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遊郭で初夜※
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どうしてこんなことになってしまったのだろう。
「うぁ……もうやめ、やめて……」
「何を言う。夜はまだこれからだぞ」
「あっ、んあっ」
男の骨ばった手が女の肌の上を這い回る。男の頭には立派な角が生えていて、女は情事の最中とは思えないほど肌が白かった。男は鬼で、女は雪女なのだ。
「ああ、ようやく雪女を抱くことができた……」
鬼の男は恍惚として呟いた。そしてまた腰の律動を再開する。雪女は抵抗することもできず、されるがまま喘いでいるだけだった。そんな女の頬に手を添え、鬼は口づけを落とす。
「六花、お前は俺のものだ」
✽✽✽✽✽✽
六花は雪女だ。そして雪女の郷を飛び出した家出少女でもあった。
六花の祖母は雪女の頭領だ。母は既に死んだため六花は次代の頭領として、祖母にこれ以上なく厳しく育てられた。毎日の折檻で六花の背中は焼け爛れ、火傷と鞭打ち、切り傷の跡が残っている。そんな祖母に六花が懐くはずもなく、成長し力をつけてから郷を出たのだった。
しかし郷が次期頭領の六花をみすみす逃すわけがない。次々と追っ手が迫る中、六花が逃げ込んだのは雪女が到底入らないだろう場所だった。
「寄っていらっしゃい」
「遊びにいらっしゃい」
着飾った魑魅魍魎の女たちが格子の中から手招きする。そして魑魅魍魎の男たちがそれを値踏みする。
ここは妖怪の花街。狐や狸、蛇、河童、鬼に猫又、とにかくありとあらゆる妖怪が春を売り買っている。
雪女は花街にはいない。なぜなら雪女の郷は他所との交流を絶っている鎖国状態で、郷から出ようものなら厳しく罰せられるからだ。ましてや花街なら追っ手も来ないだろうと六花は考えていた。
六花はここで遊女として働いているわけではない。雪女に囲まれて育った六花は男のことがよくわからず、体を売ることがどんなことかあまり想像できなかった。しかし男の前で裸になるくらいのことは知っていたから、火傷痕だらけの体で遊女にはなれないと考えた。
では何をしているかと言うと、六花はその強さを見込まれて大見世の警備をしていた。主な仕事内容は客同士の喧嘩の仲裁や、暴れ出した酔っ払い客を一瞬で凍らせて抑えることだ。頭領直々に鍛えられただけあって、六花の実力はなかなかのものだった。
夜6時頃。辺りが暗くなり、夜見世の営業の始まりを告げる三味線の音が聞こえてきた。
六花はいつも通り店の前に立って門番をしていた。門番をしているつもりなのは六花だけであって、店主は六花の美貌で客の目を引きたかっただけだが。
しかし今日はいつもと勝手が違った。現場を仕切る遣り手の手長婆が、店の中から手だけ出して六花を呼んだ。
「六花、アンタ今日は中に入って給仕しな」
「え、なんで」
「今日は団体客が来てるんだよ。あっちこっちで人手が足りない。アンタでも物運ぶくらいのことはできるだろ。早く準備しな」
六花は言われるがまま遣り手のあとについていった。遊女にはならないが働かせてくれ、と押しかけた六花を受け入れてくれたこの店には恩があるため、六花は店のためにできることはするつもりだった。
遊女より目立たないように、用意された着物の中から地味なものを選ぶ。季節関係なく1年通して着られる麻の葉の紺色の着物に、太鼓が描かれた緋色の帯を締めた。六花は常冬の雪女の郷育ちだから、あまり季節の柄がよくわかっていない。だから季節問わずの柄ばかり選んでしまうのだ。顎のあたりで切りそろえられた淡い水色の髪は、結いようがないためそのままだ。
六花がとりあえず人手の少なそうな所を探していると、ウニョウニョと細長い首が廊下を動き回っているのを見つけた。
「ねえ! 何もかも足りないんだけど!! 米! 肉! 酒! とにかく酒!!
運んでってよ!!」
ろくろ首の女があちらこちらに指示を飛ばしていた。ろくろ首は六花に気づくと首を伸ばして顔を近づけてきた。
「六花! いいところに。酒を運んで! もう徳利じゃ間に合わないから樽ごと出すわ。アンタなら樽運べるでしょ」
「わかった。どこにある?」
「たぶん台所!」
台所や遊郭の生活空間は一階にある。客をもてなすのは二階以上だ。重い樽を階段を登って運ぶのは一苦労だったが、六花はなんとか運んだ。
二階に上がると「それ広間に運んで!」と誰かに言われ、六花は広間に向かった。広間はこの店で一番広い部屋のため、団体客はそこに通すのだ。
広間に入って、六花はようやく店内の混乱の理由を知った。そこでは何人もの鬼が巨大な盃から酒を呑んでいた。鬼は酒に強いためいくらでも呑めるのだろう。店中の酒を飲み尽くしてしまうかもしれない。
そして何より六花の目を引いたのは、その場にいた鬼たちがかなり強いということだった。そのへんの小鬼とはわけが違う。六花より遥かに歳上で筋骨隆々の鬼たちが勢ぞろいしている。もしこの鬼の客たちが暴れ出したら、六花は抑えられる自信がなかった。
特筆すべきは上座で呑んでいる鬼だった。着物の上からでもわかる筋肉の盛り上がり。赤い髪から飛び出た立派な角。大きな口から見える牙。男らしい武骨な顔の中で金色の目が爛々としている。上座にいるだけあって彼がおそらくこの中で一番強い。鬼たちの長はきっとこの男だ。
六花はついその鬼を見てしまったが、因縁をつけられても困るので酒樽を置くとすぐに広間を出た。その後ろ姿を鬼の長が見ているとも知らずに……。
「六花。これを椿の間に運びな」
遣り手婆が渡してきたのは膳に乗った徳利一本とお猪口二つだ。こんな量では鬼には絶対に足りない、と思ったが六花は黙って受け取った。
椿の間とは遊女と客が色事に耽るための部屋の一つだ。さすがの鬼も女を抱きながら酒をかっ食らうことはしないのかもしれない。
六花は椿の間に入る前に襖に耳を当て、中の様子を伺った。情事の最中に中に入るのは躊躇われた。
「失礼いたします」
念のため一声かけてから襖を開けると、やはり中には誰もいなかった。布団が一組敷いてあるだけだ。
六花は膳を枕元の辺りに置き、部屋から出ようとした途端、襖がパンッと閉まった。そしてキィンと結界が張られたのを感じた。
「は!?」
六花はすぐさま結界を破ろうとした。しかしすぐに破れるほど単純な結界ではなかった。こんなに複雑な結界が張れるものはこの店にはいない。おそらく鬼たちが張ったのだ。
(私を閉じ込めた? 何のために?)
