優しい希望

すかーれっとしゅーと

文字の大きさ
14 / 42

第14話 思わぬ訪問者

しおりを挟む
バタン

 ドアが閉まり、ユウ兄様にいさまは出て行った。
朝7時前。
今までの私にとっては、そろそろ起きようか、でもまだ寝ていたい、そんな時間。


 実家にいるときの朝の動き。
7時に起きて、半までに着替えを済ませて、朝食。
8時には西武新宿線で、田無駅まで行く。
そこから徒歩で学校に向かって、8時半前に到着。

今日のように、特に用事が無い日は、昼辺りまでベッドの中でゴロゴロしている。



 そんな生活をしてきたので、6時前の起床となると、少々眠かった。
起きた当初は「無理だ……これ」と思った。
ユウ兄様の家に押しかけたのは、早まったかも。そう一瞬、考えてしまった。

それくらい、布団の中は天国……。

 けれど、なぜかユウ兄様の笑顔を見ると起きれたんだよね……。不思議。
布団の中で、彼に絡んだ手を外されて、気配が離れていったとき、寂しく感じた。
キッチンで料理している彼の姿を見たとき、朝食は2人で食べたい、そう思えた。

 これから先、2人で暮らしていく。なのに、朝は別々というのは寂しいじゃない?
実家では、親があまり家に帰ってこなかったから、尚更、家族の時間を大切にしたい。


……でも、彼は、出て行った。私を残して……。


 仕方ないじゃない、仕事なんだもの。
自分自身に言い聞かせる。
今、家で独り。親がいないときに居てくれた、大谷さんもいない。
正真正銘独りきり。寂しい。



そうだ、ユウ兄様のことを考えよう。

 昨日……そういえば、身体中を彼の手が巡っていったなぁ……。
とても安心したし、ユウ兄様に包まれている気がした。
何も身に着けず、彼の布団に入り込むのは、とても緊張した。
普段から裸で寝ることは多い。
でも、昨日は私だけじゃない、ユウ兄もいる。
結局、最低限の下着は着けて寝るということになった。
本当に、ドン引きされなくてよかった。

 正直あの夜、ユウ兄様がどんな表情をしていたのかは、見ていない。
ずっと彼の胸元に顔を押し付けられていた。そんな気がする。
間違いない、彼も私を抱き寄せていた。
迷惑に思われていない、そう思う。今夜も何か考えようかしら。



 おっと、このまま思いにふけるわけにはいかない。
テーブルの上にある、貯金通帳を目にする。生活費を託されたのだった。
お腹を減らして帰ってくるユウ兄様のために、夕ご飯を作らないと。
できれば明日の朝ごはんも、そのうち、お昼のための弁当も作りたい。
前に読んだ雑誌に「男のハートをつかむには、胃袋から」と書いてあった
「希が作ってくれる料理、これがないと俺は死んでしまう」
そう言わせたい。

今の私、色気や気遣いでは、周りのユウ兄様を狙っているであろう、大人の女性に対抗できない。
料理の腕しか、まともな勝負ができないから。


現在の私の立ち位置。全く安定していない。

 昨日、ユウ兄様の元へ押しかけ、そして同居を始めた。
そこまでは、私自身が驚くほどに、順調に事が進んだ。

でも、現時点では、婚約したわけでも、身体が結ばれたわけでもない。

今日、ユウ兄様が帰ってきて、
「やっぱり、出て行ってくれないか?」
……と、言われて、追い出される可能性も十分あるわけで……。

 追い出されなくても、身体を弄ばれるだけ弄ばれて、そのままポイっと捨てられることまである。
今思い返せば、若い女性が、1人暮らしの男性の住処に押しかける……。
ものすごく危険だった。今、冷静に考えると、本当にそう思う。
昨日の時点では「そのまま捨てられてもいい」という気持ちもあったけど、それは嫌だ。

