転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様

撫羽

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第二章

54ーピアの腕輪

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 お母様、それは言ってはいけない事だわ。多分ね。

「ゴホッ! まぁ、令嬢の静養も全く嘘ではないそうだが暫く王都を離れたいのだそうだ。あそこは領地も王都の隣だからな。離れたと言う程にはならんのだろうな」
「大勢の前であんな事になったのですから、色々あるのでしょう」
「母上、それで我家ですか。で、父上、俺は何を?」
「あぁ、明後日には到着される筈だ。ジュード、お前途中まで出迎えに行ってくれ」
「父上、俺が出迎えですか?」
「あぁ、領地に入る前の街道には魔物が出やすいからな。護衛も兼ねてだ」

 あの領地に入る手前の、森に沿って通っている街道ね。彼処は必ず出るわ。大して強くない魔物だけど、王都で暮らしていた人達にとっては脅威かもね。

「分かりました。明日出立すれば良いですか? 明後日の朝からで間に合いますか?」
「そうだな、明日の午後からセイバー何人か連れて行ってくれるか? 森の側を通る街道へ差し掛かる前に合流して欲しい。食糧も持ってな。普通は旅路だと食糧事情も良くないだろう。夜営も助けて差し上げてくれるか」
「分かりました」
「頼む。さて、レオン」
「はい、なんでしょう?」
「双剣はどうだったかな?」
「あー……公爵夫人に歯が立ちませんでした」
「ハハハッ! そりゃあそうだろう。テレスは強いからな!」
「はい。全くダメでした」
「で、双剣は諦めるか?」
「まさか! 楽しくて仕方がないですよ! もっと扱える様に訓練します!」
「そうか! そうか、そうか! ラウ、手解きして差し上げろ」
「はい」
「ラウ、宜しく頼むよ」
「レオン、手加減しないぞ」
「当然だ!」
「ピー?」

 これだから男の人は……放っておきましょう。

「さ、モモ、ルビ、ピア、もう寝ましょう」
「はーい」
「ピー」
「ルル、おやすみ」
「おやすみ、ルル」
「おやすみなさいませ」


 おはようございます。朝です。厨房に来てます。

「嬢様、昼迄には仕上げておくッスよ」
「イワカム、お願いね」
「嬢様は朝飯食べてきて下さい」
「そうするわ。あとお願いね」
「了解ッス!」

 さて、食堂へ行こう。

「ピー!」
「皆んなお待たせ」
「ルル、先に食べ始めてるぞ」
「ええ。レオン様、構いませんよ」
「ルル、どこに行ってたんだ?」
「ジュード兄様、厨房ですわ。今日の午後に出るんですよね? 早めに食糧の手配をしておこうと思って、イワカムに頼んできました」
「すまない、助かるよ」
「いいえ。お昼迄には用意出来るそうですよ」
「分かった。有難う」
「ルル食べるー?」
「うん、ルビはもう食べたの?」
「まだ食べるのー」
「ピピー!」
「そう、ルビもピアも沢山食べなさいね」
「はーい」
「ピー! ガシガシ……」
「だから何で俺の頭齧ってるんだよ」

 ふふ、いいコンビだわ。

「そうだ、レオン様。朝からもう鍛練しますか?」
「おう、ラウに教えてもらう」
「じゃあ、私はユリウスの研究室に行ってきますね」
「ピアの魔道具か?」
「はい、出来上がったので」
「そうか。ピア、お前お利口にしてるんだぞ」
「ピー? ピピー」

 ふふ、いつもお利口にしてるし、てお顔ね。

「ユリウス、魔道具持ってきたわ」

 ユリウスの研究室です。モモ、ルビ、ピアも一緒です。

「これはこれは、ルルーシュア様! 朝からお目に掛かれるとは! 今日はついてます!」

 はいはい。私のスルースキルがどんどんレベルアップするわ。

「わふぅ……」

 モモとルビちゃん、クッションに寝にいっちゃったわ。食後のお昼寝かしら?

「出来ましたか。では、こちらを」

 ユリウスが作ってくれたのは、ピアの腕輪です。モモやルビみたいに皮じゃないのね?

「ルル様、皮ですよ。但し、先日討伐したミスリルリザードの尻尾の皮です。半端になる部分を使いました」
「凄いわね。ピア、凄いわ。とっても綺麗な腕輪ね」

 紫掛かったミスリルリザードの皮に模様を細工してあって、とっでも綺麗ね。腕輪自体に細工してある模様の中に、ティシュトリア家の紋章を浮き上がらせる様に細工してあり凝った作りになってます。その腕輪へぶら下げる様に魔石を二つ取り付けます。
 モモとルビのは首輪にコイン大の紋章をぶら下げて、両脇に紋章の半分もない位の大きさの魔石をぶら下げてあります。

「空間魔法を施してありますので、ある程度の大きさまでは対応できますよ。ピアちゃんはこれからどんどん大きくなるでしょうから」

 成る程、空間魔法ね。ん? 空間魔法?

「ユリウス、有難う。ピア、着けてみましょう」
「ピピー!」
「ピア、どっちの腕がいいの?」
「ピー」

 左腕を出してきました。

「こっちね、着けるわよ」

 着けるとピアの腕の大きさに合わせる様に、腕輪がシュルシュルと変化した。あー、だから空間魔法なのね。

「ピピー! ピー?」
「ピア、良く似合ってるわ。カッコいいわ!」
「ピピー!」

 自慢気に腕輪を見せながら、パタパタ飛び回るピア。可愛いわね。子供みたい。

「ピア、レオン様に見せに行く?」
「ピー!」

 行く、行く! て、感じかしら。

「モモ、ルビどうする? ここで寝ていてもいいわよ。迎えにくるから」
「寝てるのー」
「私もここで待ってるわ」
「そう? じゃあ、行ってくるわね。ユリウス、お願いしてもいいかしら?」
「構いませんよ」
「お願いね、行ってくるわ」
「ルルーシュア様! 私もご一緒致しますー!」

 そうなの? いいけど。ピアとマーリソン様と一緒に鍛錬場へ向かいます。

「ルル、鍛練場に行くのか?」

 研究室の入ってる建物を出たところで、ジュード兄様に会いました。

「ええ、ジュード兄様。ルビがレオン様に腕輪を見せたいんですって」
「腕輪か。どれどれ、ピア。俺にも見せてくれ」
「ピー!」

 ズズン! とジュード兄様の前に、自慢気に腕を突き出しました。

「お、いいじゃん! ピア、カッコいいよ!」
「ピピッ? ピー!」
「ハハ、本当に自慢気だな! 俺も一緒に行くよ」
「ジュード兄様、一人ですか? ノトスは?」
「ああ、出迎えの用意をしている。ルルが作ってくれたマジックバッグ、本当に便利だ。助かるよ」
「そうですか? 良かったです」
「急がないからさ、もっと数作れないか?」
「構いませんけど、どうしてですか?」
「今は使い回ししてるけどさ、他の隊員も欲しがっててな。兄貴のとこも欲しいらしいんだ」
「じゃあ、お父様もきっと言ってきますね。分かりました。時間を頂きますが、作りますね」
「ルルーシュア様、私もお手伝い致しますよ!」
「ええ、お願いね」
「マーリソン殿も空間魔法使えるのか?」
「ジュード兄様、マーリソン様は凄いですよ。オールラウンダーですしね」
「そうなのか!?」
「はい。マーリソン様は魔法の知識も豊富ですから」

 だって、元王国魔道士団副士団長ですもの。国のトップ2よ。

「なんか、うちの領スゲーな」
「ふふふ、そうですね」
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