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二、
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あたりはすでに寝静まっていた。
野犬の吠える声だけが時折聞こえてくるだけで、静かな夜だ。先ほどまで顔を出していた月も大きな雲に覆われて今は見えない。
栄一は路地の陰から通りを見渡していた。視線の先、通りを挟んで向かいには長屋木戸があり、そこを入ると両側に長屋が立ち並んでいる。今夜、倉持が現われると、寛八が言った長屋である。
路地の奥は生垣にふさがれてつき当りになっている。やつらが部屋に入ったのを見計らってから手前の木戸を閉めれば連中は袋のねずみだ。そのあと全員で部屋に踏み込む算段である。
張り込んでいるのは計四人。路地の陰に栄一、天水桶の陰には、佐々木と名乗った若者がひとり、空き部屋にもうふたり。たしか野村と、島と言ったか。
寛八と別れたあと、司法省屋敷にとって返し、中森に事のあらましを伝えた。それを聞いた中森が貸し与えた邏卒たちであるが、このとき栄一は即座に抗議した。
「相手は戊辰の戦の生き残りだという話です」
相当な手練れという可能性が高い。そのうえ相手の人数すらわかっていない状況での四人である。しかし中森はにべもなくこう言った。
「そんたはこちらも同じじゃらせんか。そいにおめは剣術教授。心配なか」
心配であった。いくら実戦経験があろうと、剣術教授だろうと、自分たちの腰にあるのはあくまで三尺の棒切れであり、方や連中の腰には本物の刀が差さっているのだ。
「せめて帯刀の許可をいただきとうございます」
食い下がる栄一に中森は意味ありげな笑みを浮かべた。
「もっとよかもん用意しちゃろう」
果たして、夕刻落ち合った三人の邏卒たちが栄一に差し出したのは、スミス&ウェッソン二型。通称アーミーだった。
栄一は腰のサックに手をやった。グリップを握り、構えて撃つ動作を頭の中で反芻してみる。
これのどこが、「もっといいもの」なのか栄一にはわからないが、腰に感じるこのずっしりとした重さに不快感はない。御一新以来、どこか雲の上を歩いているようなふわふわとした落ち着かない感覚は気持ちの問題ではなく、やけに軽くなった腰まわりのせいなのかもしれない。
とはいえこの暗さではピストルを撃つことはできないだろう。
そんなことを考えつつ張り込みを続けていると、十間ほど向こうに提灯の火が揺れているのが見えてきた。長らく剣術指導に甘んじていた栄一にとっては久しぶりの緊張感である。
奴らが四人であると確認できたときには、もう五間ほどの距離しかなかった。部屋にいるのが近藤ひとりだということはすでに確認している。つまり敵は都合五人ということだ。
四人は一様に浪人風の髷を結っていた。道中羽織に粗末な小倉袴、手甲脚絆をつけ、腰には大小を帯びている。
栄一は、提灯を持って先頭を歩く男に目を凝らした。足取りも物腰もたいした使い手ではなさそうだ。灯に照らし出された顔もひどく幼い。二人目も三人目も怖れるほどの剣客ではなさそうだった。
が、次の瞬間、四人目の男に栄一は目を奪われた。前の三人とは明らかに次元がちがう。足運びひとつをとっても並みの剣客ではないことは明白だった。
―――こいつが倉持にちがいない。
そう確信したのと同時に、経験したことのない衝撃が全身を貫いた。
急速に鼓動が高鳴りはじめ、呼吸が乱れる。
思わず足を踏み出して栄一はつぶやいた。
「蔵之介……」
うわ言のように口から漏れ出たのは死んだはずの男の名だ。
気配を察し、男たちがすかさず刀の柄に手を掛けてふり返った。このとき栄一は自分の失態に気がついていたが、それでも倉持の顔から視線を外すことができなかった。
刹那、倉持と目が合った。
「栄一、か……」
やはり。
それは他人のそら似でも亡霊でもなく、元同僚の内藤蔵之介にまちがいなかった。
奇妙な空気があたりを包んでいた。倉持―――いや、蔵之介の手下と思しき男たちの戸惑いが、静寂を通して伝わってくる。
が、次の瞬間―――
パンッという乾いた銃声がそれを打ち消した。天水桶の陰から佐々木が発砲したのだ。
うめき声と共に手下のひとりが倒れ、緊張が走った。
すかさず蔵之介が叫ぶ。
「火を消して逃げろ!」
