オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい

広原琉璃

文字の大きさ
96 / 132
第5章 冒険者4か月目

92話 帰路に向けて【前編】

しおりを挟む
「オレの友達に、将来カウンセラーになりたいって奴がいてさ。そいつから聞いた話なんだけど、人間不信って、他人を試すような行動取ることもあるらしいんだよ」

 昼食を口に運びながら、オレは3人に向かってそんな話を続ける。
 サディエルは『へー、そうなんだ』と、感心した表情である一方、心当たりがありまくるのかアルムとリレルは視線を逸らした。

 その分かりやすい反応、もっと早くサディエルに見せるべきだったと思うよ、オレ。

「思い返してみたら、アルムもリレルも、結構サディエルを試すようなことを日常的に言ってたよなーって。心配しているって姿も、ほとんどサディエルが不在か気絶中だったし」

「ヒロト、頼むから冷静に僕らを分析するのをやめてくれ」
「はい、お願いですからやめてください……あの、結構恥ずかしい……」

 まっ、この程度の言葉ぐらいは許して欲しい。
 オレに至っては、完全に第三者ポジションだったわけだし。

 普通、あの場面って過去編スタート!
 実はサディエルたちはこういう出会いがあり、アルムとリレルはこんな葛藤云々がー! と、ながーく語られる場面なわけだ。

 最も、オレの視点だと、そんな都合よく映像なんか流れてこないので、無理だけどな。

 そんなアルムとリレルの様子を見てか、サディエルは小さく笑う。
 サディエルの隣に座っているアークさんも、面白がっている。
 さらにその隣に座っているバークライスさんも、おかしそうに笑い、昼食はなんとも和やかなムードだ。

「俺も、最初から上手くいくとは思ってなかったよ。2人に初めて会った時、人のことなーんとも思ってない顔していたからな。アルムはこっち見てすぐに視線そらして面倒そうにしていたし、リレルに至っては無表情だ」

「サディエルも、よくパーティ組もうって決意したよね」
「んー……いやまぁ、あの時は俺もさ、本音は1人で居たかったんだよ」

 用意されたコーヒーを飲みつつ、サディエルは昔を思い出しながら語った。
 一方で『1人で居たかった』と言う言葉に、ビクリと2人が反応する。

「アークのことがあったからな。正直、1人で居た方が楽なんじゃないかって……クレインさんの護衛をしている間も、この屋敷でフットマンとして働いている間も、結構悩んでいたんだ」

 流石にこの件に関してだけはアークさんも耳が痛いらしく、ちょっと視線が泳いだ。
 改めて見ると、ここの関係複雑すぎない……?

「で、ちょっとその間にトラブルがあって」
「サディエル、そのトラブルを詳しく」
「脱線するし、今話したら夕方になるから却下」

 両手で×マークを作りながら拒否されてしまった。
 いや、そりゃそうだけど。脱線だけど気になる。

「そのトラブルがきっかけで、2人を紹介されたんだ。捨て犬か捨て猫見たいに、敵対心バリバリのな」
「捨て犬か、捨て猫……」

 脳内で、犬耳と猫耳でミニチュアな2人を想像すると、ちょっと笑いそうになる。
 オレが何を想像しているのか察しがついたのか、アルムとリレルがこちらを睨んでくるけど、スルーさせて貰おう。

「そりゃ悩んださ。当時の俺の精神状態で2人を預かれるかって言ったら、無理だってすぐに思った」
「いつものサディエルならそう判断するよね。過小も過大も評価しないんだし」
「あー、それ。こいつらと組んでから、戒めで自分に課したんだよ」

 なんですと?

