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あの時の少年
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城の外に出た私たちは、ひとまず妖精達と前に住んでいた森に向かった。
街には城ほど魔物がいなかったので、城から遠ざかるほど楽に進むことが出来た。
道中、数体の魔物に遭遇したが、レインが全て剣で倒してくれた。
ようやく森に着いた私たちは、その辺の切株に腰を下ろした。
「全く、街より実はこの森の方が安全なんてね。」
レインが皮肉げにそう呟いた。
イグニスとルクスがテオを慎重に運び、エリザが急遽作ったお花のベッドに寝かせた。
「テオ、ひどい怪我ね。」
そう声を掛けるとテオは弱々しく笑った。
「君が心配してくれるなんて、思ってもみなかったな。」
レインがそれを聞いて不快そうに鼻を鳴らした。
「全くだよ。ユリアに感謝するんだな。僕は君がどうなろうが構わなかったのに。」
あくまでテオは皇太子殿下なのに、すごい口ぶりだ。
まあでも、こんな状況下では皇太子殿下といえど、レインを不敬罪にはできないだろうけど。
「そんなことより、ユリア。お腹すいたりしていないかい?
今はとにかく疲れたろうし、僕が食料を探してくるよ。」
レインは本当に皇太子より私優先なようで、そう言うや否や、私の為に森の奥へ行ってしまった。
「ねえ、ユリア。」
レインのテオに対する態度にある意味感心している私に、エリザが声を掛けてきた。
「どうしたの?エリザ。」
「ユリアの言う通り、テオはひどい怪我だわ。ひとまず綺麗な水で浄化しないと。」
エリザはそう言って、遠くの方を見つめた。
「あっちに行けば、この森に流れている川があるんだけど・・・。」
「なら、私が汲んでくるわ。何か容器になりそうなものはあるかな。」
私がそう聞くと、エリザがお花のバケツを出してくれた。
「一人で大丈夫?」
エリザにそう聞かれ、もちろんと答える。
「レインはテオの事看てくれそうにないし、私が行ってくるから、
エリザ達はテオの事をお願いするわ。」
エリザにそう伝えてから、バケツを持った私は早速エリザの教えてくれた方向に向かって歩きだした。
しっかりと道を聞いたわけではなかったが、しばらく歩くと水の流れる音が聞こえてきた。
どうやらもう川の近くまで来たらしい。
音を頼りに歩いていくと、ようやく木々を抜けて川が見えてきた。
「きっとこれが、エリザの言っていた川ね・・・。」
確かに、この川の水は綺麗そうだ。
川底まで透き通っていて、泳ぐ魚もちらほらといる。
さっそくバケツを取り出し、川に突っ込んでから持ち上げる。
重たくなったバケツをなんとか持ち上げ、エリザたちのところに戻ろうとした時だった。
「ねえ、美優。僕のことを覚えている?」
美優・・・?
それは久しぶりに聞いた、自分の昔の名前だった。
思わず声のする方に振り向くと、そこには。
金色の髪と、真っ白な翼を生やした少年が立っていた。
その姿には見覚えがある。
死のうとしていた私に声を掛け、この世界に転生させてくれた、神と名乗った少年だった。
「君は、あの時の・・・!」
私が口にすると、少年は嬉しそうに笑った。
「思い出してくれて、良かった!あれから君がどう過ごしているのか気になってね、来ちゃったよ。」
少年はそう言うと、私に身体を近付けて囁いた。
「なにやら大変な事になっているみたいだね。僕が手助けをしてあげようか?」
「手助けって・・・?」
私が聞くと、少年は何が楽しいのかクスクス笑っている。
「妹のローラにさっき言われていなかった?君が前世での姉の魂だって。」
「それは・・・。」
確かに先ほどローラにそう何度も言われた。何度言われてようが少しも理解できないけど。
「だから、僕の力で君に前世の記憶を思い出させてあげようと思って。
そうすれば、きっとローラが何を言っているのか少しは理解できるかもしれないよ?」
確かに、そうだ。
もし、私が自分自身の前世を思い出せば、一体何の事なのか分かるのかも?
