転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様

撫羽

文字の大きさ
22 / 137
第一章

22ー到着

しおりを挟む
 朝起きたら、もうケイはいませんでした。でも、しっかり朝ごはんは食べて行ったみたいです。ユリウスがケイにもマジックバッグと諸々のアイテムを渡してくれていました。ケイはマジックバッグに食べ物をガッツリ入れて行ったそうです。気に入ってくれたのね。

 さて私達は、無事に王都のお祖父様のお邸に到着しました。
 前王弟殿下のお邸なので、王都の貴族街の中でも一番お城に近いエリアにあります。お邸の前庭は、数台の馬車が余裕で停められる広さになっていて立派な庭園もあります。裏側には厩や、兵舎に使用人棟もあり、小さいですが畑もあります。
 正面玄関を入ると広いエントランスホールがあって、何人もの使用人が出迎え私達の荷物もテキパキと運び込まれています。

「皆、長旅ご苦労だった。さ、サロンへ。美味しいお茶を入れさせよう」

 このお方、私のお祖父様で前王弟殿下。モーガン・ オーベロン殿下です。お父様と同じ銀糸色の髪に瑠璃色の瞳。今は引退なさって、家督もお父様の兄上であるモルゴース・ オーベロン公爵に譲られています。
 お祖父様や伯父様も以前は王城で役職を任されていたそうですが、お二人共商才がお有りだった様で早々にご辞退されました。主に、うちの領地で生産した農作物から魔道具まで幅広く扱う商会を立ち上げられた他、スイーツのお店等手広く事業をされています。
 この国では、代々王の兄弟の子供の誰かが王国の辺境を守る領主になる事と決まっています。辺境はそれだけ大事な所なんですね。
 そして、お父様の兄弟は伯父様と二人。どちらかが、辺境の地であるティシュトリア領を継がなければならなかった。お父様は元々政治に関わるよりも、身体を動かす方が性に合っていたらしく、前ティシュトリア公爵に後継がいなかった事もあって養子に入りティシュトリア領を継ぐ事になったそうです。

「父上、兄上、ご無沙汰しております」
「アーデスよく来た。此度は面倒に巻き込む事になってしまったな」
「アーデス堅苦しい挨拶はいいよ。いつもティシュトリア領のもので儲けさせてもらってるよ」
「父上も兄上も息災そうでなによりです」

 お父様のお兄様、モルゴース・ オーベロン公爵。ブロンドの髪に青緑の瞳。若かったら王子様て感じです。お父様と違ってなんかキラキラしてるのよ。今でもイケオジです。

「お義父様、お義兄様ご無沙汰しております。此度はお世話になります」
「お祖父様、伯父様、お久しぶりです」
「二人共よく着た。ルルーシュア学園卒業以来だな」
「はい、暫くお世話になります」
「お祖父様、伯父上、ご無沙汰しております」
「ご無沙汰しております」
「おお、ラウアースにジュードか。何年ぶりだ?」
「ルルの入学式以来ですね」

 そうだった。学園の入学式に両親と二人のお兄様、そしてお祖父様お祖母様伯父様まで、家族総出で来て下さってちょっと恥ずかしかったのを思い出したわ。

「そんなになるか。いや、それよりその……ルル、それは……?」
「お祖父様、フェンリルのモモとカーバンクルのルビです」
「モモです。私がまだ小さい頃にお会いした事がありますね」
「ルビなの」
「「おおー!」」
「ルル、話せるのか!?」
「伯父様、そうなんです。モモもルビも話せますよ。ルルは以前トイプードルだった頃にお会いしてますわ」
「何!? あの小さいトイプードルか!? ルルの側を離れずチョロチョロしていた、あの!?」
「はい。お祖父様、あの小さい」

 フワモコの……

「アーデスよ、長生きしてみるもんだな! フェンリルだけでなく、カーバンクルにまで会う事が出来るとは。しかもあの小さかったモモがフェンリルか! 私の腹の上で昼寝をしていた、あのちっこいモモか!」

 え!? モモちゃんそんな事していたの?

