ことばのない町へ、ひとつぶの手紙を

かぼす

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プロローグ

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目を開けると、僕が見たことがない世界が広がっていた。
豊かな森、発展した町。一見、僕が来た世界と同じだった。

けれど、何かが違う。
空気が重く、静かすぎる。どこからともなく聞こえる風の音だけが、僕の耳に届く。

周りの人々は、誰も声を出していない。
みんな、無言で手にした小さな手紙や風船に目を落として、何かを伝えている。
まるで僕一人だけが、音のない世界に取り残されたみたいだった。
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