だけど、内心では、ユウ兄様がそんなことをするわけがない、そう信じることができる。

昨日、私が迫っても、抱いてくれなかった。

 あのときは、「なんで?私のこと、嫌いなのかな」そう思った。
でも、ユウ兄様と接する時間が長くなるほど、大事に扱ってくれていることが、わかってきた。
しかし、これはあくまでも、私から見た感想なので、正直どうなのか、確信が持てない。

 そう思っていた中、彼は、昨日約束した通り、通帳を預けてくれた。
額を見たら7桁あった。
しかも左端が7。700万である。この額、いち高校生に任せる額ではないよ……。

それでも、彼は、私に託してくれた。

 もしかしたら、ユウ兄様にとって、はした金なのかもしれない。
それでも、私は「生活を共にするひととして託された」と受け止めることができて、嬉しかった。
そして。「一緒に住んでもいいんだね」と、安心した。



ブブブブブブ……



スマホに着信。SNSにメールがきたようだ。小夜《さよ》からか。


・昨日会ったばかりの学生に大金を託すなんて、世間知らずのいいひとすぎる。バカ?
・希様、顔が緩みすぎです
・9時頃、訪ねます



ユウ兄様のこと「バカ」って、アンタねー!

……確かに、ユウ兄様が家に帰ってきたときに、私が居なかったら持ち逃げしたと、思うかもしれない。
でも、私、そんなことしないから。ユウ兄様の奥さんなんだから!キャー!



ブブブブブブブ……



・はしゃぎすぎです。アホですか
・そんな希様のお姿、ご褒美です





 さあ、何をしようか。
とりあえず、寝間着から長袖のカットソーとワイドパンツに着替える。
家の中は、動きやすいのが一番だよね。

 ベランダを見る。全自動洗濯機がある。
Tシャツや洋服を干すためのハンガーや、洗濯ばさみの付いたピンチハンガーなども吊り下がっている。
窓際には、プラスチック製のかごがあり、ユウ兄様の下着やTシャツ、作業服が入っていた。

作業服……。上下とも汚れがひどい。

 上下とも持って、浴室へ向かう。バケツに作業服を押し込み、洗剤とお湯を入れる。
汚れを擦りたかったけど、ブラシは無いようだ。今度買ってこようかな。
予め、つけ洗いしておくだけでも、汚れ落ちは違うはず。
これは、1、2時間経ってから、洗濯機でまとめて洗おう。

浴室とトイレ。

男性の独り暮らしってこんなものなんだろうか。
カビは生えていないものの、少々汚れが溜まっている。
お風呂用洗剤もトイレ用洗剤もあるので、掃除しておこうか。



 しばらくの間、浴室とトイレの掃除に没頭した。
掃除って、何も考えず、無になれるから、大好き。
今度、いつも使っていた洗剤を、ネットで取り寄せよう。
綺麗になってたら、ユウ兄様、驚くかな。驚いた顔が目に浮かぶ。



 掃除が一段落した頃、スマホの時計を見ると、8時前。
8時から仕事だとか言っていたなぁ……。
そういえば、どんな仕事内容か、ほとんど聞いていない。
何処にあるかとか、聞いてみよう……スマホを手に取って、重要なことに気づく。


……ユウ兄様と、アドレスの交換してない……。


 何ということなのだろう。そんな初歩的なことを今まで忘れていたなんて。
友達同士、仲良くなったら、間違いなくアドレス教え合うはずなのに。
そんなに仲良くしたくない相手とでも、忘れていなかったはず。
なのに、なのに、ユウ兄様相手に、交換していないなんて……。



……昨日の私が、どれだけ舞い上がっていたのか、今、実感したよ……。




そんなときだった。



ガチャガチャガチャ……



 玄関から音がした。鍵を回している?
確か、ユウ兄様が出て行った後、鍵を閉め忘れてたなぁ……。
強盗?泥棒?混乱しそうになる。
でも、泥棒だったら、空いているドアに、わざわざ鍵を開けようとしないだろう。
そう、思い返す。意外と冷静だな、私。
いざとなったら、小夜が駆けつけてくる、はず。
彼女は、今この時でも、私を、この部屋を監視しているだろうし。