 え、最初からそう言う思想の元にやってたんじゃ……ないんだな。
 ちょっとそれが意外だったというか、何と言うか。

「アークやカインさんに散々注意されていたし、止めてくれる奴がいなくなったからさ」

「おれがいなくならんと出来なかったのかよ、お前……」
「あっははは、ごめんって」

 ジト目でアークさんに睨まれて、サディエルは必死に謝罪をする。
 なるほど、ストッパーがいないって認識していたからか。
 そう言う律し方しないと、1人でドツボにハマってやらかしどころじゃなさそうだもんな、サディエル。

「で、色々悩んで、結局決め切れなくて。詳細な事情をって周囲に聞き込みしたら、そりゃそうなるかなーって分かって、見捨てられなくなってさ」

「それで、一緒に?」
「あぁ。アークたちの言葉を借りるなら、小さな親切、大きなお世話だったかもしれないけどな」

 苦笑いするサディエルを見て、港町での会話を思い出す。
 丁度、アークさんと初めて会った時で、2人に複雑じゃないかって聞いた時、だったかな。

『……あー、とりあえずサディエルのお人よしに巻き込まれた感はめっちゃする』
『おおむね大正解』
『そうですわね、あれは彼の小さな親切大きなお世話、だったかもしれませんね』

 ぼかされた言い回しだったけど、そう言う意味だったのか。
 オレが納得していると、サディエルはナイフとフォークを皿に置いて、バークライスさんに視線を向けた。

「バークライスさん。もう、アルムとリレルは大丈夫だと思います」

「……え?」
「サディエル、何を……」

 2人の問いかけを無視して、サディエルはバークライスさんに対して報告を続ける。

「今日ご覧になった通り、2人はもう大丈夫です。人との関わりだって、ヒロトとの関係を見れば分かると思います」
「そのようだな」

 彼の言葉に頷くと、バークライスさんは、アルムとリレルに視線を向けた。

「アルム」
「はい」

「リレル」
「……はい」

「本日付けで、各部署への復帰を許可する。今回の件が完了次第、戻ってきなさい」

 バークライスさんの言葉を受けて、2人は驚きの表情を浮かべる。
 各部署へって……それって……

「えっと、アルムとリレルは……そっか、この国の軍師さんと、名医さんの弟子だから……」
「何もなければ、エルフェル・ブルグで軍師や医者として働いていたからな。2人とも」

 そっか、そう言えばそんなこと言ってたっけか。
 今回のってことはオレを元の世界に戻した後になるわけで……って、ちょっと待った。

「それって、2人とも冒険者を辞めるってこと、だよね? じゃあ、サディエルは?」
「俺かぁ……どうするかな。ヒロトも見送った後ってことになるし。当初の予定通り、1人旅でもするかな」

 パーティ解散の危機ってのに、当事者の一人が楽観的過ぎる!
 両腕を組んで悩む内容が、1人旅をするか否かってあたりが。

 アルム、リレル……ここに、素直じゃなかった5年分の弊害がめっちゃ出てるよ。
 ミリも2人が残る可能性を視野に入れてないよ、サディエルは……!

 思わず彼らに視線を送る。
 アルムとリレルの方も、サディエルが1人旅をする気だと聞いて、唖然としていた。
 だけど、すぐに2人は椅子から立ち上がって、駆け足でサディエルの所まで行く。

「お、ま、え、はー!!」
「サディエル、冗談でもタチが悪すぎますよ!?」

「へ? いやだって、お前らがこの国に残るなら、俺はお役御免だし……」

 うん、ダメだ、サディエルが何も理解しちゃいない。

 きっと彼の脳内では、2人が笑顔でエルフェル・ブルグへ戻って、自分は役目を終えた一安心! って感じで旅立つ未来しか想像してない。
 独り立ちした息子と娘が、自分の元から巣立って行くのを見送る父親状態だ。