状況を把握できずにうろたえていた手下たちは、そのひと言で落ち着きを取り戻し、すぐに火を吹き消した。同時に男たちの遠ざかっていく足音が聞こえていたが、闇のなかではどうすることもできない。
空き部屋にいた邏卒のひとりが銃声を聞きつけて飛び出してきたときには、すでに逃げられた後だった。撃たれた男のすがたもない。
いったい何事なんだと、栄一に詰め寄ってきたのは、たしか野村だったか。いや、こいつが島だったかもしれない。もともと覚える気がないうえに、闇のなかでは判別がつかない。とにかくもうひとりはいなかった。近藤の部屋に踏み込んだのだろう。
邏卒たちを振り払って、栄一は走り出した。背後で呼び止める声が聞こえていたが、足を止める気はない。
まだ闇に目が慣れない邏卒たちは慌てて提灯に火を入れるが、自分には必要ない。ここらの道など我が庭のように知り尽くしている。目をつぶったまま南町奉行所まで帰ることだってできるだろう。
だがそれは蔵之介とて同じだ。
栄一は考えた。この状況で蔵之介ならどこに身をひそめるか……。
奴らは通りを北へ向かって逃げた。そのまま行けば八ツ小路広場に出る。そんな見晴らしのいい場所へ向かうとは考えられない。おそらく西か東へ曲がって長屋が入り組む界隈へと逃げ込むはずだ。
直感的に東へ曲がった。確信はないが、自分ならそうするだろう。
と、そのときだった。背後に気配を察知し、振り向きざまに三尺棒を抜き放った。
横薙ぎに振り抜かれた三尺棒は音をたてて空を切っただけだったが、半歩後ずさってそれをやり過ごした相手の無駄のない動きを見ただけで、そこに誰がいるのかがわかった。
正眼に構え、栄一は改めて相手を見据えた。
予想通り。蔵之介は両手をぶらりと垂らしたまま、じっとこちらを見つめていた。
蔵之介の表情からは何の感情も読み取れない。「何を考えているのかわからないやつ」。そんな印象はむかしとなんら変わらなかった。
「……まさか生きていたとは……お前は真っ先に死に急ぐやつだと思っていたが……」
そう言った栄一の声はかすれていた。
蔵之介はただの同僚ではない。義兄弟と言っても差し支えないほどの間柄だった。
だがいまは違う。
暗殺事件の容疑者と逮部の人間。幕臣として死ぬことを選んだ蔵之介と、新政府に仕えて生きることを選んだ自分―――。
「ひとつだけ聴く。広沢閣下を殺害したのはお前か、蔵之介」
様々に浮かんでくる感情を、役目に徹することで打ち消そうとした。それでも内心では否定してくれと願っていた。
だが、そんな想いは次の言葉で霧散した。
「すっかり薩長の犬だな、栄一」
この三年、何度耳にしたかわからない。そんな言葉で動じる時期は過ぎたと思っていた。だがこのとき、栄一の中で何かが弾けた。気がついたときには踏み込んでいた。
一気に間合いを詰め、得意の突きを繰り出す―――が、このとき相手は間合いの外だった。足腰の踏ん張りもきいておらず、右手に余計な力も入っていた。当たらない、と瞬時に覚った。
案の定、繰り出された突きを蔵之介は難なく躱した。だけでなく、この期に及んでもまだ手を柄に掛けようとすらしない。
「お前を司法省まで連行する。嫌なら刀を抜いて立合えッ」
声をあららげる栄一に、蔵之介は冷ややかな視線を向けて言った。
「俺を捕まえたければ、明朝、刀を持って黒門前まで来い」
その言葉の意味がわからない侍はいない。冷水を浴びせられたような感覚が背筋をよぎった。言葉につまる栄一に、蔵之介はさらに続けた。
「……元会津藩士後藤市之進。さっき撃たれた男だが、弾は腹に当たっていた。もう助からない」
言われてはじめて気がついた。さっき佐々木が予定外の発砲をしたのは、自分が作戦を台無しにしたせいだ。手下を殺されてそのまま引き下がれる男でないことは、栄一自身が誰よりもよく知っている。
この場で自分を斬り捨てにしないのは旧友に対するせめてもの慈悲か、それとも丸腰の相手を斬ることは武士道に反するという自らの信念のためか。
どちらにしろ、もう逃げ場はないようだ。自分とて侍のはしくれだという自負はある。栄一は覚悟した。
「……いいだろう」
しばし互いに睨みあった後、蔵之介は無言のまま踵を返した。
闇のなかへと消えゆくその背中を見つめながら栄一は思い出していた。ずっと忘れていた……いや、忘れようとしていた過去を。のちに幕末と呼ばれるようになるあの時代のことを―――。