六花が雪女の頭領の孫と気づき、雪女の郷に売ろうとしているのだろうか。だとしたらまずい、一刻も早く結界を破らなくては。
結界に夢中になり、六花は部屋の中に立ち込める香の香りに気づくのに遅れた。気づいた頃には部屋中に香りが漂っていた。
(なんだこの匂いは……体が変に熱い……)
はあと六花の口から熱い吐息が漏れた。体が火照って仕方がない。そしてだんだんと体に力が入らなくなり、立っていることもできず六花はその場に倒れ込んだ。
「はあ……あぁ……、暑い……」
どれほどの時間が経ったのかわからない。六花は畳の上に横たわっていた。暑さのあまり紺色の着物を脱ぎ捨て、襦袢の前を大きく開けて白い肌を晒していた。
(なんで……どうなっちゃったの私……)
その時、固く閉ざされていた襖が開いた。
廊下からのしりと巨体の鬼が入ってくる。それは広間で見た中で一番強い鬼だった。
「おお。発情の香なんて信じていなかったが、効果抜群ではないか」
「お、お前がやったのか! 私に何をした……!」
六花は何とか体を起こし、鬼をキッと睨みつけた。鬼はそんな六花を面白そうに見ながら、後ろ手で襖を閉じた。
「なに、付き合いで来ただけの席だったが、何ともいい女がいたものだから一晩の相手を頼んだのだ。しかし女は売り物ではないと言われた。俺はどうしても諦めきれなくて、金子を積んだら店側が折れてくれたというわけだ」
つまりこの鬼が六花を買うために大金を叩いたから、店側が六花を売ったということだ。六花は店から裏切られたのだ。
「おぬしは金で動くやつではないから、店側は発情の香を焚いたと聞いたぞ。さぞ男が欲しくて仕方がないだろう」
「発情の香……」
六花は体の異変の理由に納得した。体が熱いのも力が入らないのもこの香のせいだ。
しかし香ごときで負ける六花ではない。六花は鬼に向けて氷壁を作り出した。そして冷気を発して威嚇する。
「私は売られるのなんて御免だ! お前は私に指一本触れることすらできない!」
「……穏便に済ませられるならそれが一番だと思っていたが……」
鬼は拳を引くと「フンッ」と殴って氷壁を砕いた。氷の欠片が部屋に飛び散った。
六花は次に鬼自体を凍らせようとした。パキパキと鬼の体の表明を氷が覆っていくが、鬼が軽く動いただけで氷はパラパラと床に落ちてしまった。
「おぬしはかなり腕が立つようだが、そんなに発情しきった体で俺に勝てるわけがなかろう」
「なっ、発情なんてしてない!」
「その蕩け切った顔では説得力がない。大人しく俺に抱かれておけ」
鬼が一歩近づいてくると、六花は床を這って後ずさりした。足に力が入らず立ち上がれなかった。なんとか鬼から逃げようとするも、部屋の角に追い込まれ逃げ場を無くした。
鬼がガッと六花の足を掴んだ。それに抵抗し足をジタバタさせたが、力では勝てるわけもなく、六花は足を持たれて引きずられ、布団の上まで運ばれた。
「嫌だ、やめろ! 離せ!」
「とんだじゃじゃ馬だ。そんなに暴れると服がはだけるぞ」
「! いやっ、見るな!」
六花は慌てて襦袢を寄せようとしたが、鬼のほうが先に襦袢を引き裂いた。
白く滑らかな肌が光に照らされる。胸の双丘のてっぺんでは桃色の尖りがその存在を主張していた。
「ほう、おぬしの乳は摘んでほしそうに立ち上がっておるではないか」
「そんなわけない!」
「股の方はどうだ」
「うわっ!」
鬼は無理やり六花の脚を広げ、下生えの中へと指を伸ばした。「あっ、」と思わず六花の声が漏れる。そこからはぬちゃりと湿り気を帯びた感触がした。
「こっちの方も濡れておるではないか」
「そんなところ触るな!」
「ほれ、わかるか。魔羅を受け入れるためにおぬしのまんこが濡れておる」
鬼は秘所から溢れ出た蜜を指に絡め、糸を引かせて六花に見せつけた。
(ど、どういうこと……私がお漏らししたということ……? それにまんこって何?)
六花は羞恥と疑問で顔を歪ませた。とりあえずこんな鬼に負けないよう強気でいるしかないと考えた。
「そんな汚いものに触ってどうする。もっと漏らしてこの布団で寝られないようにしてやる」
鬼は金色の目を丸くしキョトンとしたかと思うと、すぐに「ガハハ!」と笑い出した。
「な、何がおかしい!?」
「いや、すまなんだ。まさか知らないとは思わなかった。おぬしは漏らしたわけではないぞ」
「え? あっ、」
鬼は急にキュッと六花の乳首を摘んだ。ビリリと甘い痺れが六花の体を走る。しかし彼女は自分の体に何が起こったかわからなかった。
鬼はそのまま彼女の両の胸を揉み出した。大きすぎず小さすぎもしない美乳が、鬼の大きな手の中で形を変える。コリコリと乳首もいじめられ、六花は身を捩らせた。
「あっ、やめろ、触るな、んん、」
「ハリがあってよい胸だ。感度もよい」
鬼は顔を近づけ六花の乳首に吸い付いた。舌でペロペロと舐められ、軽く甘噛みされる。
「ひっ、何をそんな赤子のようなことをしている!」
片方の乳首を舐められ、もう片方の乳首は指でクニクニ捏ねられる。六花は逃れたくても体を強く抑えられ、身悶えすることしかできない。
(いや、何これ、なんで乳首をいじられるだけで、体が、変!)
「いやあ、あっ、ああっ」
「おぬしの体は喜んでおるぞ。ほら乳首がさらに勃ってきた」
鬼がぐにぐにと押し摘んだ乳首は、確かに先程よりぷっくらと膨らみ、充血して赤くなっていた。コスコスと擦ったりぎゅうと摘んだり。乳輪をスリスリとなぞられ、乳肉をむにゅりと揉まれる。
ビクビクと六花の体が跳ね、彼女の悲鳴じみた声が上がる。
「やめて! 体が変なの! 何これ、いやっ! ああっ!」
「そろそろイくか。ほれ」
「あ、うああっ!」
ギュッと乳首を強く刺激された瞬間、六花の体は弓なりに跳ね、爪先までピンと伸びた。全身を快感の電流が駆け抜ける。
「はーっ、はーっ、???」
「おぬし、やはり生娘だな。今のがイッたということだ。わかるか?」
「イッた……?」
「そうだ。生娘なのに乳首だけでイくとは、香の効果かおぬしが淫乱なのかはわからんが」
六花は頭がぼんやりしていて、鬼の話を半分くらいしか聞いていなかった。
(イッた……? さっきの体の反応がイッたということなの?)