……ということは、この鍵を開けようとしているひとは、誰なんだろうか。



「えっ?何で?鍵開いてたの?」

 そんな、相手の驚いている声が聞こえてくる。女性のようだ。
あれ?この声の感じ、聞いたことあるような……。



バタン



勢いよくドアが開く。


「兄さん、風邪なん?大丈夫?」

 そう叫んだ女性が勢いよく走り込んできた。
浴室の出口付近にいた私には、気づいていないらしい。

「……あれ?」

 洋室まで押しかけて来たその女性は、辺りを見渡して、首を傾げている。
腰辺りまでの長い黒髪がとても綺麗。手間をかけて、大事にしているのがよくわかる。
同じように長い黒髪を持っている身として、すでにこの女性に親近感を持っていた。

「兄さんは?」
こちらに振り向いて聞いてくる。

「……仕事、です……」
「そう……」

 彼女は軽く答えると、座り込んだ。胡坐をかいている。
見た目では、そんなことをしないように見えるのにな……。
そして、こちらに顔を向けてくる。

「で、アンタ、兄貴の新しい彼女?」

 顔が整っている彼女に、睨まれる。
さっきまで「兄さん」て言っていたのに、「兄貴」に代わっている。
これは、間違いない。私の知っているひとだ……。

「兄貴が仕事に出て行ってるのに、家にのうのうと居るってことは」
彼女の目がさらに鋭くなったように感じる。

「同棲でも始めたのか?それはようござんした!まずは、おめでとさん」
ここで、言葉を区切り、私の様子を観察しているようだ。

「でもな、兄貴は簡単に人を信用しねーんだ……えっ?」

テーブルに視線を移した彼女は、突然黙り込む。

「どうされたのですか?」
不審に思ったので、聞き返してみる。

「いや、この通帳、兄貴のだよな?」
「はい」

「どうやって、手に入れたんだ?」
「普通に託されました」
「マジで?あの兄貴が?信じられん」

……私には、その言葉遣いが信じられない。
普通にしていれば、おしとやかな美人なのに……。

「そうか……、あの兄貴がね……」
「そんなに驚くことなのですか?」
「ああ、びっくりした」

 そう言うと、彼女は話し始めた。
ユウ兄は、今までにも何人か、女性と同棲していたことがあったらしい。
しかし、財布の紐だけは、相手任せにせず、自分で管理していたのだそうだ。
通帳にいたって言えば、彼女……ユウ兄様の妹である海姉様うみねえさまですら、見せてくれたこともないようだ。
普段は、といえば、会社にも持っていくほどの用心深さ。
海姉様からすれば、異常だと、笑いながら話してくれた。

「で、アンタ、名前は?」
そんなユウ兄のあらましを話した後、ようやく彼女は、そんなことを言ってくる。

「佐々木 希、と言います。よろしくお願いします、海姉様」

やっとすっきりした。
相手に自分の名前を認識させるのに、ここまで時間を要することになるとは。

「……えっ?あの希?東京の?」
彼女は、驚愕している。目を見開いている。

「ハイ」
「……えっ?なんで?先週はいなかったよな?」

「昨日、ここに来ました」
「急過ぎない?何でそんなことに……」

彼女が、半分混乱気味なので、ゆっくりと昨日からの顛末を話した。

「マジ、親父死ね!」
聞き終わった後、海姉様は叫んだ。苦虫を噛み潰したような表情をしている。

「……で、海姉様は、なぜ、この時間にこの家にいらしたのですか?」
一番疑問に思っていたことを、ようやく聞ける。

「……えっ?いや?……なんでもないよ、希……」
「そんなことないですよね?」

「……マジ勘弁して、希……」
「……海姉様、不法侵入ですよ」
「そこまで言ってくる?参ったなぁ」

 兄妹きょうだいで、鍵もちゃんと持っているので、不法侵入ではないとは思うけど。
海姉様がなぜ、平日の朝方にユウ兄様の家に来るのか、その理由を知りたい欲望が勝ってしまった。
ごめんね、海姉様。