「わふ……」
「はは、父上。ルルですから」
「それもそうだな。ハハハ!」

 あら、聞きづてならないわ。
 お祖父様はお父様がそのまま年をとった感じの方です。豪快なイメージがありますが、お城でお仕事をされていた頃は王をも黙らす強者だったそうです。
 伯父様は、お父様を一回り細くした感じです。柔らかい雰囲気の方ですが、有無を言わさない曲者です。目が怖いのよ、目が。

「お初にお目にかかります。帝国第3皇子レオン・ド・ペンドラゴンです。此度はお世話になります」
「ルルーシュアの婚約者殿か。一人で帝国から来られたとか。肝が据わったお方だ。よく来られた。ルルが世話になりますな」
「さあ、皆さん。座って下さいな。お茶をどうぞ」
「お祖母様、お久しぶりです」

 お祖母様、ネヴィラ・ オーベロン。金髪にブルーの瞳の王道貴族の御令嬢て感じの方です。

「ルルが領地に帰っちゃったから、全然会えなくなって寂しいわ」
「お義母様、暫くお世話になりますので、ルルと社交会に出ましょう」
「まあ、それは張り切らなくちゃね」

 えぇー……

「ククク……嫌そうだな?」
「レオン様」
「ルルーシュア嬢をエスコートさせて頂いても宜しいでしょうか?」
「まあ、勿論よ。ルル素敵ね」

 あぁ……嫌だ嫌だ。

「テレス、ルルーシュア早速だけどね、3日後に開かれるお茶会に例の男爵令嬢も来るそうなのよ」
「まあ、それは必ず出席しないといけませんわね」
「そうでしょう? 私のお友達が主催のお茶会なのよ。それで無理を言って男爵令嬢も招待してもらったのよ」
「流石、お義母様、お顔が広いですわね」
「さ、私達は別室で打ち合わせをしましょう」
「ええ、ええ。そうですわね」

 ええー、いきなり? 私も紅茶頂いてユックリしたいわぁ。


 嘘だ……お母様もお祖母様も大嘘つきだ! 打ち合わせじゃないじゃん。ドレス選びたいだけじゃん。
 私は取っ替え引っ替えドレスを試着させられてます。

「ああ、時間がないからオーダーできないのが残念だわ」
「お義母様、仕方ありませんわ。でもこの品質なら問題ありませんわ」
「そうね、でも可能な限り手を入れてもらいましょう」
「そうですわね。お義母様、ルルはやはりこちらの色の方がお顔も映えるかしら?」
「そうね、でもこちらのデザインも捨てがたいわ。全体に刺繍も入れてもらいましょうね」
「まあ! 素敵ですわね。迷いますわねぇ」

 ウフフ……オホホ……。
 あー、はい。もうお好きにどーぞ……。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結済】悪役令嬢の妹様

ファンタジー
 星守 真珠深(ほしもり ますみ)は社畜お局様街道をひた走る日本人女性。  そんな彼女が現在嵌っているのが『マジカルナイト・ミラクルドリーム』というベタな乙女ゲームに悪役令嬢として登場するアイシア・フォン・ラステリノーア公爵令嬢。  ぶっちゃけて言うと、ヒロイン、攻略対象共にどちらかと言えば嫌悪感しかない。しかし、何とかアイシアの断罪回避ルートはないものかと、探しに探してとうとう全ルート開き終えたのだが、全ては無駄な努力に終わってしまった。  やり場のない気持ちを抱え、気分転換にコンビニに行こうとしたら、気づけば悪楽令嬢アイシアの妹として転生していた。  ―――アイシアお姉様は私が守る!  最推し悪役令嬢、アイシアお姉様の断罪回避転生ライフを今ここに開始する! ※長編版をご希望下さり、本当にありがとうございます<(_ _)>  既に書き終えた物な為、激しく拙いですが特に手直し他はしていません。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ※小説家になろう様にも掲載させていただいています。 ※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。 ※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。 ※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。 ※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。 ※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。 ※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。 ※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。

【完結】立場を弁えぬモブ令嬢Aは、ヒロインをぶっ潰し、ついでに恋も叶えちゃいます!

MEIKO
ファンタジー
最近まで死の病に冒されていたランドン伯爵家令嬢のアリシア。十六歳になったのを機に、胸をときめかせながら帝都学園にやって来た。「病も克服したし、今日からドキドキワクワクの学園生活が始まるんだわ!」そう思いながら一歩踏み入れた瞬間浮かれ過ぎてコケた。その時、突然奇妙な記憶が呼び醒まされる。見たこともない子爵家の令嬢ルーシーが、学園に通う見目麗しい男性達との恋模様を繰り広げる乙女ゲームの場面が、次から次へと思い浮かぶ。この記憶って、もしかして前世?かつての自分は、日本人の女子高生だったことを思い出す。そして目の前で転んでしまった私を心配そうに見つめる美しい令嬢キャロラインは、断罪される側の人間なのだと気付く…。「こんな見た目も心も綺麗な方が、そんな目に遭っていいいわけ!?」おまけに婚約者までもがヒロインに懸想していて、自分に見向きもしない。そう愕然としたアリシアは、自らキャロライン嬢の取り巻きAとなり、断罪を阻止し婚約者の目を覚まさせようと暗躍することを決める。ヒロインのヤロウ…赦すまじ!  笑って泣けるコメディです。この作品のアイデアが浮かんだ時、男女の恋愛以外には考えられず、BLじゃない物語は初挑戦です。貴族的表現を取り入れていますが、あくまで違う世界です。おかしいところもあるかと思いますが、ご了承下さいね。