絶頂の余韻はまだ体に残っていた。六花は下腹の奥のほうがキュンキュンと疼くのを感じた。
(どうしちゃったの私の体……触られただけでこんな……)
「下の方はどうだ」
「あっダメ!」
足の間に手を伸ばされ、六花は咄嗟に足を閉じたが一足遅かった。彼女の太ももに挟まれながら鬼がその手を動かす。
「うっ、だめぇ……」
「先ほどより濡れてはいるが、もっとほぐしたほうがいいな」
「ほぐす?」
「そうだ。俺のモノを入れるにはもっと濡れていたほうがいい」
鬼はまたもや六花の脚を力ずくで広げた。濡れた割れ目が空気に晒されて少しひんやりした。
「いやだ、そんなところ見るな!」
「何故だ?」
鬼から真顔で聞かれ、六花は一瞬面食らった。
「何故って、は、恥ずかしいし、汚いし……」
「汚くなどない。恥ずかしさは耐えろ。いずれ慣れる」
鬼は背を丸めると六花の秘部に顔を近づけ、蜜液を垂らす入り口をベロリと舐めた。ぞわぞわと六花の体が震える。
「やめろ! ひっ……うぅ~っ、だめ、中はなめないで! ああっ!」
鬼の肉厚な舌が膣の入り口辺りを舐めていたかと思うと、時折ずちゅりと中に入る。そしてぽってり膨らんだ花芯を、鬼はパクリと咥え込みジュッと吸い上げた。
「ぁあっ!?? あ~~~~!!」
「まだ小さい豆だな。これから大きくしていこう」
蜜液と唾液で濡れた小さな突起を、鬼は指で挟みシコシコと擦った。あまりの快感に六花が逃げようとすると、太ももでがっしりと押さえられバタバタと跳ねることしかできない。鬼を引き剥がそうと彼の髪をつかむも、力が入らず頭に手を添えているだけになっている。
「やあっ!! さわんないぇ、いやぁ! 変になるっっ!! あああああっ!」
2度目の絶頂を迎え、バチッと視界が弾ける。絶頂の余韻は長く六花の体はガクガク震えた。震えが収まりクタッと体を投げ出すころになっても快感がまだ体中にじんわり残っていた。頭までぼんやりし何も考えられない。
「はあ……はあ……」
「そろそろ挿れるぞ」
「いれる……?」
「おぬしのまんこに、俺の魔羅を入れる」
鬼はようやく来ていた着物を脱いだ。鋼のごとき筋肉が体全身を覆っている。ところどころ傷跡が残っているのは昔の戦いの跡だろうか。
その下半身で、赤黒い肉棒が臍のあたりまでそそり立っている。六花は男の陰部を見るのが初めてで目を白黒させた。
(男の股の間には棒がぶら下がっているとは聞いていたが……何だあれは)
「そ、それを私に挿れると?」
「そうだ」
「入るわけがない」
鬼はククッと笑うと「入るさ」と言った。それが小馬鹿にしたような笑いだったから、六花もカチンと来た。
「なんでそんなことをする、そもそもなんで私がお前の相手をしなきゃいけない。女がほしければ遊女を抱けばいいだろう」
「その辺の女で済むならそうするさ。俺が抱きたかったのは雪女だ」
「雪女を?」
鬼は六花の下腹部に手を伸ばし、薄い腹を優しく撫でた。それだけでも今の六花の体には刺激的で、腹の奥が切なく疼き蜜口からしとどに液が垂れる。
「昔……一度だけ雪女を見たことがある。あんな美女は初めて見た。ぜひとも手に入れようとしたがうまく逃げられてな。それからずっと追いかけ続けたが全く見つからない。雪女の郷は厳重に目くらましの術がかけられていて、何年かけてもたどり着けなかった。もうすっかり諦めていたが、まさかこんなところで出会えるとは……」
鬼は顔を近づけ、六花の唇に唇を寄せた。六花はびっくりし押し返そうとしたが、当然鬼の身体はびくともしない。角度を変え何度も唇をついばまれる。
「んっ、んん……」
「鼻だ、息は鼻でしろ」
「んあっ……」
そうは言われても初めての口吸いに六花は呼吸どころではない。顔を逸らして口から息を吸おうとすると、鬼はそれを逃さず六花の口に舌を滑り込ませた。
「んん!? ふっ、ぅぅん……」
くちゅくちゅと互いの唾液の混ざる音がする。六花が鬼の厚い舌を噛み切ろうとすると、鬼は六花の細い首に手を置いた。「舌を噛んだらおぬしの首を絞めるぞ」という脅しだ。手を置かれただけで首には圧迫感があり、六花は従うほかなかった。予測不可能な舌の動きに六花はただただ受け身になるしかない。酸欠と口内の刺激が相まって、六花の頭がぼんやりしてきた。
(熱い……ふわふわする……気持ちいい……)
六花はそこでハッとなった。今、今、自分は何と思ったか。
(気持ちいいなんて! 香だ、香のせいに違いない! 香の効果が切れれば、こんなこと気持ちよくなんてないんだから、だから……)
だから今だけはこの快感に酔いしれてしまおう。だって香のせいで体が反応してしまっているのだから仕方がない。
鬼が口を離すと唾液の意図が二人を繋いだ。六花は名残惜しく、自ら鬼に顔を近づけた。しかしやり方がよくわからず、鬼の唇に軽く唇を重ねることしかできなかった。鬼は目を瞬かせたものの、すぐに笑みを浮かべた。
「どうした?」
「あ……もっとして……」
「もっと? 何を?」
「口吸い……」
「いいだろう」と答え、鬼は口吸いを再開した。先ほどより激しい動きで六花の口内を蹂躙する。もう六花の首に手を置いてはいなかった。その手は彼女の胸へ動き、乳輪をそっとなぞった。
「んぇっ!?」
口吸いに夢中になっていた六花は完全に油断していた。口と胸を同時に刺激され身悶えする。鬼は容赦なく乳輪を優しくなぞるのと、乳首をぎゅっとつね上げるのを交互に繰り返した。そのたびに六花の体がビクンッと大きく跳ねた。
やっと口を解放された時、六花は息も絶え絶えで布団の上で脱力した。
「気持ちよかったか?」
「きもちいい……でも、でも、香のせいだから……」
「そうだな。今は香のせいにしていればよい。だがここからは少し痛いかもしれない」
鬼は自らの陰棒をペタリと六花の下腹の上に置いた。その先端は六花のへその上まである。
「ここまで入る」
「……本当に?」