彼女は観念したのか、ボツボツと話し出す。
私は、彼女の隣に座り込んだ。

「私はな、兄さんが大好き、なんだよ」
「そうなんですか」
「兄妹なのに、変だろう?でも、仕方ないんだ」

彼女はため息をつく。そして、キッとこちらに視線を向ける。

「……兄さんの彼女に対してだって、嫉妬心一杯で、いつも嫌がらせしてた」
「……」
「今まで通りだったら、希に対してだって、嫌がらせしてたと思う」

こちらに向けていた視線を天井に向けた。

「でもさ、通帳を預けるほど、信頼しているところを見せられるとね……」
言葉を区切り、私を見つめてくる。

「私は、兄さんの幸せを壊す権利なんて、ない」
彼女は微笑んだ。

「で・も・さ!」
彼女の両手が私の両耳を持つ。

「佐々木を名乗るのは、早くね?」
両耳が引っ張られる。痛い。

「早いよね?昨日からだよね?彼女だよね?同棲だよね?結婚してないじゃんかー!」
引っ張る手に容赦がない。痛いので、止めて欲しい。

「たまに母さんが送ってくる写真で知ってたけどさー、こんなかわいくなるの、反則だろー」

え?褒めてるの?嫉妬なの?どっち?

「私もさー、希に負けないように、同じように黒髪ロングにしてきたけど、無理だー」
「えっ?海姉様の黒髪、とても手入れされていて、美しいと思うのですが」
「美しい?私は、美人と言われるより、かわいいと言われたい!」

 海姉様の身長は私より高い。
小夜くらいだから、165くらいはあるのではないだろうか。
かわいいの範疇に納めるのは、少し難しいと思う。

「だってさ、兄さんの彼女って、皆、かわいいんだからさー」

そうか、ユウ兄の好みなのか……。
……となると、私も十分ユウ兄の好みの範疇。
伸びなかった身長にお礼を言わないといけない。

「あー、でもよかった。兄さんの相手が希で」
「なんでですか?」

「私、かわいい女の子、大好きなんだよねー!」
「……えっ?」

まさかまさか……。

「今まで、兄さんのかわいい彼女に意地悪してきたけど、本当は」
彼女は私の背中に回り込んでくる。

「こうやって、楽しみたかったんだよねー」
後ろから両胸をガシっと捕まれた。
海姉様、あなたもですか。

 仕方がないので、私は行動に移る。
右胸に添えられた彼女の右腕を両手で掴む。
身体を反転させて、その勢いで、右腕を捻った。
最終的に彼女を身体全体で押さえつける形になった。

「……痛い!痛い!……勘弁してくれよ……、ごめん、希!もうしないから」
「全く……、勘弁してくださいね、私を辱めることができるのは、ユウ兄だけ、なのですから」
「ハイハイ、お熱いこって」



 時計を見ると9時。
そろそろ小夜が来る時間だけど、突然の来客に予定を変更したらしい。
この光景でも、目に焼き付けているのだろうか。
小夜みたいな女性ひと、2人もいらない。
海姉様もかー、勘弁してほしい。

そこからは、海姉様と懐かしい話で盛り上がった。
昼には、大学の講義があるって帰っていったけど、目的はいったい、何だったのだろうか。
結局、聞けずじまいだった。


★★★


まさか、優様の妹、海様がこんな感じだったとは驚きです。同業ですね。
彼女の周りに、かわいい女の子が溢れているのは、こんな理由だったのですか……。
その女の子たちを紹介してほしいです……、いやいや、私は希様一筋、うらぎったらダメです。
ぜひ、お近づきになりたい、そして、一緒に希様攻略へ……ゲヘヘ
おっと、下品な笑い声がでてしまいましたね。
さて、海様もお帰りになられましたし、希様のところに顔を出しに行きますか……。


影の夢もまた、一歩前進……したようだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

処理中です...