私が異世界に行く方法

吉舎

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ベイルモンド砂漠編

魔物退治

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 共に四足蜘蛛を討伐することになった三人組。彼らはラシェッド、ライラにカラフと名乗った。

真面目そうな青年が剣士でパーティーリーダーのラシェッド、赤茶色の髪で小柄な女の子が弓使いのライラ、そして天然パーマに垂れ目、青銅の鎧に盾の重装備がカラフだ。今日の夕方には彼らと町を出発するのだ。名前を忘れないようにしないと。
 
出発前に装備を整える。服装はシャドリーのお古のままでいいか。基本魔法で対応するつもりだから武器はいらない。いや、ナイフくらいは買っておくか。

バザールを巡ってナイフを物色したが、どの店もあるのは二種類。刃が厚く切れ味に期待できないものと刃が薄くて軽いが注意しないと折れそうなものだ。この町の鍛冶技術が低いのか、あるいはこの世界の鍛冶技術全体が発展していないのか。…前者であることを祈ろう。

仕方無く両方買って、空間収納に仕舞う。そういえば、あのラシェッドという剣士、腰に四本も剣をぶら下げていた。あれって、剣がすぐ駄目になるからじゃないかな。

気を取り直して、次は食糧の確保に向かう。長期保存に向いたものということで、ナンもどきと塩漬けの豆を多めに購入した。

後は、仮眠用のテントなんだが…。値段が高い。宮殿での井戸掘りの特別報酬を全部使っても足りない。よし、テントは諦めよう。いざとなれば、土魔法で小屋を作ればいいんだ。


 初めての魔物狩りということで少し緊張する。昨日はワクワクした気分の方が強かったが、今はソワソワと落ち着かない気分だ。夕方になり、待ち合わせ場所である討伐者ギルド前で三人と合流した。

「あんた、随分と…身軽な恰好だな。荷物はどうした?」

 そう言う剣士のラシェッドは、大きな背嚢を背負っている。他二人も同様だ。

「私は空間収納が使えるから。君らの荷物も持とうか?」

 赤茶髪の弓使いライラが感心したように声を上げた。

「へえ!珍しい技能を持っているのね。じゃあわたしの分も持って頂戴。」

 一方、重装のカラフは首を振る。

「俺はいいや。筋肉つけたいんだよね。」
「僕も遠慮する。想定外の事態であんたが死んだら、荷物がどうなるか分からないからな。」

 確かに、私が死んだら空間収納内の物はどうなるんだろうな。


 私たち四人は東に向けて出発する。アルサーヤから東に五日間歩けば港町ダンマールがあるが、そこまでは行かない。アルサーヤ、ダンマール間の商路に設置された5つの休憩所のうち、最も西の休憩所を目指す。

道中は皆静かだ。おしゃべりで余計な水分を消費するようなことはしない。魔法使いの私は、小柄なライラの後ろ、列の最後尾を歩く。

最近はこの地方の暑さに慣れてきたと思っていたが勘違いだったようだ。アルサーヤから離れるほど気温が高くなる。オアシスのあるアルサーヤは水の蒸発で他所より気温が低かったのだと気づく。日が暮れるまで我慢、とも思ったが耐えられずに風魔法で自分の周囲の気温を少し下げる。これで大分ましだ。ただ、太陽からの輻射熱は防げないし、薄い革の靴を通して砂の熱さが伝わってくる。

ちなみに、地球から履いてきたシューズは熱で靴底のゴムが溶けた。今は空間収納の中だ。


 日が沈んで三時間といったところだろうか、弓使いのライラから静止の声が飛んだ。

「左前方二つ奥の砂丘に四足蜘蛛が居る。」

 全員でそちらを眺める。ラシェッドとカラフには見えたようだが、私には分からない。あんなに遠くの物が見えるのかと、砂漠の民の視力に舌を巻く。風魔法で気配察知の真似事が可能になったが、この距離は無理だ。

皆で集まって、作戦を練る。ラシェッドが計画を立て、ライラが意見し、カラフは頷く。

大体の方針が決まった。前方の砂丘まで移動、余計な荷物は置いて、一気に蜘蛛までの距離を詰める。

「相手はここから見える限り三匹。僕とカラフで一匹ずつ相手をする。残りは、アキヒコが動きを止めてライラが倒す。今回の相手は少数だ。売り物になる外皮はなるべく傷つけるな。」

 
 星明りの下、接近すれば私にも相手がよく見える。四足蜘蛛は、その名の通り4本足で砂の上を進む。蜘蛛の体からは足以外に8対の触肢が生えており、6つの眼が獲物を捉える。保護色なのか体は砂に近い色をしており、糸は出さないが上顎の鋏角は鋭く、噛まれたらただではすまないだろう。

四足蜘蛛はサイズ故か、それほど素早くは動かない。だからこそ、7級討伐者でも対応出来るのだろう。私たちの接近に気づいて3匹がこちらに体を向ける隙に、かなり近づくことが出来た。