「うむ。破瓜の時はどうしても痛む。なるべくゆっくり挿れるが……耐えてくれ」
鬼は六花の恥丘の割れ目に陰棒の先端をぬちゃりと当てた。それだけでも気持ちよくて六花の体は軽く震えた。六花はこんなに太くて長いものが自分の足の間に入るとはまだ信じていなかった。
「挿れるぞ」
ぬぷっ……
「っは……」
あまりの圧迫感に六花の息が止まる。股から裂かれているように苦しくて痛い。鬼の陰棒は六花の中の肉襞を力技で押し入ろうとする。鬼も苦しそうに顔を歪ませた。
「はっ……やはり生娘のナカはきつい……指でほぐしたかったが生憎爪を切っていなくてな」
「うぅ……」
「力を抜いて、息をしろ」
六花は言われるがままなるべく力を抜き、息を吐いて吸った。少しは楽になったような気がした。もともと六花は祖母から度重なる折檻を受けていたため、痛みには強い。今も痛いは痛いが耐えられないほどではない。
「ふぅ……今、半分入ったところだ」
「これで半分……」
「痛いか?」
フルフルと六花は首を横に振った。すると鬼は安心したように軽く笑った。そしてさらに六花の体の奥に鬼が入り込む。キュンキュンと疼いていた腹は、入り込んできた肉棒を逃がすまいと締め付ける。
「いぃ……あっ……」
「雪女でもナカは熱いのだな。俺の魔羅を咥え込んでいるぞ」
ちらと見れば六花の脚の間に、本当に根元まで陰茎が収まっているのが見えた。
(本当に入ったんだ……)
感心しているのもつかの間、鬼がいきなり腰を動かした。
どちゅっ、ずぷっ、じゅぽっ。
「あっ!? あんっ! や、なにっ?!」
「すまない、もう我慢できない」
鬼は欲望のままに六花のナカで抜き差しする。ずちゅずちゅと液体が擦れる湿った音と、パンパンッと肉のぶつかる音がする。
突かれるたびに内臓を押し上げられ苦しいのに、それを上回る快感に襲われる。自分では決して届かない奥のナカ。そこを刺激されると脳髄にまでビリビリと気持ちいい痺れが訪れる。
「あ~っ! あっ! んん…あ! だめっ、そこは!」
「ここか?」
六花の気持ちいいところを、鬼は集中的にゴリゴリと突く。絶え間ない快感に六花は呼吸すらおぼつかない。
「はっ、やめ、やめてえっ! らめ! だめなのぉ、おおっ、んん!!!」
「嫌か? ならやめるぞ」
ずるりと鬼は肉棒を抜いた。腹を満たしていたモノが消え、六花の蜜口は物足りずハクハクと疼く。開かれた体はもう閉じることはできない。六花は自分の腹に手を添えた。
「あ……」
「どうした?」
「お、お腹がキュウキュウする……」
「うん?」
「お前の、その、まら? が入ってないと……お腹が変なんだ……」
鬼は面白そうにニヤニヤと笑った。
「……どうしてほしい?」
「もう一度挿れてほしい……」
どちゅんっ!
「~~~~っっ、ああああっっ!!!」
予告なく最奥まで突かれ、衝撃に六花の体が震えた。待ち望んでいた刺激に体が喜んでいる。
「あっ! ああっ……! はぁっ……! ああ! んああっ!」
「俺ももう限界だ。出すぞ」
「えあっ! えっ、だ、出すって、やっ! なに、あ~~っ!?」
鬼は六花の奥の奥で陰茎の先端を固定し、ビュルルッと大量の精液を注ぎ込んだ。その一滴まで搾り取ろうと六花の肉襞もぎゅうっと締まる。
「ああ、あ、あつい……なにこれ……」
「俺の精だ。子種と言ったほうがわかるか?」
「こだね……?」
「わからないか」と鬼はまるで子供を見るように優しく微笑んだ。
「まあいい。そのうちわかる」
「えっ……ああっ!!」
入ったままの肉棒が動きを再開した。いまだ快感に酔いしれる体はすぐに絶頂した。
「あん、い、いつまで、んんっ! いつまでやるのっ!?」
「俺が飽きるまでだ」
「アアッ! そんな、むり、あっ、むりぃ、いいっ!」
どう見ても六花より鬼のほうが体力がある。六花が最後まで保つわけがない。
ぱちゅぱちゅと絶え間なく鬼は動き続け、六花は果て続ける。
「おぬしを買ったのは俺だ。付き合ってもらうぞ」
「いやああっ!! ~~っ!」
「そろそろ名を呼びたい。教えてくれ」
「んん、~~~~~~~~っっ!! ……」
「ん? ……気をやったか」
六花は気絶していた。しかし鬼は構うことなく腰を揺らしている。気を失っていたとしても、六花の膣はぎゅうぎゅう鬼のモノを締め付けている。
「…………ぁっ、ぁあっ、うあ!? ああっ!?」
「起きたか。早かったな」
「うぁ……もうやめ、やめて……」
「何を言う。夜はまだこれからだぞ」
「あっ、んあっ」
六花は勝手に流れていた涙を乱暴に拭った。痛みには耐えられるが快感には耐えられない。
「名を、名を教える、あっ、だから、やめてくれ……」
ピタリと鬼は動きを止めた。六花のナカにモノは入ったままだったが。
「私は六花。六つの花で六花だ」
「六つの花……雪の花だな。実に雪女らしい良い名だ」
鬼はズンッと奥を一突きした。六花の意識がまた飛びそうになる。
「んえあっ!! なんで! おしえた! おしえたのにぃっ!」
「教えたら止めるなんて一言も言ってないぞ」
「あああっ! ひどい! ひっ、ひどいぃ~っ!!」
うぅ、と六花は泣きながら犯される。何度も絶頂させられて六花は再び気絶した。
「俺の名は……聞いてはいないか」
鬼は六花の体を抱き寄せ、彼女の頭を優しく撫でた。
「ああ、ようやく雪女を抱くことができた……」
鬼の男は恍惚として呟いた。そしてまた腰の律動を再開する。
「六花、お前は俺のものだ。目が覚めたら俺の名を呼んでくれ。俺は酒吞、酒吞童子だ」
「うぁ……もうやめ、やめて……」
「何を言う。夜はまだこれからだぞ」
「あっ、んあっ」
男の骨ばった手が女の肌の上を這い回る。男の頭には立派な角が生えていて、女は情事の最中とは思えないほど肌が白かった。男は鬼で、女は雪女なのだ。
「ああ、ようやく雪女を抱くことができた……」
鬼の男は恍惚として呟いた。そしてまた腰の律動を再開する。雪女は抵抗することもできず、されるがまま喘いでいるだけだった。そんな女の頬に手を添え、鬼は口づけを落とす。