野犬の吠える声だけが時折聞こえてくるだけで、静かな夜だ。先ほどまで顔を出していた月も大きな雲に覆われて今は見えない。
栄一は路地の陰から通りを見渡していた。視線の先、通りを挟んで向かいには長屋木戸があり、そこを入ると両側に長屋が立ち並んでいる。今夜、倉持が現われると、寛八が言った長屋である。
路地の奥は生垣にふさがれてつき当りになっている。やつらが部屋に入ったのを見計らってから手前の木戸を閉めれば連中は袋のねずみだ。そのあと全員で部屋に踏み込む算段である。
張り込んでいるのは計四人。路地の陰に栄一、天水桶の陰には、佐々木と名乗った若者がひとり、空き部屋にもうふたり。たしか野村と、島と言ったか。
寛八と別れたあと、司法省屋敷にとって返し、中森に事のあらましを伝えた。それを聞いた中森が貸し与えた邏卒たちであるが、このとき栄一は即座に抗議した。
「相手は戊辰の戦の生き残りだという話です」
相当な手練れという可能性が高い。そのうえ相手の人数すらわかっていない状況での四人である。しかし中森はにべもなくこう言った。
「そんたはこちらも同じじゃらせんか。そいにおめは剣術教授。心配なか」
心配であった。いくら実戦経験があろうと、剣術教授だろうと、自分たちの腰にあるのはあくまで三尺の棒切れであり、方や連中の腰には本物の刀が差さっているのだ。
「せめて帯刀の許可をいただきとうございます」
食い下がる栄一に中森は意味ありげな笑みを浮かべた。
「もっとよかもん用意しちゃろう」
果たして、夕刻落ち合った三人の邏卒たちが栄一に差し出したのは、スミス&ウェッソン二型。通称アーミーだった。
栄一は腰のサックに手をやった。グリップを握り、構えて撃つ動作を頭の中で反芻してみる。
これのどこが、「もっといいもの」なのか栄一にはわからないが、腰に感じるこのずっしりとした重さに不快感はない。御一新以来、どこか雲の上を歩いているようなふわふわとした落ち着かない感覚は気持ちの問題ではなく、やけに軽くなった腰まわりのせいなのかもしれない。
とはいえこの暗さではピストルを撃つことはできないだろう。
そんなことを考えつつ張り込みを続けていると、十間ほど向こうに提灯の火が揺れているのが見えてきた。長らく剣術指導に甘んじていた栄一にとっては久しぶりの緊張感である。
奴らが四人であると確認できたときには、もう五間ほどの距離しかなかった。部屋にいるのが近藤ひとりだということはすでに確認している。つまり敵は都合五人ということだ。
四人は一様に浪人風の髷を結っていた。道中羽織に粗末な小倉袴、手甲脚絆をつけ、腰には大小を帯びている。
栄一は、提灯を持って先頭を歩く男に目を凝らした。足取りも物腰もたいした使い手ではなさそうだ。灯に照らし出された顔もひどく幼い。二人目も三人目も怖れるほどの剣客ではなさそうだった。
が、次の瞬間、四人目の男に栄一は目を奪われた。前の三人とは明らかに次元がちがう。足運びひとつをとっても並みの剣客ではないことは明白だった。
―――こいつが倉持にちがいない。
そう確信したのと同時に、経験したことのない衝撃が全身を貫いた。
急速に鼓動が高鳴りはじめ、呼吸が乱れる。
思わず足を踏み出して栄一はつぶやいた。
「蔵之介……」
うわ言のように口から漏れ出たのは死んだはずの男の名だ。
気配を察し、男たちがすかさず刀の柄に手を掛けてふり返った。このとき栄一は自分の失態に気がついていたが、それでも倉持の顔から視線を外すことができなかった。
刹那、倉持と目が合った。
「栄一、か……」
やはり。
それは他人のそら似でも亡霊でもなく、元同僚の内藤蔵之介にまちがいなかった。
奇妙な空気があたりを包んでいた。倉持―――いや、蔵之介の手下と思しき男たちの戸惑いが、静寂を通して伝わってくる。
が、次の瞬間―――
パンッという乾いた銃声がそれを打ち消した。天水桶の陰から佐々木が発砲したのだ。
うめき声と共に手下のひとりが倒れ、緊張が走った。
すかさず蔵之介が叫ぶ。
「火を消して逃げろ!」
状況を把握できずにうろたえていた手下たちは、そのひと言で落ち着きを取り戻し、すぐに火を吹き消した。同時に男たちの遠ざかっていく足音が聞こえていたが、闇のなかではどうすることもできない。
