聖少女(セイント・ガール)

野宮雪菜

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禁忌の恋(2)

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「な、なに……」
 要の背中をよけてみると、前方にラファエルがいた。莉子は息をのむ。
 ラファエルが言った。
「なるほど。君が莉子の傍にいたんだ。どうりで莉子が任務を果たさないと思ったよ」
「聖少女のか?」
 硬い声で要がつぶやく。ラファエルが目を見張る。
「知っていたんだ」
 ラファエルが言うと、要は握り拳を作った。
「……」
「知っていて、近づいたんだ?」
「おまえには……おまえたちには関係ない」
 ラファエルはふっと笑うと、莉子に視線を向けた。
「行くよ、莉子。こんな奴に関わっちゃいけない」
「行けよ、莉子。あいつの言う通りだ」
 何かを押し殺したような要の声に、莉子は彼を見上げる。苦悩に顔をしかめているのがわかった。

「嫌」
 そうつぶやくと、莉子は要の手を取り、ラファエルの横を通り抜ける。
 要もラファエルも驚いている。それがわかる。でも一緒に行くのは要……シェムハザだ。ラファエルではない。
「待ちなさい」
 ラファエルの言葉と同時に、ブレスレットが熱をおびた。莉子はシェムハザの手を離し、ブレスレットを取ろうと立ち止まる。
「熱い! 痛い!」
「やめろ、ラファエル! おまえは治癒の天使だろ!? 人間にこんなことするのか!」
 シェムハザが怒鳴った。ラファエルはキッとシェムハザをにらむ。
「おまえがそれを言うのか。堕天使のおまえが!」
 シェムハザはののしられたことに怯みもせず、ブレスレットに手をかけた。そして目をぎゅっとつぶった。
「山口くん!」
 莉子が叫ぶ。ブレスレットがぐにゃりと形を変えた。あれだけ取れなかったものが、莉子の左手首から離れた。
 ほっと息をつく彼女を、シェムハザは抱きかかえた。
「え?」
「シェムハザ!!」
 ラファエルが莉子に手を伸ばした時には、すでに彼女とシェムハザは消えていた。
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