「六花、お前は俺のものだ」
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六花は雪女だ。そして雪女の郷を飛び出した家出少女でもあった。
六花の祖母は雪女の頭領だ。母は既に死んだため六花は次代の頭領として、祖母にこれ以上なく厳しく育てられた。毎日の折檻で六花の背中は焼け爛れ、火傷と鞭打ち、切り傷の跡が残っている。そんな祖母に六花が懐くはずもなく、成長し力をつけてから郷を出たのだった。
しかし郷が次期頭領の六花をみすみす逃すわけがない。次々と追っ手が迫る中、六花が逃げ込んだのは雪女が到底入らないだろう場所だった。
「寄っていらっしゃい」
「遊びにいらっしゃい」
着飾った魑魅魍魎の女たちが格子の中から手招きする。そして魑魅魍魎の男たちがそれを値踏みする。
ここは妖怪の花街。狐や狸、蛇、河童、鬼に猫又、とにかくありとあらゆる妖怪が春を売り買っている。
雪女は花街にはいない。なぜなら雪女の郷は他所との交流を絶っている鎖国状態で、郷から出ようものなら厳しく罰せられるからだ。ましてや花街なら追っ手も来ないだろうと六花は考えていた。
六花はここで遊女として働いているわけではない。雪女に囲まれて育った六花は男のことがよくわからず、体を売ることがどんなことかあまり想像できなかった。しかし男の前で裸になるくらいのことは知っていたから、火傷痕だらけの体で遊女にはなれないと考えた。
では何をしているかと言うと、六花はその強さを見込まれて大見世の警備をしていた。主な仕事内容は客同士の喧嘩の仲裁や、暴れ出した酔っ払い客を一瞬で凍らせて抑えることだ。頭領直々に鍛えられただけあって、六花の実力はなかなかのものだった。
夜6時頃。辺りが暗くなり、夜見世の営業の始まりを告げる三味線の音が聞こえてきた。
六花はいつも通り店の前に立って門番をしていた。門番をしているつもりなのは六花だけであって、店主は六花の美貌で客の目を引きたかっただけだが。
しかし今日はいつもと勝手が違った。現場を仕切る遣り手の手長婆が、店の中から手だけ出して六花を呼んだ。
「六花、アンタ今日は中に入って給仕しな」
「え、なんで」
「今日は団体客が来てるんだよ。あっちこっちで人手が足りない。アンタでも物運ぶくらいのことはできるだろ。早く準備しな」
六花は言われるがまま遣り手のあとについていった。遊女にはならないが働かせてくれ、と押しかけた六花を受け入れてくれたこの店には恩があるため、六花は店のためにできることはするつもりだった。
遊女より目立たないように、用意された着物の中から地味なものを選ぶ。季節関係なく1年通して着られる麻の葉の紺色の着物に、太鼓が描かれた緋色の帯を締めた。六花は常冬の雪女の郷育ちだから、あまり季節の柄がよくわかっていない。だから季節問わずの柄ばかり選んでしまうのだ。顎のあたりで切りそろえられた淡い水色の髪は、結いようがないためそのままだ。
六花がとりあえず人手の少なそうな所を探していると、ウニョウニョと細長い首が廊下を動き回っているのを見つけた。
「ねえ! 何もかも足りないんだけど!! 米! 肉! 酒! とにかく酒!!
運んでってよ!!」
ろくろ首の女があちらこちらに指示を飛ばしていた。ろくろ首は六花に気づくと首を伸ばして顔を近づけてきた。
「六花! いいところに。酒を運んで! もう徳利じゃ間に合わないから樽ごと出すわ。アンタなら樽運べるでしょ」
「わかった。どこにある?」
「たぶん台所!」
台所や遊郭の生活空間は一階にある。客をもてなすのは二階以上だ。重い樽を階段を登って運ぶのは一苦労だったが、六花はなんとか運んだ。
二階に上がると「それ広間に運んで!」と誰かに言われ、六花は広間に向かった。広間はこの店で一番広い部屋のため、団体客はそこに通すのだ。
広間に入って、六花はようやく店内の混乱の理由を知った。そこでは何人もの鬼が巨大な盃から酒を呑んでいた。鬼は酒に強いためいくらでも呑めるのだろう。店中の酒を飲み尽くしてしまうかもしれない。
そして何より六花の目を引いたのは、その場にいた鬼たちがかなり強いということだった。そのへんの小鬼とはわけが違う。六花より遥かに歳上で筋骨隆々の鬼たちが勢ぞろいしている。もしこの鬼の客たちが暴れ出したら、六花は抑えられる自信がなかった。
特筆すべきは上座で呑んでいる鬼だった。着物の上からでもわかる筋肉の盛り上がり。赤い髪から飛び出た立派な角。大きな口から見える牙。男らしい武骨な顔の中で金色の目が爛々としている。上座にいるだけあって彼がおそらくこの中で一番強い。鬼たちの長はきっとこの男だ。
六花はついその鬼を見てしまったが、因縁をつけられても困るので酒樽を置くとすぐに広間を出た。その後ろ姿を鬼の長が見ているとも知らずに……。
「六花。これを椿の間に運びな」
遣り手婆が渡してきたのは膳に乗った徳利一本とお猪口二つだ。こんな量では鬼には絶対に足りない、と思ったが六花は黙って受け取った。
椿の間とは遊女と客が色事に耽るための部屋の一つだ。さすがの鬼も女を抱きながら酒をかっ食らうことはしないのかもしれない。
六花は椿の間に入る前に襖に耳を当て、中の様子を伺った。情事の最中に中に入るのは躊躇われた。
「失礼いたします」
念のため一声かけてから襖を開けると、やはり中には誰もいなかった。布団が一組敷いてあるだけだ。
六花は膳を枕元の辺りに置き、部屋から出ようとした途端、襖がパンッと閉まった。そしてキィンと結界が張られたのを感じた。
「は!?」
六花はすぐさま結界を破ろうとした。しかしすぐに破れるほど単純な結界ではなかった。こんなに複雑な結界が張れるものはこの店にはいない。おそらく鬼たちが張ったのだ。
(私を閉じ込めた? 何のために?)
