生懸命な頑張り屋さん、いつも誰かのために頑張っていたティモテが酷い目に合う世界なんて、誰が見たっておかしいもんな」
俺はにっこり笑って、ふわふわと宙に浮いたままのティモテに語りかけた。
しかし返ってきたのは、
「ごめんなさいマナシロさん。私は……私はマナシロさんが思うようなそんな素晴らしい人間じゃないんです……とっても、とっても生き汚い人間なんです」
そんな謝罪と否定の言葉だった。
「私は自分の中に《魔王》が――《魔神》がいることを薄々感じていながら、みんなのために死ぬ勇気もなく、どうにかして《魔神》を抑えこめはしないかと当てもなく聖母に祈り続け――そうしていたずらに先延ばしにして、ここまで《魔神》を育ててしまったんです……」
「うん……そうか」
「ふふっ、凄いでしょう? 事ここに至っても、まだ私には死ぬ勇気がないんです。どうにかしてうまく収まらないかなって、そんな風に考えているんです。死ぬのが怖いんです。私が死ねば、みんなが幸せになるのに――」
自分を責め続けるティモテの頬を、一筋の涙が流れ落ちた。
最初は小さな流れだったそれは、とめどなくあふれだした涙で次第次第に滝のようになってゆく。
「私は……私は最低の人間です。自分勝手な、エゴの塊なんです。せめて死ぬ勇気があれば、よかったのに――」
「ティモテ……」
「私は聖母マリアの再来なんかじゃありません。自分の弱さを見ないふりして、死におびえてばかりの意志の弱い、ちっぽけな普通の人間なんです。こんなの、マナシロさんだって失望しちゃいますよね……」
「まったくばかだなぁ、ティモテは」
「はい、馬鹿なんです……」
「ほんとバカだよ、ティモテは大ばか者だ――だってそうだろ? そんなことで俺が失望なんてするわけないじゃないか」
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