 ほら、隣にいるアークさんは『……ダメだコイツ』って哀れみの目を浮かべているし。

 ……流石にアルムとリレルが可哀そうだし、援護しよう。

「あのさ、サディエル……2人は……」

「待てヒロト、僕らから言う」
「ですね。言わないと分かってくれなさそうです」

 ハッキリと言われて、オレは口を紡ぐ。
 2人がそこまで決意してるなら、これ以上は野暮だよな。

「分かった。頑張って、2人とも」

 エールだけ送って、オレは事の成り行きを見守ることに徹することにした。
 落ち着いた所で、まずアルムが口を開く。

「お前も残れ、サディエル」
「そうです、残ってください」

 続いてリレルも強い口調で懇願した。
 2人の言葉を聞いて、サディエルはゆっくりと首を左右に振る。

「2人はもう大丈夫だ。ずっとそばで見て来た俺が保証……」

「お前がいない状態で帰っても、すぐに悪化して余計厄介になる自覚あるんだよ、僕もリレルも!」
「私たちは嫌です、サディエル。お願いです、私とアルムを見捨てないでください……!」

「見捨てるって、俺はそんなつもりじゃ」

 素直に言いきった2人に、オレは心の中で拍手を送る。
 そうそう、そこまで言い切らないときっと通じないよ、サディエルなんだから。

 5年間、2人が彼に対して素直に言えなかった部分が原因で、今回の反応なんだからさ。

 これがただの鈍感とか、天然なら良かったのに。
 正直、鈍感とかよりもよっぽどめんどくさい。
 5年分の凝り固まったイメージを解さないと、多分彼は理解しないのだから。

「お前がやろうとしてることは、そう言う事だ!」
「そうです! 1人旅するぐらいなら、私たちも連れて行ってください! じゃなきゃ、残ってください!」

 必死に頑張って言葉を紡ぐ2人に対して、サディエルが何とかひねり出した言葉は。

「……2人とも、なんか子供っぽくなってないか」

 これである。
 想像以上に重症だよ、この3人。

 元の世界に戻ったら、オレも気を付けよう……ここまで親友たちと捻じれたくない。

「誰のせいだ!」
「誰のせいですか!」

 3人とも同罪だとおもいまーす。
 今回の一件で、3人の精神年齢が凄くオレに近いところまで下降しまくったなー……おかしい、コンビネーションの試験じゃなかったのか。

 ダメだ、やっぱ助け船だそう。これ以上はさすがに両者ともアレすぎる。

「サディエルがエルフェル・ブルグに残るの、オレも賛成かな」
「ヒロトまで!?」

「いやだって、オレからしたらさ、元の世界に戻った後はもうみんなの様子が見れないわけだよ。ガランドの件が決着ついたとして、その後も冒険者やってたらって思うと心配なんだ」

 一般的な物語のエンディング後は、猫箱になるわけだから想像するのは自由だ。
 また世界が滅びかけたりとか、旅の途中で実はくたばりましたとか。

 だけど、オレが今経験しているのは、架空の物語じゃないんだ。

 ガランドとの決着をつけたとしても、その後の冒険であっさり……と言う可能性はゼロじゃない。

「もう2度と連絡が取れないなら、1つの国に定住してくれる方が、オレとしても安心出来る」

 確実に安全で平和に過ごしてくれる、と信じられる場所に永住してくれるなら、それに越したことは無い。
 元の世界に戻った時に、このエルフェル・ブルグで仲良くやっている3人を思い返すことだって出来るわけだ。