六花が雪女の頭領の孫と気づき、雪女の郷に売ろうとしているのだろうか。だとしたらまずい、一刻も早く結界を破らなくては。
結界に夢中になり、六花は部屋の中に立ち込める香の香りに気づくのに遅れた。気づいた頃には部屋中に香りが漂っていた。
(なんだこの匂いは……体が変に熱い……)
はあと六花の口から熱い吐息が漏れた。体が火照って仕方がない。そしてだんだんと体に力が入らなくなり、立っていることもできず六花はその場に倒れ込んだ。
「はあ……あぁ……、暑い……」
どれほどの時間が経ったのかわからない。六花は畳の上に横たわっていた。暑さのあまり紺色の着物を脱ぎ捨て、襦袢の前を大きく開けて白い肌を晒していた。
(なんで……どうなっちゃったの私……)
その時、固く閉ざされていた襖が開いた。
廊下からのしりと巨体の鬼が入ってくる。それは広間で見た中で一番強い鬼だった。
「おお。発情の香なんて信じていなかったが、効果抜群ではないか」
「お、お前がやったのか! 私に何をした……!」
六花は何とか体を起こし、鬼をキッと睨みつけた。鬼はそんな六花を面白そうに見ながら、後ろ手で襖を閉じた。
「なに、付き合いで来ただけの席だったが、何ともいい女がいたものだから一晩の相手を頼んだのだ。しかし女は売り物ではないと言われた。俺はどうしても諦めきれなくて、金子を積んだら店側が折れてくれたというわけだ」
つまりこの鬼が六花を買うために大金を叩いたから、店側が六花を売ったということだ。六花は店から裏切られたのだ。
「おぬしは金で動くやつではないから、店側は発情の香を焚いたと聞いたぞ。さぞ男が欲しくて仕方がないだろう」
「発情の香……」
六花は体の異変の理由に納得した。体が熱いのも力が入らないのもこの香のせいだ。
しかし香ごときで負ける六花ではない。六花は鬼に向けて氷壁を作り出した。そして冷気を発して威嚇する。
「私は売られるのなんて御免だ! お前は私に指一本触れることすらできない!」
「……穏便に済ませられるならそれが一番だと思っていたが……」
鬼は拳を引くと「フンッ」と殴って氷壁を砕いた。氷の欠片が部屋に飛び散った。
六花は次に鬼自体を凍らせようとした。パキパキと鬼の体の表明を氷が覆っていくが、鬼が軽く動いただけで氷はパラパラと床に落ちてしまった。
「おぬしはかなり腕が立つようだが、そんなに発情しきった体で俺に勝てるわけがなかろう」
「なっ、発情なんてしてない!」
「その蕩け切った顔では説得力がない。大人しく俺に抱かれておけ」
鬼が一歩近づいてくると、六花は床を這って後ずさりした。足に力が入らず立ち上がれなかった。なんとか鬼から逃げようとするも、部屋の角に追い込まれ逃げ場を無くした。
鬼がガッと六花の足を掴んだ。それに抵抗し足をジタバタさせたが、力では勝てるわけもなく、六花は足を持たれて引きずられ、布団の上まで運ばれた。
「嫌だ、やめろ! 離せ!」
「とんだじゃじゃ馬だ。そんなに暴れると服がはだけるぞ」
「! いやっ、見るな!」
六花は慌てて襦袢を寄せようとしたが、鬼のほうが先に襦袢を引き裂いた。
白く滑らかな肌が光に照らされる。胸の双丘のてっぺんでは桃色の尖りがその存在を主張していた。
「ほう、おぬしの乳は摘んでほしそうに立ち上がっておるではないか」
「そんなわけない!」
「股の方はどうだ」
「うわっ!」
鬼は無理やり六花の脚を広げ、下生えの中へと指を伸ばした。「あっ、」と思わず六花の声が漏れる。そこからはぬちゃりと湿り気を帯びた感触がした。
「こっちの方も濡れておるではないか」
「そんなところ触るな!」
「ほれ、わかるか。魔羅を受け入れるためにおぬしのまんこが濡れておる」
鬼は秘所から溢れ出た蜜を指に絡め、糸を引かせて六花に見せつけた。
(ど、どういうこと……私がお漏らししたということ……? それにまんこって何?)
六花は羞恥と疑問で顔を歪ませた。とりあえずこんな鬼に負けないよう強気でいるしかないと考えた。
「そんな汚いものに触ってどうする。もっと漏らしてこの布団で寝られないようにしてやる」
鬼は金色の目を丸くしキョトンとしたかと思うと、すぐに「ガハハ!」と笑い出した。
「な、何がおかしい!?」
「いや、すまなんだ。まさか知らないとは思わなかった。おぬしは漏らしたわけではないぞ」
「え? あっ、」
鬼は急にキュッと六花の乳首を摘んだ。ビリリと甘い痺れが六花の体を走る。しかし彼女は自分の体に何が起こったかわからなかった。
鬼はそのまま彼女の両の胸を揉み出した。大きすぎず小さすぎもしない美乳が、鬼の大きな手の中で形を変える。コリコリと乳首もいじめられ、六花は身を捩らせた。
「あっ、やめろ、触るな、んん、」
「ハリがあってよい胸だ。感度もよい」
鬼は顔を近づけ六花の乳首に吸い付いた。舌でペロペロと舐められ、軽く甘噛みされる。
「ひっ、何をそんな赤子のようなことをしている!」
片方の乳首を舐められ、もう片方の乳首は指でクニクニ捏ねられる。六花は逃れたくても体を強く抑えられ、身悶えすることしかできない。
(いや、何これ、なんで乳首をいじられるだけで、体が、変!)
「いやあ、あっ、ああっ」
「おぬしの体は喜んでおるぞ。ほら乳首がさらに勃ってきた」
鬼がぐにぐにと押し摘んだ乳首は、確かに先程よりぷっくらと膨らみ、充血して赤くなっていた。コスコスと擦ったりぎゅうと摘んだり。乳輪をスリスリとなぞられ、乳肉をむにゅりと揉まれる。
ビクビクと六花の体が跳ね、彼女の悲鳴じみた声が上がる。
「やめて! 体が変なの! 何これ、いやっ! ああっ!」
「そろそろイくか。ほれ」
「あ、うああっ!」
ギュッと乳首を強く刺激された瞬間、六花の体は弓なりに跳ね、爪先までピンと伸びた。全身を快感の電流が駆け抜ける。
「はーっ、はーっ、???」
「おぬし、やはり生娘だな。今のがイッたということだ。わかるか?」
「イッた……?」
「そうだ。生娘なのに乳首だけでイくとは、香の効果かおぬしが淫乱なのかはわからんが」
六花は頭がぼんやりしていて、鬼の話を半分くらいしか聞いていなかった。
(イッた……? さっきの体の反応がイッたということなの?)