空き部屋にいた邏卒のひとりが銃声を聞きつけて飛び出してきたときには、すでに逃げられた後だった。撃たれた男のすがたもない。
いったい何事なんだと、栄一に詰め寄ってきたのは、たしか野村だったか。いや、こいつが島だったかもしれない。もともと覚える気がないうえに、闇のなかでは判別がつかない。とにかくもうひとりはいなかった。近藤の部屋に踏み込んだのだろう。
邏卒たちを振り払って、栄一は走り出した。背後で呼び止める声が聞こえていたが、足を止める気はない。
まだ闇に目が慣れない邏卒たちは慌てて提灯に火を入れるが、自分には必要ない。ここらの道など我が庭のように知り尽くしている。目をつぶったまま南町奉行所まで帰ることだってできるだろう。
だがそれは蔵之介とて同じだ。
栄一は考えた。この状況で蔵之介ならどこに身をひそめるか……。
奴らは通りを北へ向かって逃げた。そのまま行けば八ツ小路広場に出る。そんな見晴らしのいい場所へ向かうとは考えられない。おそらく西か東へ曲がって長屋が入り組む界隈へと逃げ込むはずだ。
直感的に東へ曲がった。確信はないが、自分ならそうするだろう。
と、そのときだった。背後に気配を察知し、振り向きざまに三尺棒を抜き放った。
横薙ぎに振り抜かれた三尺棒は音をたてて空を切っただけだったが、半歩後ずさってそれをやり過ごした相手の無駄のない動きを見ただけで、そこに誰がいるのかがわかった。
正眼に構え、栄一は改めて相手を見据えた。
予想通り。蔵之介は両手をぶらりと垂らしたまま、じっとこちらを見つめていた。
蔵之介の表情からは何の感情も読み取れない。「何を考えているのかわからないやつ」。そんな印象はむかしとなんら変わらなかった。
「……まさか生きていたとは……お前は真っ先に死に急ぐやつだと思っていたが……」
そう言った栄一の声はかすれていた。
蔵之介はただの同僚ではない。義兄弟と言っても差し支えないほどの間柄だった。
だがいまは違う。
暗殺事件の容疑者と逮部の人間。幕臣として死ぬことを選んだ蔵之介と、新政府に仕えて生きることを選んだ自分―――。
「ひとつだけ聴く。広沢閣下を殺害したのはお前か、蔵之介」
様々に浮かんでくる感情を、役目に徹することで打ち消そうとした。それでも内心では否定してくれと願っていた。
だが、そんな想いは次の言葉で霧散した。
「すっかり薩長の犬だな、栄一」
この三年、何度耳にしたかわからない。そんな言葉で動じる時期は過ぎたと思っていた。だがこのとき、栄一の中で何かが弾けた。気がついたときには踏み込んでいた。
一気に間合いを詰め、得意の突きを繰り出す―――が、このとき相手は間合いの外だった。足腰の踏ん張りもきいておらず、右手に余計な力も入っていた。当たらない、と瞬時に覚った。
案の定、繰り出された突きを蔵之介は難なく躱した。だけでなく、この期に及んでもまだ手を柄に掛けようとすらしない。
「お前を司法省まで連行する。嫌なら刀を抜いて立合えッ」
声をあららげる栄一に、蔵之介は冷ややかな視線を向けて言った。
「俺を捕まえたければ、明朝、刀を持って黒門前まで来い」
その言葉の意味がわからない侍はいない。冷水を浴びせられたような感覚が背筋をよぎった。言葉につまる栄一に、蔵之介はさらに続けた。
「……元会津藩士後藤市之進。さっき撃たれた男だが、弾は腹に当たっていた。もう助からない」
言われてはじめて気がついた。さっき佐々木が予定外の発砲をしたのは、自分が作戦を台無しにしたせいだ。手下を殺されてそのまま引き下がれる男でないことは、栄一自身が誰よりもよく知っている。
この場で自分を斬り捨てにしないのは旧友に対するせめてもの慈悲か、それとも丸腰の相手を斬ることは武士道に反するという自らの信念のためか。
どちらにしろ、もう逃げ場はないようだ。自分とて侍のはしくれだという自負はある。栄一は覚悟した。
「……いいだろう」
しばし互いに睨みあった後、蔵之介は無言のまま踵を返した。
闇のなかへと消えゆくその背中を見つめながら栄一は思い出していた。ずっと忘れていた……いや、忘れようとしていた過去を。のちに幕末と呼ばれるようになるあの時代のことを―――。
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