【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした

きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。 全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。 その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。 失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

【完結】男爵令嬢は冒険者生活を満喫する

影清
ファンタジー
英雄の両親を持つ男爵令嬢のサラは、十歳の頃から冒険者として活動している。優秀な両親、優秀な兄に恥じない娘であろうと努力するサラの前に、たくさんのメイドや護衛に囲まれた侯爵令嬢が現れた。「卒業イベントまでに、立派な冒険者になっておきたいの」。一人でも生きていけるようにだとか、追放なんてごめんだわなど、意味の分からぬことを言う令嬢と関わりたくないサラだが、同じ学園に入学することになって――。 ※残酷な描写は予告なく出てきます。 ※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムに掲載中です。 ※106話完結。

【完結】長男は悪役で次男はヒーローで、私はへっぽこ姫だけど死亡フラグは折って頑張ります!

くま
ファンタジー
2022年4月書籍化いたしました! イラストレータはれんたさん。とても可愛いらしく仕上げて貰えて感謝感激です(*≧∀≦*) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 池に溺れてしまったこの国のお姫様、エメラルド。 あれ?ここって前世で読んだ小説の世界!? 長男の王子は悪役!?次男の王子はヒーロー!? 二人共あの小説のキャラクターじゃん! そして私は……誰だ!!?え?すぐ死ぬキャラ!?何それ!兄様達はチート過ぎるくらい魔力が強いのに、私はなんてこった!! へっぽこじゃん!?! しかも家族仲、兄弟仲が……悪いよ!? 悪役だろうが、ヒーローだろうがみんな仲良くが一番!そして私はへっぽこでも生き抜いてみせる!! とあるへっぽこ姫が家族と仲良くなる作戦を頑張りつつ、みんなに溺愛されまくるお話です。 ※基本家族愛中心です。主人公も幼い年齢からスタートなので、恋愛編はまだ先かなと。 それでもよろしければエメラルド達の成長を温かく見守ってください! ※途中なんか残酷シーンあるあるかもなので、、、苦手でしたらごめんなさい ※不定期更新なります! 現在キャラクター達のイメージ図を描いてます。随時更新するようにします。

【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます

なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。 過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。 魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。 そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。 これはシナリオなのかバグなのか? その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。 【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】

婚約破棄された公爵令嬢は数理魔法の天才

希羽
ファンタジー
この世界では、魔法は神への祈りとされる神聖な詠唱によって発動する。しかし、数学者だった前世の記憶を持つ公爵令嬢のリディアは、魔法の本質が「数式による世界の法則への干渉」であることを見抜いてしまう。 ​彼女が編み出した、微分積分や幾何学を応用した「数理魔法」は、従来の魔法を遥かに凌駕する威力と効率を誇った。しかし、その革新的な理論は神への冒涜とされ、彼女を妬む宮廷魔術師と婚約者の王子によって「異端の悪女」の烙印を押され、婚約破棄と国外追放を宣告される。 ​追放されたリディアは、魔物が蔓延る未開の地へ。しかし、そこは彼女にとって理想の研究場所だった。放物線を描く最適な角度で岩を射出する攻撃魔法、最小の魔力で最大範囲をカバーする結界術など、前世の数学・物理知識を駆使して、あっという間に安全な拠点と豊かな生活を確立する。 ​そんな中、彼女の「数理魔法」に唯一興味を示した、一人の傭兵が現れる。感覚で魔法を操る天才だった彼は、リディアの理論に触れることで、自身の能力を飛躍的に開花させていく。 ​やがて、リディアを追放した王国が、前例のない規模の魔物の大群に襲われる。神聖な祈りの魔法では全く歯が立たず、国が滅亡の危機に瀕した時、彼らが頼れるのは追放したはずの「異端の魔女」ただ一人だった。

処理中です...