絶頂の余韻はまだ体に残っていた。六花は下腹の奥のほうがキュンキュンと疼くのを感じた。
(どうしちゃったの私の体……触られただけでこんな……)
「下の方はどうだ」
「あっダメ!」
足の間に手を伸ばされ、六花は咄嗟に足を閉じたが一足遅かった。彼女の太ももに挟まれながら鬼がその手を動かす。
「うっ、だめぇ……」
「先ほどより濡れてはいるが、もっとほぐしたほうがいいな」
「ほぐす?」
「そうだ。俺のモノを入れるにはもっと濡れていたほうがいい」
鬼はまたもや六花の脚を力ずくで広げた。濡れた割れ目が空気に晒されて少しひんやりした。
「いやだ、そんなところ見るな!」
「何故だ?」
鬼から真顔で聞かれ、六花は一瞬面食らった。
「何故って、は、恥ずかしいし、汚いし……」
「汚くなどない。恥ずかしさは耐えろ。いずれ慣れる」
鬼は背を丸めると六花の秘部に顔を近づけ、蜜液を垂らす入り口をベロリと舐めた。ぞわぞわと六花の体が震える。
「やめろ! ひっ……うぅ~っ、だめ、中はなめないで! ああっ!」
鬼の肉厚な舌が膣の入り口辺りを舐めていたかと思うと、時折ずちゅりと中に入る。そしてぽってり膨らんだ花芯を、鬼はパクリと咥え込みジュッと吸い上げた。
「ぁあっ!?? あ~~~~!!」
「まだ小さい豆だな。これから大きくしていこう」
蜜液と唾液で濡れた小さな突起を、鬼は指で挟みシコシコと擦った。あまりの快感に六花が逃げようとすると、太ももでがっしりと押さえられバタバタと跳ねることしかできない。鬼を引き剥がそうと彼の髪をつかむも、力が入らず頭に手を添えているだけになっている。
「やあっ!! さわんないぇ、いやぁ! 変になるっっ!! あああああっ!」
2度目の絶頂を迎え、バチッと視界が弾ける。絶頂の余韻は長く六花の体はガクガク震えた。震えが収まりクタッと体を投げ出すころになっても快感がまだ体中にじんわり残っていた。頭までぼんやりし何も考えられない。
「はあ……はあ……」
「そろそろ挿れるぞ」
「いれる……?」
「おぬしのまんこに、俺の魔羅を入れる」
鬼はようやく来ていた着物を脱いだ。鋼のごとき筋肉が体全身を覆っている。ところどころ傷跡が残っているのは昔の戦いの跡だろうか。
その下半身で、赤黒い肉棒が臍のあたりまでそそり立っている。六花は男の陰部を見るのが初めてで目を白黒させた。
(男の股の間には棒がぶら下がっているとは聞いていたが……何だあれは)
「そ、それを私に挿れると?」
「そうだ」
「入るわけがない」
鬼はククッと笑うと「入るさ」と言った。それが小馬鹿にしたような笑いだったから、六花もカチンと来た。
「なんでそんなことをする、そもそもなんで私がお前の相手をしなきゃいけない。女がほしければ遊女を抱けばいいだろう」
「その辺の女で済むならそうするさ。俺が抱きたかったのは雪女だ」
「雪女を?」
鬼は六花の下腹部に手を伸ばし、薄い腹を優しく撫でた。それだけでも今の六花の体には刺激的で、腹の奥が切なく疼き蜜口からしとどに液が垂れる。
「昔……一度だけ雪女を見たことがある。あんな美女は初めて見た。ぜひとも手に入れようとしたがうまく逃げられてな。それからずっと追いかけ続けたが全く見つからない。雪女の郷は厳重に目くらましの術がかけられていて、何年かけてもたどり着けなかった。もうすっかり諦めていたが、まさかこんなところで出会えるとは……」
鬼は顔を近づけ、六花の唇に唇を寄せた。六花はびっくりし押し返そうとしたが、当然鬼の身体はびくともしない。角度を変え何度も唇をついばまれる。
「んっ、んん……」
「鼻だ、息は鼻でしろ」
「んあっ……」
そうは言われても初めての口吸いに六花は呼吸どころではない。顔を逸らして口から息を吸おうとすると、鬼はそれを逃さず六花の口に舌を滑り込ませた。
「んん!? ふっ、ぅぅん……」
くちゅくちゅと互いの唾液の混ざる音がする。六花が鬼の厚い舌を噛み切ろうとすると、鬼は六花の細い首に手を置いた。「舌を噛んだらおぬしの首を絞めるぞ」という脅しだ。手を置かれただけで首には圧迫感があり、六花は従うほかなかった。予測不可能な舌の動きに六花はただただ受け身になるしかない。酸欠と口内の刺激が相まって、六花の頭がぼんやりしてきた。
(熱い……ふわふわする……気持ちいい……)
六花はそこでハッとなった。今、今、自分は何と思ったか。
(気持ちいいなんて! 香だ、香のせいに違いない! 香の効果が切れれば、こんなこと気持ちよくなんてないんだから、だから……)
だから今だけはこの快感に酔いしれてしまおう。だって香のせいで体が反応してしまっているのだから仕方がない。
鬼が口を離すと唾液の意図が二人を繋いだ。六花は名残惜しく、自ら鬼に顔を近づけた。しかしやり方がよくわからず、鬼の唇に軽く唇を重ねることしかできなかった。鬼は目を瞬かせたものの、すぐに笑みを浮かべた。
「どうした?」
「あ……もっとして……」
「もっと? 何を?」
「口吸い……」
「いいだろう」と答え、鬼は口吸いを再開した。先ほどより激しい動きで六花の口内を蹂躙する。もう六花の首に手を置いてはいなかった。その手は彼女の胸へ動き、乳輪をそっとなぞった。
「んぇっ!?」
口吸いに夢中になっていた六花は完全に油断していた。口と胸を同時に刺激され身悶えする。鬼は容赦なく乳輪を優しくなぞるのと、乳首をぎゅっとつね上げるのを交互に繰り返した。そのたびに六花の体がビクンッと大きく跳ねた。
やっと口を解放された時、六花は息も絶え絶えで布団の上で脱力した。
「気持ちよかったか?」
「きもちいい……でも、でも、香のせいだから……」
「そうだな。今は香のせいにしていればよい。だがここからは少し痛いかもしれない」
