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第三章
124ーシャーロットの出生
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さて、早くて今日遭遇するだろうと言う日になりました。
今日はピアはお口を開けて歌ったりしてません。アレをすると口の中が、カピカピになると気付いたらしくて口を開けるのはやめたらしいです。ピア、1つ賢くなったわねー。ホント、無邪気と言うか……まだまだ子供なのね。
お昼休憩です。火が焚かれます。皆、食べ物を持って火に集まっています。かなり北に来たから寒いのよ。
「皆、少しいいか?」
お父様です。まだ片手にお昼ご飯のチキンを持ってますね。
「ラウ、報告してくれ」
「はい、父上。北上して町が無くなってきた辺りから、セイバーを数人先行させていました。2人1組で2組だけですが。俺達が北上しているルートよりも少し王国内寄りに村が点在しているので、そこを先に北上させて村を回らせました」
そんな事してたのね。情報を集める為かしら? だからいつもよりセイバーの隊員達が多かったの?
「ルル、そうだな。しかし情報だけでなく、シャーロット達が立ち寄った後の村の状態が心配だったんだ」
今でもかなり速く移動しているのに、それ以上に速く先行できる隊員達て凄くないかしら?
「ティシュトリア領主隊の凄いところだ。普通は無理だ」
「ピピ」
レオン様、貴方の肩にいる白いもののせいで真剣さが全くないわ。
「ピ?」
「結果、此処から北にある村の主な大人は全て魅了されていた」
と、言う事は近くまで来ているのね。
「ラウ兄様、村人を魅了する目的は何ですか? やはり食料ですか?」
「ルル、そうだ。この厳しい環境の中で慎ましく生活している村人達の食料を分捕って進んでいる」
なんて事……なんて事をするのよ!
「それでラウ兄様、村人達は?」
「ああルル、魅了は全て解呪したそうだ。食料も村々に配ってある」
もしかして……出発前に商人達が沢山の食料を持ってきていたのはこの為なの?
「ラウ兄様、予想していたのですか?」
「ああ。嫌、予想したのはユリウスだ」
ユリウス! 本当にあなたは……!
「私は多分こうなっているだろうと、アーデス様に話をしただけですよ。決められたのはアーデス様です」
「お父様!」
「ぐふッ、あ?」
お父様、口いっぱいにチキンを入れてましたね。
「ぐふんッ、まぁ、なんだ。放ってはおけんだろう?」
「お父様! カッコいいです!」
「そうかそうか! お父様はカッコいいか!」
「父上、ルル。続けていいかな?」
ラウ兄様、ごめんなさい。どうぞー。
「最初のお祖父様からの情報通り、シャーロットはサクソン・モルドレッド、それに修道女1人、警備兵2人を連れている。変わりはないらしい」
「ルル、もう直ぐだ。直ぐそこ迄来ている」
「はい、レオン様。気をつけて下さい」
「俺か? ルルだろ?」
「いや、2人共だ」
「ラウ兄様」
うん、もうこの件はいいわ。
「村人達から聞き取った話によると、ユリウスの予想通りだった。シャーロットはレオンに会う為に帝国へ行こうとしている。ルルの事は、自分からレオンを奪った悪役令嬢だと言っているらしい」
奪ってないし! 何よ、悪役令嬢って! 超ウザイわ!
「ルルがシナリオ通り、第2王子の婚約者で婚約破棄されていたらレオンは自分を迎えに来ると決まっていたと。ルルがシナリオ通り動かなかったから、自分はこんな苦労をしなきゃいけないんだと言っていたそうだ」
「頭がおかしいわ」
お母様……賛成だわ。
「ルルが第2王子の婚約者にならなかったのは、俺との婚約があったからだ。俺との婚約の話が出たのは、俺が廃嫡を希望したからだ。もうその時点でシナリオとは違っているんだ」
「わふ、そう。キーパーソンはレオン様なのよ」
「モモちゃん、そうですね。シャーロットは無意識にそれを分かっているのではないでしょうか? レオン殿下に異様に執着している様に思います」
まるでストーカーね。
「やめてくれ、俺は本当にシャーロットとは接点はないんだ」
「て、言うか……そもそもシャーロットて本当にプロセル元男爵の娘なのかしら?」
「え? ルル、突然なんだ?」
「だってレオン様。シャーロットとプロセル元男爵て全く似ていなかったでしょう? それとも母親似なのかしら?」
「あー、ルル。実はだな…… 」
「お父様、何かご存知なのですか?」
何を掴んでらっしゃるのかしら?
