ショートストーリーまとめ

ドエムの受けくん 20230720

ドエムの受けくん。プレイにNGはないしプライベートでも尽くすの大好き。ドエムである事をドヤってすらいたし、それをネタに弄られるのも嫌いじゃない。
ベロベロに酔っ払ったバーで寡黙なノンケくんと出会ってそのままノンケくんをお持ち帰りしちゃう。
男は初めてだという彼は、めちゃくちゃ優しく抱いてくるから受けくんには物足りなかった。
だというのに翌日からノンケくんはグイグイ距離を詰めてくる。いやいやノンケでしょ？と突っぱねるものの、寡黙な男に犯されるような視線を向けられてジワジワと疼く受けくん。
結局それでまた物足りないあまったるい行為に流される。
好みのドエスに調教したろかなと思っても身体に跡を付ける行為はドン引かれるし、特殊プレイも断られた。ただ羞恥責めだけは上手くなってきて、受けくんの満足度も上がってきた。甘ったるい言葉は相変わらずだけど。
なんだかんだノンケくんと過ごすことが多くなってきた中で、珍しく暇な夜ができた。一人で過ごすのもどうかと思っていつものバーに行くと、過去にプレイしたことのある男に誘われる。キツめの拘束やバラ鞭が好きな男でそこそこ興奮させてくれるやつだったと受けくんウキウキ。
でもホテルに行って、いざプレイに入るとなんか違う。物凄い違和感が襲ってきて本番なんかとんでもなかった。結局途中で逃げるようにして飛び出した。
気持ち悪くて無意識にノンケくんの家に行ってしまったものの、いつも通り歓迎してもらえた事にほっとする受けくん。
安心して、さっきあった出来事と違和感について話をすると、ノンケくんの顔色がさっと変わる。あれっと思った時には遅かった。自分の家なのにノンケくんは頭を冷やすと言って出ていってしまった。
一人残された受けくんは訳が分からないけれど自分ちに帰るのも嫌で、風呂に入って勝手にノンケくんの服を着てベッドに入る。
ふわっとノンケくんの匂いがして無意識に嗅いじゃって次第に眠くなっていく。そういえばこの部屋ではいつも甘やかされてて、一人で風呂に入ったのも初めてだったなと思い返して。

そうしてトロトロと寝てた所をノンケくんに起こされた。聞けば頭を冷やすために10キロほど走ってきたらしい。なんだそりゃと笑う受けくんを、ノンケくんは抱きしめた。
好みのプレイはできないけれど、受けくんの事が大切で大好きなのだと言われて驚いた。
彼氏、なんて自分には縁遠いものだと思ってたから。
過去の経験も性癖も全部知られてるし、そもそもノンケくんはノンケのノーマルなのに良いんだろうか？と聞くと男らしく「好きなので」と言いきられた。
無理になったらどうしようと思いながらも、受けくんはノンケくんと付き合うことにした。
自分みたいな人間に好意を向けてくれることは単純に嬉しかったからだ。求められるのは嬉しい。
そういえばプレイの間は自分だけを見てくれるから、だからどんどんエスエムにハマっていった気がするな、と受けくんはたはと気がついた。
付き合うようになってからは不思議と被虐趣味が顔を出すことが無くなって、以前より受けくんのメンタルは落ち着いてきた。
それをノンケくんこと恋人に言うと「受けくんは誰かに愛されたかっただけですよ」なんて恥ずかしいことを淡々と言う。
受けくんはすっかり恋人の事が大好きになってきたから、恥ずかしかったけど嬉しかった。
そうして幸せに暮らす二人だったけれど、今まで加減していたという攻めくんの絶倫さは、受けくんにとっての嬉しい誤算だったりする。身体も心も満たされて、受けくんは毎日幸せなのだった。

終