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第六部「チート学園」  異世界転生 ??日目

第428話 体育館掃除は楽です

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 ケンセーが偽チートであると確信を得た数日後。

 俺たち2年S組の生徒は午後の時間に、チート学園の体育館で夏の大掃除に励んでいた。
 一年に一度、学園中の施設を一気に掃除するという一大イベント(もちろん楽しいイベントなわけではない)である。

 一般的に大掃除と言えば年末にやるものだけど、師走(先生が走る)という言葉もあるように年の瀬の学校は死ぬほど忙しい。
 期末テストに冬季球技大会、冬休み、加えて学年によっては受験直前の大切な時期だったりと、そりゃあ大掃除なんてやってる暇はないのである。

 よって比較的時間に余裕のある初夏に大掃除を行うのが、教育機関における「一般的」なのだった。

 閑話休題。

 モップがけされるたびに綺麗になってゆく体育館の床に、体育館シューズがキュッキュッキュと心地よい音を立ててゆく。

「それにしても体育館が割り当てだったのはラッキーだったよな。まだ初夏とはいえ今日はめっぽう暑いし。外だと日差しもあって汗だくだろ」
「体育館は日差しはないし、そよ風が通って気持ちいいし、掃除自体も簡単だしねー」

 普段は閉めっぱなしで使うことが多い体育館も、今は大掃除という事で全ての扉と窓が解放されていて、そこを通って流れてくる初夏の爽やかな風が実に心地よかった。

 加えて掃除の簡単さが他とは段違いなのだ。

 上部の窓を開けたり観戦するためのキャットウォークの、掃き掃除と手すりの雑巾がけ。
 あとは舞台と床の板間のモップ掛けくらいしかない体育館掃除は、最も楽な掃除場所と言えるだろう。

 もちろん一番掃除が簡単な場所を割り当てられていたことには理由があって、2年S組だけちょっと前にプール掃除をしていたからなのだった。
 それの埋め合わせのような形で、今回は楽な体育館掃除が割り当てられたというわけだ。

 ちなみに、最もしんどくて不人気なのは校舎裏庭の掃除だった。
 いやあれはもう掃除というよりも、強制労働と言うべきかもしれない。

 初夏の日差しが容赦なく照り付けるクソ暑い中、使用頻度ゼロでほとんど誰も使わない実質空き地な校舎裏庭で、しゃがみ込んで黙々と雑草抜きをするのだ。
 湿度も高く、汗はダラダラとどまることを知らない。

 ツラすぎて現実逃避して人生について考えちゃいそうな、文字通り苦行を強いられるのが校舎裏庭の掃除なのだった。
 あそこの担当になった不運なクラスはみんなで泣いていいと思う。

 とまぁそういう事もあって、予定されている掃除時間よりも大幅に早く終わることとなった俺たち2年S組は、みんなすっかり遊びモードになっていた。

「ねぇねぇ、だいぶ時間あるしみんなで何かして遊ぼうよ」
「バスケとフットサルはこの前やったよね、バレーボールとか?」

「うーん、でもバレーはネット立てるのけっこう大変だよ? ネットって重いし」
「あ、そっかー。その点、バスケはボールさえあれば何もしなくていいのは楽だよねー」

「でもほら、バスケだと若干2名ほど空気読まない子が……」

 みんなの視線が「若干2名」に集中する。
 エアウォークちゃんとブブカちゃんだった。

「う”……っ。す、3on3スリー・オン・スリーの時のことなら、ちゃんと反省してるわよ! ブブカだって反省してるよね?」

「……まぁぼちぼち?」
「ぼちぼちって、ちゃんと反省しなさいよね」

「えー、だいたいそういうエアウォークだって、いつも反省はしてるけどすぐにカッと熱くなって意地張りだすじゃん」
「う”……っ」

「はい、そういうことで残念だけどバスケは無しね」
 ミロノヴィーナスちゃんの非情宣告を受けて、エアウォークちゃんががっくりと肩を落とした。

 とまぁそんな感じで、このあと何をして遊ぶのかみんながわいわい意見を出し始めたところで――、

「そういやこの前スポーツチャンバラの用具を新しく買い替えたって言ってたっけ。楽しそうだし一度やってみたかったんだよな。チャンバラってのはさ、いくつになっても男のロマンなんだよな」

 俺はそれとなくスポーツチャンバラを提案してみた。
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