「だから、オレからもお願い」

 この通り、と顔の前で両手を合わせる。
 それでもまだ少し渋るサディエルに、さらに追撃が来た。
 バークライスさんからの、アルムとリレルへの援護射撃である。

「この国に残ると言うならば、1つ提案がある。サディエル、魔術省で働く気はないか?」
「魔術省、ですか?」

 サディエルの問いかけに、バークライスさんは頷く。

「そうだ。お前は今回の件で、魔族どころか魔王とも関わりを持った。痣を初めて受け、尚且つ、魔族を退ける予定もある。そんな経験をした人材は、こちらとしても貴重だ」

 と言う事はつまり……

「サディエルが魔術省に就職しちゃえば、アルムやリレルと同僚にもなる、ってことか」
「ついでに、おれとも同僚だな。いいんじゃないか?」

 オレとアークさんの言葉を聞いて、アルムとリレルの表情が輝く。

「「サディエル!」」

 期待のまなざしを受けて、サディエルは一瞬たじろぐ。
 だけど、すぐに観念したのか苦笑いを浮かべながら、アルムとリレルの頭に手を置いて、わしゃわしゃと撫でた。

「バークライスさん、その話に甘えさせてもらっていいですか?」
「そうしてくれると、こちらとしても助かる」

 その言葉を聞いた2人は、とても嬉しそうにしている。
 3人が平和に暮らせる目途が立ちそうで、嬉しい限りだ。

 うん、これでオレも、安心して元の世界に………

 ――――ちょっと待った。嫌な事に1つ、気づいてしまった。

 うーわー、むしろこのまま、いい話だったなー、で終わらせたかった。
 気づいたオレのアホ! でも気づかずに放置してた方がもっとやばいので、グッジョブ、オレ!

「えっと、3人ともごめん。1つだけお願いが」
「ん? どうしたヒロト」

「途中で気づけばよかったんだけど……オレの世界で、こういう "戦いが終わった後の話をする" ってのさ……死亡フラグのテンプレでさ」

 死亡という単語と、テンプレと言う言葉に、3人は頬を引くつかせる。
 そう、めちゃくちゃドテンプレな死亡フラグを、今まさにオレたち踏み抜きまくっている、いや、ギリギリまだ踏んでないか?

 とにかく微妙なラインというか、瀬戸際なわけで。

「バークライスさん、すいません。さっきの話、一旦保留でお願いします」
「魔族限定で、ヒロトの所の "お決まり" は凄く当たるので」
「もう予知か予言レベルですよね、ここまでくると」

 必死に前言撤回をする3人。
 何事だと、オレに説明を求める視線を投げてくるバークライスさんと、ついでにアークさん。

 はい、謹んで説明させていただきます……
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

転生したら無自覚に世界最強になっていた件。周りは僕を崇めるけど、僕自身は今日も日雇い仕事を探しています。

黒崎隼人
ファンタジー
トラックに轢かれ異世界に転生した元サラリーマンの星野悠。 彼に与えられたのは「異常な魔力」と「無自覚に魔術を使う能力」。 しかし自己評価が低すぎる悠は、自分のチート能力に全く気づかない。 「困っている人を助けたい」――その純粋な善意だけで、魔物を一撃で消滅させ、枯れた大地を蘇らせ、難病を癒してしまう。 周囲が驚愕し、彼を英雄と崇めても、本人は「たまたまです」「運が良かっただけ」と首を傾げるばかり。 これは、お人好しな青年が、無自覚なまま世界を救ってしまう、心温まる勘違いと奇跡の物語。

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~

サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。 ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。 木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。 そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。 もう一度言う。 手違いだったのだ。もしくは事故。 出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた! そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて―― ※本作は他サイトでも掲載しています

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味
ファンタジー
※完結しました。感想をいただけると、今後の励みになります。よろしくお願いします。 これは、今まで暮らしていた世界とはかなり異なる世界に移住することになった僕の話である。 ようやく再就職できた会社をクビになった僕は、不気味な影に取り憑かれ、異世界へと運ばれる。 気がつくと、空を飛んで、口から火を吐いていた! これは?ドラゴン? 僕はドラゴンだったのか?! 自分がドラゴンの先祖返りであると知った僕は、超絶美少女の王様に「もうヒトではないからな!異世界に移住するしかない!」と告げられる。 しかも、この世界では衣食住が保障されていて、お金や結婚、戦争も無いというのだ。なんて良い世界なんだ!と思ったのに、大いなる呪いがあるって? この世界のちょっと特殊なルールを学びながら、僕は呪いを解くため7つの国を巡ることになる。 ※派手なバトルやグロい表現はありません。 ※25話から1話2000文字程度で基本毎日更新しています。 ※なろうでも公開しています。

処理中です...