最もスピードのあるラシェッドが一匹の足に切り掛かる。切断こそしなかったが、それなりにダメージは入っている様子だ。カラフは盾で蜘蛛からの噛みつき攻撃を防ぎ、トゲ付き棍棒を蜘蛛の頭に着実に当てていく。

私はライラと頷きあってから、残りの一匹の足元に深さ2メートルの穴を開ける。底に落ち、足と触肢を使って慌てて脱出しようとする蜘蛛の眼を、ライラの放った矢が一つ一つ潰していく。

蜘蛛は穴から這い上がることなく、頭を矢が貫通して死んだ。ほぼ同時に、ラシェッドとカラフも蜘蛛を倒し終わった。

「特に問題無かったようだな。アキヒコ、残り魔力はどうだ?次はいつ使える?」
「すぐにでも大丈夫。」

 ラシェッドが感心したように頷いた。

「魔力が多いんだな。よし、この調子なら、もうちょっと多い群れも狩れるか。」
「毒矢も使えば、5匹までいけそうね。」

 ライラが賛成し、カラフは黙って頷いた。

倒した蜘蛛から外皮を剥ぎ取る。魔物の解体などしたことが無い私は、3人の作業を見て勉強させてもらうことにした。20分ほどで解体作業は終わり、丈夫で柔らかい外皮は畳んで荷物に仕舞う。


 索敵しながら西へ進んだが、結局この晩は四足蜘蛛との次の遭遇は無かった。日が昇る頃に休憩所に辿り着いた。大きめの天幕が三つ並んで設置されている。数人の行商人が休んでおり、天幕の外にはラクダが繋がれていた。

私たちは昼過ぎまでここで休憩し、その後町まで戻る予定だ。

「休憩所が空いていて助かったな。ゆっくり眠れるよ。」

 カラフがそう言って、荷物から自分用の絨毯を取り出す。対して、ラシェッドは難しい顔をしている。

「空いているのは、商路に出没する魔物が多いからだろう。きっちり討伐して商人達が安心して通れるようにしないとな。」
 
「魔物が増えている原因はあるのか?」

 私が尋ねると、ラシェッドは分からないと首を振った。

「スコールの直後に魔物が増える事はある。だがそれは町より西の話だ。この辺りで増える原因にはならない。」

 ベイルモンド砂漠の西方では、年に数回だけ激しい雨が降る。しかし最近スコールは無かったそうだ。

「わたし達が考えたって仕方ないわ。狩れる魔物を討伐するだけよ。」

 ライラがそう言って、ラシェッドの顔をぺちぺちと叩いた。ラシェッドは顔を少し赤くして、ライラの手を払う。

「アキヒコは、異国から来たんだろう。かなり北の地の出身か?」

 ラシェッドが話題を変えた。北の地、ね。地球で砂漠がある地域より北に住んでいたという意味ではイエスだ。

「ああ。けど、どうしてそう思った?」
「あんた背が高いからな。北国の人間はデカいって港町の商人に聞いたことがあったんだ。」

 私の身長は177cm。日本でも平均よりは大きかったが、もっと背の高い者はごろごろ居るだろう。私からすれば、砂漠の民の平均身長が低めなのだ。

「おっさんの国でも、つええ魔物は居たのかい?」

 絨毯に横になったままカラフが話に混じってきた。

「あー…いや、私が生まれた国に魔物は一匹も居なかった。」
「一匹も!?そんな国があるんだな。世界は広いってことか。」

 世界が広いというか、世界が違うというか…。

「ねえ!もっとあんたの国のこと、教えてくれよ。」

 3人にねだられて、地球のこと、日本のことで当たり障りの無い部分を話して聞かせてた。殆どが気候や食べ物の話だ。


 夕方まで休憩所で眠り、日が沈むまでに装備を見直し、今度は町へ引き返しながら四足蜘蛛を探す。

昨日と同じく、ライラが最初に前方に影を見つけた。だが、それは四足蜘蛛では無かった。

「あれは…ラクダの死体かな。隣に倒れた人も見える。」

 駆け足で現場に近づく。ラクダは腹を喰い破られていたが、人間の方は辛うじて息があった。ライラが応急処置をしている間、ラシェッドが注意深くラクダの死体を観察する。

「休憩所に居た商人とそのラクダだな。ラクダの腹は大きな一噛みでやられている。ドロドロしているのは消化液か。これは四足蜘蛛の仕業じゃないな。もっと大きな魔物が出たか。」
「四足蜘蛛よりデカいのが、この辺りに出るのか?そりゃ、俺たちの手に負えないぜ。」