「執事がいただろ?」
ああ、領地に残ってましたね。
「あの執事が言うにはだな、ペイドン・プロセルは子供が出来ない身体だったそうだ」
「「はっ?」」
レオン様と二人、あんぐり口を開けてしまったわ。
「お父様、意味が分かりません」
「そのだな、ペイドン・プロセルは子供の頃に大変な高熱を出したらしくてだな。その時に子供は望めないと医者から言われていたそうだ」
ん? レオン様も子供の頃に熱を出したみたいな事を言ってなかった?
「ルル、俺を見るな。俺は大丈夫だぞ。子供は沢山作るぞ!」
意味分かんないわ。そこまで聞いてないし。
「では、お父様。シャーロットは?」
「ああ、あの領地に娼館があるんだ。ペイドン・プロセルは手っ取り早く金を稼ぐのに娼館を作っていた。違法ではないからな。そこの娼婦の娘だ。父親は誰か分からないらしい。ペイドン・プロセルはその娼婦を贔屓にしていたそうだ。娼婦とシャーロットが王都にいたのは、まだ生きて居られた夫人と会わせない様にペイドン・プロセルが住まわせていたそうだ。ペイドン・プロセルは騙されていたのだろう。まぁ、元々金持ち貴族の愛人にでもしようと考えていたらしいから、もしかしたら知っていたのかも知れないがな」
ドロドロじゃない……て、あれ? 皆知ってたの?
「お父様、知らなかったのは私だけですか?」
「いや、ルルとレオンだ。その言いにくくてな、すまん」
何が言いにくいのかしら? 知らないけど。嫌な感じだわ。ふぅーん。
今日はピアはお口を開けて歌ったりしてません。アレをすると口の中が、カピカピになると気付いたらしくて口を開けるのはやめたらしいです。ピア、1つ賢くなったわねー。ホント、無邪気と言うか……まだまだ子供なのね。
お昼休憩です。火が焚かれます。皆、食べ物を持って火に集まっています。かなり北に来たから寒いのよ。
「皆、少しいいか?」
お父様です。まだ片手にお昼ご飯のチキンを持ってますね。
「ラウ、報告してくれ」
「はい、父上。北上して町が無くなってきた辺りから、セイバーを数人先行させていました。2人1組で2組だけですが。俺達が北上しているルートよりも少し王国内寄りに村が点在しているので、そこを先に北上させて村を回らせました」
そんな事してたのね。情報を集める為かしら? だからいつもよりセイバーの隊員達が多かったの?
「ルル、そうだな。しかし情報だけでなく、シャーロット達が立ち寄った後の村の状態が心配だったんだ」
今でもかなり速く移動しているのに、それ以上に速く先行できる隊員達て凄くないかしら?
「ティシュトリア領主隊の凄いところだ。普通は無理だ」
「ピピ」
レオン様、貴方の肩にいる白いもののせいで真剣さが全くないわ。
「ピ?」
「結果、此処から北にある村の主な大人は全て魅了されていた」
と、言う事は近くまで来ているのね。
「ラウ兄様、村人を魅了する目的は何ですか? やはり食料ですか?」
「ルル、そうだ。この厳しい環境の中で慎ましく生活している村人達の食料を分捕って進んでいる」
なんて事……なんて事をするのよ!
「それでラウ兄様、村人達は?」
「ああルル、魅了は全て解呪したそうだ。食料も村々に配ってある」
もしかして……出発前に商人達が沢山の食料を持ってきていたのはこの為なの?
「ラウ兄様、予想していたのですか?」
「ああ。嫌、予想したのはユリウスだ」
ユリウス! 本当にあなたは……!