少年に対して私は頷いた。
少年がにっこり笑って、私の頭に手をかざした。
すると、次の瞬間。
私の頭の中に、まるで映像のように誰かの記憶が流れ込んできた。
膨大な記憶の量に、頭がパンクしそうになる。
一体、どのくらいそうしていただろうか。
少年が手を離すころには、私はその場に頭を抱えて座り込んでいた。
目から大粒の涙が勝手にボロボロこぼれる。
ああ、そうだったの。
全部、思い出した。
街には城ほど魔物がいなかったので、城から遠ざかるほど楽に進むことが出来た。
道中、数体の魔物に遭遇したが、レインが全て剣で倒してくれた。
ようやく森に着いた私たちは、その辺の切株に腰を下ろした。
「全く、街より実はこの森の方が安全なんてね。」
レインが皮肉げにそう呟いた。
イグニスとルクスがテオを慎重に運び、エリザが急遽作ったお花のベッドに寝かせた。
「テオ、ひどい怪我ね。」
そう声を掛けるとテオは弱々しく笑った。
「君が心配してくれるなんて、思ってもみなかったな。」
レインがそれを聞いて不快そうに鼻を鳴らした。
「全くだよ。ユリアに感謝するんだな。僕は君がどうなろうが構わなかったのに。」
あくまでテオは皇太子殿下なのに、すごい口ぶりだ。
まあでも、こんな状況下では皇太子殿下といえど、レインを不敬罪にはできないだろうけど。
「そんなことより、ユリア。お腹すいたりしていないかい?
今はとにかく疲れたろうし、僕が食料を探してくるよ。」
レインは本当に皇太子より私優先なようで、そう言うや否や、私の為に森の奥へ行ってしまった。
「ねえ、ユリア。」
レインのテオに対する態度にある意味感心している私に、エリザが声を掛けてきた。
「どうしたの?エリザ。」
「ユリアの言う通り、テオはひどい怪我だわ。ひとまず綺麗な水で浄化しないと。」
エリザはそう言って、遠くの方を見つめた。
「あっちに行けば、この森に流れている川があるんだけど・・・。」
「なら、私が汲んでくるわ。何か容器になりそうなものはあるかな。」
私がそう聞くと、エリザがお花のバケツを出してくれた。
「一人で大丈夫?」
エリザにそう聞かれ、もちろんと答える。
「レインはテオの事看てくれそうにないし、私が行ってくるから、
エリザ達はテオの事をお願いするわ。」
エリザにそう伝えてから、バケツを持った私は早速エリザの教えてくれた方向に向かって歩きだした。
しっかりと道を聞いたわけではなかったが、しばらく歩くと水の流れる音が聞こえてきた。
どうやらもう川の近くまで来たらしい。
音を頼りに歩いていくと、ようやく木々を抜けて川が見えてきた。
「きっとこれが、エリザの言っていた川ね・・・。」
確かに、この川の水は綺麗そうだ。
川底まで透き通っていて、泳ぐ魚もちらほらといる。
さっそくバケツを取り出し、川に突っ込んでから持ち上げる。
重たくなったバケツをなんとか持ち上げ、エリザたちのところに戻ろうとした時だった。
「ねえ、美優。僕のことを覚えている?」
美優・・・?
それは久しぶりに聞いた、自分の昔の名前だった。
思わず声のする方に振り向くと、そこには。
金色の髪と、真っ白な翼を生やした少年が立っていた。
その姿には見覚えがある。
死のうとしていた私に声を掛け、この世界に転生させてくれた、神と名乗った少年だった。
「君は、あの時の・・・!」
私が口にすると、少年は嬉しそうに笑った。
「思い出してくれて、良かった!あれから君がどう過ごしているのか気になってね、来ちゃったよ。」
少年はそう言うと、私に身体を近付けて囁いた。
「なにやら大変な事になっているみたいだね。僕が手助けをしてあげようか?」
「手助けって・・・?」
私が聞くと、少年は何が楽しいのかクスクス笑っている。
「妹のローラにさっき言われていなかった?君が前世での姉の魂だって。」
「それは・・・。」
確かに先ほどローラにそう何度も言われた。何度言われてようが少しも理解できないけど。
「だから、僕の力で君に前世の記憶を思い出させてあげようと思って。
そうすれば、きっとローラが何を言っているのか少しは理解できるかもしれないよ?」
確かに、そうだ。
もし、私が自分自身の前世を思い出せば、一体何の事なのか分かるのかも?
少年に対して私は頷いた。
少年がにっこり笑って、私の頭に手をかざした。
すると、次の瞬間。
私の頭の中に、まるで映像のように誰かの記憶が流れ込んできた。
膨大な記憶の量に、頭がパンクしそうになる。
一体、どのくらいそうしていただろうか。
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ああ、そうだったの。
全部、思い出した。
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