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平凡腐男子なのに美形幼馴染に告白された 1
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「はあ……最高……」
僕は自室のベッドで漫画を読みながら感嘆の声を漏らした。僕が読んでいるのは今ものすごく人気で話題のBL漫画だ。
僕がBLに目覚めたのは中学生の頃。元々姉の影響で少女漫画をよく読んでいて、何か新しい漫画はないかと思って勝手に姉の本棚を漁った。そしてそこで偶然手に取ったのがBL漫画だった。
姉が腐女子だと全く知らなかったので、最初にそれを目撃した時は動揺と罪悪感でいっぱいになった。しかし興味本位で読んでいくとページを捲る手が止まらなくなり、気づけば一冊読破していた。それからも度々姉の部屋に忍び込んでBL漫画を物色していたのだが、ある日バレて死ぬほど怒られてからは自分で買って読むようになり、気づけば根っからの腐男子になっていた。
僕には攻めみたいなかっこいい人に愛されたいとか、受けみたいな可愛い人を愛したいという気持ちはなくて、ただ攻めと受けを第三者の立場で見守りたいのだ。まさしく壁や天井や観葉植物になりたいというのが一番近い。
基本的に絵やストーリーが好みなら何でも読むけれど、ひとつだけ苦手なシチュエーションがあった。それが平凡受けだ。
僕は(自分の容姿は棚に上げるとして)どちらかといえば面食いな方だ。そんな僕にとって軒並み顔面偏差値の高いキャラクターが出てくるBL漫画は云わば目の保養、心のオアシス。そんなイケメンや美少年達が愛に苦悩しながらも想いを通じ合っていく様が好きなんだけれど、平凡受けというやつはちょっと違う。何でわざわざ普通の顔面の男を登場させるんだ。意味が分からない……。フィクションの世界ではきれいなものだけ見ていたいのに。もちろん人の嗜好はそれぞれ、苦手なものは見ないようにすればいいと分かっているから、日々自衛は欠かさないけれど。
その点、今日読んだ漫画は最高だった。イケメンなスパダリ攻めに溺愛される可愛らしい受けというカップリングで、ストーリーがしっかりしつつ適度に濡れ場もあってバランスが良かった。さすが話題になっているだけのことはある。
結局その本をもう一度読み返し、うっかり日付が変わってしまったので慌てて眠りについた。
「ふあ……」
翌朝、案の定寝不足の僕は通学路を歩きながら大きなあくびをした。
「結人、眠そうだな。また遅くまで漫画読んでたのか?」
「うん、ついつい読み耽っちゃってさ……」
隣を歩くのは近所に住んでいる幼馴染の宗助だ。幼稚園からの腐れ縁で、高校まで同じ学校に通っている。宗助は地味で平凡な僕と違って誰もが認めるイケメンで、頭も良いし女子にめちゃくちゃモテる。でも僕の知っている限りでは彼女が出来たという話は聞いたことがない。理想が高いのか何なのか分からないけれど、もったいない奴だと思う。
「どうせBLだろ?」
「どうせって何だよ、すっごく面白かったんだから!」
「はいはい」
僕が腐男子だと知っているのは姉と宗助だけだ。宗助が家に遊びに来た時にうっかり出しっぱなしだったBL漫画を見られてしまったのだ。でも宗助は「こういうのあるんだ」と言っただけで深くは聞いて来ず、引かれたり馬鹿にされたりすることもなかったので安心した。ただBLに興味があるわけではないようなので僕も積極的に話を振ることはない。
常日頃から思っているのだが、宗助はBL漫画の世界にいても遜色がないほどのハイスペック美形だと思う。すらりと伸びた長身に、切れ長の瞳、さらさらの髪……まさに理想の攻めキャラだ。とはいえ、実在の人物で妄想をするのは二次元よりもだいぶデリケートなので、本人にそんなことを言ったことはない。僕も界隈の暗黙のルールは把握している。
そもそも子どもの頃から知っている相手で妄想するのは何となく申し訳なくて、宗助のことはただ顔が良すぎる幼馴染としか思っていないのだけど。
「結人、今日家行ってもいいか?」
「いいけど、帰りに本屋さんに寄りたい。新刊が出るんだ」
今日は楽しみにしているBL漫画の続刊の発売日だ。これを買わずして家に帰ることは出来ない。宗助は「俺も何か買おうかな」と言って了承してくれた。
放課後、駅前の本屋さんに寄ってお目当てのコミックスを手に入れた。最初は店頭で買うのは恥ずかしかったのだけど、いつの間にか慣れてしまった。
「欲しかったやつ買えたのか?」
「うん!早く読みたいなあ」
思わず笑みが零れると宗助もどことなく嬉しそうに笑った。何だろう、宗助も欲しかった本が買えたのかな?