鬼は自らの陰棒をペタリと六花の下腹の上に置いた。その先端は六花のへその上まである。
「ここまで入る」
「……本当に?」
「うむ。破瓜の時はどうしても痛む。なるべくゆっくり挿れるが……耐えてくれ」
鬼は六花の恥丘の割れ目に陰棒の先端をぬちゃりと当てた。それだけでも気持ちよくて六花の体は軽く震えた。六花はこんなに太くて長いものが自分の足の間に入るとはまだ信じていなかった。
「挿れるぞ」
ぬぷっ……
「っは……」
あまりの圧迫感に六花の息が止まる。股から裂かれているように苦しくて痛い。鬼の陰棒は六花の中の肉襞を力技で押し入ろうとする。鬼も苦しそうに顔を歪ませた。
「はっ……やはり生娘のナカはきつい……指でほぐしたかったが生憎爪を切っていなくてな」
「うぅ……」
「力を抜いて、息をしろ」
六花は言われるがままなるべく力を抜き、息を吐いて吸った。少しは楽になったような気がした。もともと六花は祖母から度重なる折檻を受けていたため、痛みには強い。今も痛いは痛いが耐えられないほどではない。
「ふぅ……今、半分入ったところだ」
「これで半分……」
「痛いか?」
フルフルと六花は首を横に振った。すると鬼は安心したように軽く笑った。そしてさらに六花の体の奥に鬼が入り込む。キュンキュンと疼いていた腹は、入り込んできた肉棒を逃がすまいと締め付ける。
「いぃ……あっ……」
「雪女でもナカは熱いのだな。俺の魔羅を咥え込んでいるぞ」
ちらと見れば六花の脚の間に、本当に根元まで陰茎が収まっているのが見えた。
(本当に入ったんだ……)
感心しているのもつかの間、鬼がいきなり腰を動かした。
どちゅっ、ずぷっ、じゅぽっ。
「あっ!? あんっ! や、なにっ?!」
「すまない、もう我慢できない」
鬼は欲望のままに六花のナカで抜き差しする。ずちゅずちゅと液体が擦れる湿った音と、パンパンッと肉のぶつかる音がする。
突かれるたびに内臓を押し上げられ苦しいのに、それを上回る快感に襲われる。自分では決して届かない奥のナカ。そこを刺激されると脳髄にまでビリビリと気持ちいい痺れが訪れる。
「あ~っ! あっ! んん…あ! だめっ、そこは!」
「ここか?」
六花の気持ちいいところを、鬼は集中的にゴリゴリと突く。絶え間ない快感に六花は呼吸すらおぼつかない。
「はっ、やめ、やめてえっ! らめ! だめなのぉ、おおっ、んん!!!」
「嫌か? ならやめるぞ」
ずるりと鬼は肉棒を抜いた。腹を満たしていたモノが消え、六花の蜜口は物足りずハクハクと疼く。開かれた体はもう閉じることはできない。六花は自分の腹に手を添えた。
「あ……」
「どうした?」
「お、お腹がキュウキュウする……」
「うん?」
「お前の、その、まら? が入ってないと……お腹が変なんだ……」
鬼は面白そうにニヤニヤと笑った。
「……どうしてほしい?」
「もう一度挿れてほしい……」
どちゅんっ!
「~~~~っっ、ああああっっ!!!」
予告なく最奥まで突かれ、衝撃に六花の体が震えた。待ち望んでいた刺激に体が喜んでいる。
「あっ! ああっ……! はぁっ……! ああ! んああっ!」
「俺ももう限界だ。出すぞ」
「えあっ! えっ、だ、出すって、やっ! なに、あ~~っ!?」
鬼は六花の奥の奥で陰茎の先端を固定し、ビュルルッと大量の精液を注ぎ込んだ。その一滴まで搾り取ろうと六花の肉襞もぎゅうっと締まる。
「ああ、あ、あつい……なにこれ……」
「俺の精だ。子種と言ったほうがわかるか?」
「こだね……?」
「わからないか」と鬼はまるで子供を見るように優しく微笑んだ。
「まあいい。そのうちわかる」
「えっ……ああっ!!」
入ったままの肉棒が動きを再開した。いまだ快感に酔いしれる体はすぐに絶頂した。
「あん、い、いつまで、んんっ! いつまでやるのっ!?」
「俺が飽きるまでだ」
「アアッ! そんな、むり、あっ、むりぃ、いいっ!」
どう見ても六花より鬼のほうが体力がある。六花が最後まで保つわけがない。
ぱちゅぱちゅと絶え間なく鬼は動き続け、六花は果て続ける。
「おぬしを買ったのは俺だ。付き合ってもらうぞ」
「いやああっ!! ~~っ!」
「そろそろ名を呼びたい。教えてくれ」
「んん、~~~~~~~~っっ!! ……」
「ん? ……気をやったか」
六花は気絶していた。しかし鬼は構うことなく腰を揺らしている。気を失っていたとしても、六花の膣はぎゅうぎゅう鬼のモノを締め付けている。
「…………ぁっ、ぁあっ、うあ!? ああっ!?」
「起きたか。早かったな」
「うぁ……もうやめ、やめて……」
「何を言う。夜はまだこれからだぞ」
「あっ、んあっ」
六花は勝手に流れていた涙を乱暴に拭った。痛みには耐えられるが快感には耐えられない。
「名を、名を教える、あっ、だから、やめてくれ……」
ピタリと鬼は動きを止めた。六花のナカにモノは入ったままだったが。
「私は六花。六つの花で六花だ」
「六つの花……雪の花だな。実に雪女らしい良い名だ」
鬼はズンッと奥を一突きした。六花の意識がまた飛びそうになる。
「んえあっ!! なんで! おしえた! おしえたのにぃっ!」
「教えたら止めるなんて一言も言ってないぞ」
「あああっ! ひどい! ひっ、ひどいぃ~っ!!」
うぅ、と六花は泣きながら犯される。何度も絶頂させられて六花は再び気絶した。
「俺の名は……聞いてはいないか」
鬼は六花の体を抱き寄せ、彼女の頭を優しく撫でた。
「ああ、ようやく雪女を抱くことができた……」
鬼の男は恍惚として呟いた。そしてまた腰の律動を再開する。
「六花、お前は俺のものだ。目が覚めたら俺の名を呼んでくれ。俺は酒吞、酒吞童子だ」
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