「私は多分こうなっているだろうと、アーデス様に話をしただけですよ。決められたのはアーデス様です」
「お父様!」
「ぐふッ、あ?」
お父様、口いっぱいにチキンを入れてましたね。
「ぐふんッ、まぁ、なんだ。放ってはおけんだろう?」
「お父様! カッコいいです!」
「そうかそうか! お父様はカッコいいか!」
「父上、ルル。続けていいかな?」
ラウ兄様、ごめんなさい。どうぞー。
「最初のお祖父様からの情報通り、シャーロットはサクソン・モルドレッド、それに修道女1人、警備兵2人を連れている。変わりはないらしい」
「ルル、もう直ぐだ。直ぐそこ迄来ている」
「はい、レオン様。気をつけて下さい」
「俺か? ルルだろ?」
「いや、2人共だ」
「ラウ兄様」
うん、もうこの件はいいわ。
「村人達から聞き取った話によると、ユリウスの予想通りだった。シャーロットはレオンに会う為に帝国へ行こうとしている。ルルの事は、自分からレオンを奪った悪役令嬢だと言っているらしい」
奪ってないし! 何よ、悪役令嬢って! 超ウザイわ!
「ルルがシナリオ通り、第2王子の婚約者で婚約破棄されていたらレオンは自分を迎えに来ると決まっていたと。ルルがシナリオ通り動かなかったから、自分はこんな苦労をしなきゃいけないんだと言っていたそうだ」
「頭がおかしいわ」
お母様……賛成だわ。
「ルルが第2王子の婚約者にならなかったのは、俺との婚約があったからだ。俺との婚約の話が出たのは、俺が廃嫡を希望したからだ。もうその時点でシナリオとは違っているんだ」
「わふ、そう。キーパーソンはレオン様なのよ」
「モモちゃん、そうですね。シャーロットは無意識にそれを分かっているのではないでしょうか? レオン殿下に異様に執着している様に思います」
まるでストーカーね。
「やめてくれ、俺は本当にシャーロットとは接点はないんだ」
「て、言うか……そもそもシャーロットて本当にプロセル元男爵の娘なのかしら?」
「え? ルル、突然なんだ?」
「だってレオン様。シャーロットとプロセル元男爵て全く似ていなかったでしょう? それとも母親似なのかしら?」
「あー、ルル。実はだな…… 」
「お父様、何かご存知なのですか?」
何を掴んでらっしゃるのかしら?
「執事がいただろ?」
ああ、領地に残ってましたね。
「あの執事が言うにはだな、ペイドン・プロセルは子供が出来ない身体だったそうだ」
「「はっ?」」
レオン様と二人、あんぐり口を開けてしまったわ。
「お父様、意味が分かりません」
「そのだな、ペイドン・プロセルは子供の頃に大変な高熱を出したらしくてだな。その時に子供は望めないと医者から言われていたそうだ」
ん? レオン様も子供の頃に熱を出したみたいな事を言ってなかった?
「ルル、俺を見るな。俺は大丈夫だぞ。子供は沢山作るぞ!」
意味分かんないわ。そこまで聞いてないし。
「では、お父様。シャーロットは?」
「ああ、あの領地に娼館があるんだ。ペイドン・プロセルは手っ取り早く金を稼ぐのに娼館を作っていた。違法ではないからな。そこの娼婦の娘だ。父親は誰か分からないらしい。ペイドン・プロセルはその娼婦を贔屓にしていたそうだ。娼婦とシャーロットが王都にいたのは、まだ生きて居られた夫人と会わせない様にペイドン・プロセルが住まわせていたそうだ。ペイドン・プロセルは騙されていたのだろう。まぁ、元々金持ち貴族の愛人にでもしようと考えていたらしいから、もしかしたら知っていたのかも知れないがな」
ドロドロじゃない……て、あれ? 皆知ってたの?
「お父様、知らなかったのは私だけですか?」
「いや、ルルとレオンだ。その言いにくくてな、すまん」
何が言いにくいのかしら? 知らないけど。嫌な感じだわ。ふぅーん。
応援ありがとうございます!
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