 カラフが無表情で唸るように言った。

「この商人はどうするの?町まで生きていられるかは五分五分ね。」

 ライラの問いに、ラシェッドが少し考えて答えた。

「身なりから察するに、大店の商人のようだな。一応連れて行こう。ただ、こいつを襲った魔物がまだ近くにいる可能性がある。遭遇したら、置いて逃げるぞ。」

 商人はカラフとラシェッドが交代で担ぎ、私は代わりに二人の荷物と商人の荷を空間収納に仕舞う。明らかに私が楽だが、筋力体力面を考慮すると仕方が無いのだ。

それと、出発前は私に荷物を預けるのを渋っていた二人が躊躇なく荷を渡してきたことが、1日で少しは信頼を得られたのだと感じられて嬉しかった。


 商人を回収してから2時間程経過したところで、奴が現れた。巨大な黒サソリ、シャガスコーピオンである。

「砂の下に隠れていたのか!商人を襲ったのもこいつだな!」

 カラフが商人を砂の上に放り投げて盾を構える。これだけ近距離に出現されると、逃走は難しい。

「俺が抑えている間に戦闘準備をしろ!」

 カラフがそう叫ぶと、ラシェッドは余分な剣を地面に刺し、ライラは矢に塗る毒の準備を始める。

私にとっては、シャガスコーピオンとの遭遇は二度目である。異世界初日は動きを止めるのに精一杯だったが、ここ数日で私も魔法に慣れた。サソリの方に手を翳し、火魔法を念じる。

大きな青い炎がシャガスコーピオンを襲う。前回よりずっと高温の炎だ。これを浴びて、ただでは済むまい。…と思っていたが…。

「あれ、効いてないな。」

 炎が当たった瞬間に足を止めたが、ダメージを受けている様子は無い。溶岩で泳ぐという噂は本当なのかもしれない。

「アキヒコ、下がれ!魔法は効かねえ!」

 ラシェッドが剣を構えて、私の前に出る。

「いや、もう一つ手があるんだ。」

 私はそう言って、今度は土魔法を念じた。周囲の砂が大量にスコーピオンを覆う。これだけでは効果は無い。だから続けて火魔法を念じる。スコーピオンに被さる砂の周囲を炎で更に覆うのだ。

「なに、これは…?」

 ライラが呟くように尋ねるが、今は魔法に集中だ。炎に焙られた砂の色が変化したところに、更に砂で覆う、そして炎で焙る、その繰り返し。集中力が切れてきたところで、私は魔法を止めた。

そこには、複層の汚いガラスで覆われて動けなくなったシャガスコーピオンの姿があった。他の3人は茫然としている。

「なんなのよ、これは!?」

最初に我に返ったライラが叫ぶと、堰を切ったように3人が一気に私を問い質し始めた。

「これはガラス?ガラスを生み出す魔法なんてあるのか!?」
「炎が青かったんだけど?いえ、それ以前に火魔法も使えたの??」
「火魔法があれば、四足蜘蛛なんて瞬殺だったんじゃねえか?」

 私は児童が静かになるのを待つ小学校の先生のような気分で、両手を挙げて3人が冷静になるのを待った。

5分掛かったが、落ち着いたので説明を始める。

「まず、あれはガラスを生み出す魔法じゃない。砂を炎の熱で溶かしてガラスにしたんだ。ガラスは薄いと簡単に割れるけど、あれほど厚みがあればサソリは動けないよ。そのうち窒息死するはずだ。炎は条件で色が変わる。普段は赤い炎を見ることが多いけど、実は様々な色の炎があるんだよ。それと、蜘蛛に火魔法を使ったら外皮が燃えて収入が減るだろう。」

 私が一息に答えると、3人は納得出来たのか出来ないのか自分でもよく分からないような顔をした。結局それ以上の質問はされず、ガラス漬けのサソリを観察する作業に移った。

「砂がガラスになるなんて知らなかった。ガラスはガラス玉からしか作れないんじゃないのか。それに、なんだか濁ったガラスだな。俺の父ちゃんが自慢してる家宝のガラス壺は、もっと透明だぜ。」
「これ、まだ生きてるよ。口の中で何か動いた気がする。」
「アキヒコが言っていただろ、そのうち窒息すると。…ん、この背中の紋様はなんだ?」

 ラシェッドが見つけたのは、サソリの背中に小さく掘られた赤い紋。途切れた輪の中央に円。それを見てカラフが顔を顰めた。

「おい、これ…従魔の紋じゃねえか。」

  その言葉に二人もさっと表情を変える。しかし、私には何のことか分からない。

「それは何なんだ?」
「だから従魔だよ。いや、あんたの国は魔物が居なかったんだよな。じゃあ分からないか。魔物を従える能力だか魔法だかがあるんだ。その影響下にある魔物に、こういう印が現れるんだ。」
「つまり、誰かが意図的に人を襲わせていたと?」

 カラフが頷く。

「これはギルドに知らせなきゃならない。証拠があるといいんだが、これを運ぶわけにはいかないしなあ。」

 ラシェッドが困ったように頭を掻いた。だが、私には良い手があった。

「よし。じゃあ、こうしよう。」

 私の提案に、3人は再び眼を丸くした。
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