「ほんとにお前はそればっかだな」
「いいじゃん、好きなんだから!誰にも迷惑かけてないし」
「そうだけどさ、例えばそういうの読んで男と付き合いたいとか思うもんなの?」
「えっ!?ないない!僕はあくまで傍観者だから!」
やっぱりBLを読まない人からするとそう見えてしまうのか。心外だ。宗助はふーん、と呟くように言ったきり黙ってしまった。何なんだ一体……。
宗助と一緒に僕の家に帰り、二人で部屋に入った。本当は買った漫画をすぐに読みたいけれど、さすがに宗助の前で読むのは少し恥ずかしい。どうしよう……と思っていた時。
「結人、漫画読みたいんだろ?気にしないで読んでいいから」
「え……いいの?」
「いいよ。俺も読むし」
宗助はカバンから本屋さんのロゴが入った袋を取り出し、漫画を読み始めた。宗助も僕ほどじゃないけれど多少は漫画を読んでいる。でも彼が読むのは国民的海賊漫画とか、スパイの擬似家族漫画とか……要するにオタクじゃない一般人でも読むようなものばかりだ。僕は最近BLばかりだから漫画の趣味はあまり合わない。
宗助がいいと言うなら僕も読もうかなと思い、買ったばかりのコミックスを開いた。二人でいても会話はなく、ただ紙の擦れる音だけが部屋に響く。でも不思議と居心地は悪くない。
そのうち僕は漫画に没頭した。前巻では攻めと受けがすれ違ったところで終わり、続きが気になって仕方なかった。今回は二人の間の誤解が解けて晴れて両想い、そしてそのままベッドへ……という最高に甘々で盛り上がるシーンに差し掛かり、僕の胸も熱くなる。ドキドキしながら読み進めていると……。
「BLって結構エロいんだな」
不意に頭上から声が降ってきて、僕は慌てて本を閉じた。いつの間にか宗助が僕を見下ろしていた。
「ちょ……っ、み、見ないでよ!」
「たまたま見えただけだって」
いくら腐男子だと知られているとはいえ、濡れ場を読んでいるところは見られたくない……。気まずくて目を逸らすと宗助は僕の隣に腰を下ろした。
「……結人もそういうことしたいのか?」
「は?違うって言ったじゃん」
「ふーん……」
宗助はまた黙り込んでしまった。なんか今日は様子がおかしい。いつもこんなこと言わないのに。
不審に思っていると宗助は急に真剣な表情になってこちらを見た。
「結人」
「ん、なに?」
「俺、結人が好きなんだけど」
……は?
突然の言葉の意味が分からずにフリーズする。
「俺は結人とその漫画みたいなことしたいよ」
「……は……?え……?」
「結人は俺のことどう思ってる?」
なんだこれ、なんだこの状況。宗助に告白されてる……?僕が……?
宗助は僕の目をじっと見つめてきた。その色素の薄い瞳は少し不安げに揺れている。冗談……ではなさそうだ。
「えっと……」
上手く動かない頭で必死に考える。なんだかよく分からないけれど、宗助が僕に告白してきた。なんなんだ、このBL漫画も真っ青な展開は。現実がフィクションを超えることなんてそうそうないだろ。
そもそもこんなイケメンが僕みたいな平凡腐男子のことを好きだなんてあり得ない……。
……ん?イケメンが……平凡に、告白……?
……平凡受け?
「地雷じゃん!!」
思わず叫ぶと宗助は目を丸くした。
「え、なに?地雷?」
「地雷だよ!平凡受けは地雷!」
「え、え?」
宗助は戸惑った様子で僕を見る。そうか、宗助には意味が通じていないんだ。
「BLには色んなカップリングがあるんだよ。僕は大体何でも好きなんだけど平凡受けだけは地雷なんだ。特にこんな陰キャ根暗オタクの平凡受けなんてもってのほかだから宗助が僕みたいな平凡を好きっていうのは地雷で解釈違いなんだよ!」
「……ちょっとよく分かんないんだけど」
こんなに熱弁したのに宗助は理解出来ていないようだった。これだから一般人は……!
「だから、宗助は僕なんかを好きになっちゃダメってことだよ!」
「……俺のこと嫌いなのか?」
「違う!そうじゃない!」
ああもう、どうしたら伝わるんだ……!やきもきしていると宗助の表情がだんだん険しくなっていった。
「何言ってるのか分かんねえよ。大体、そんな理由でフラれるのも納得いかない」
そんな理由……?その一言にカチンときた。僕にとっては死活問題だというのに。
「そんな理由ってなんだよ!これは信仰の問題だから!宗教戦争だから!」
「だからそれが分かんねえって言ってんの!」
「宗助には分かんないよ!BL読んだこともないくせに!」
「BL、BLって……人が告白してんのにそれしかねえのかよ」
宗助はすっと立ち上がり、僕に背を向けた。
「……もういい。帰る」
「はあ?ちょっと……!」
「とにかく俺と付き合う気はないってことだろ?もういいよ、分かったから」
宗助はこちらを振り返ることなく部屋を出ていった。
分かったってなんだよ、絶対分かってないくせに……!ばーかばーか、宗助のばーか!
僕は自室のベッドで漫画を読みながら感嘆の声を漏らした。僕が読んでいるのは今ものすごく人気で話題のBL漫画だ。
僕がBLに目覚めたのは中学生の頃。元々姉の影響で少女漫画をよく読んでいて、何か新しい漫画はないかと思って勝手に姉の本棚を漁った。そしてそこで偶然手に取ったのがBL漫画だった。
姉が腐女子だと全く知らなかったので、最初にそれを目撃した時は動揺と罪悪感でいっぱいになった。しかし興味本位で読んでいくとページを捲る手が止まらなくなり、気づけば一冊読破していた。それからも度々姉の部屋に忍び込んでBL漫画を物色していたのだが、ある日バレて死ぬほど怒られてからは自分で買って読むようになり、気づけば根っからの腐男子になっていた。
僕には攻めみたいなかっこいい人に愛されたいとか、受けみたいな可愛い人を愛したいという気持ちはなくて、ただ攻めと受けを第三者の立場で見守りたいのだ。まさしく壁や天井や観葉植物になりたいというのが一番近い。
基本的に絵やストーリーが好みなら何でも読むけれど、ひとつだけ苦手なシチュエーションがあった。それが平凡受けだ。
僕は(自分の容姿は棚に上げるとして)どちらかといえば面食いな方だ。そんな僕にとって軒並み顔面偏差値の高いキャラクターが出てくるBL漫画は云わば目の保養、心のオアシス。そんなイケメンや美少年達が愛に苦悩しながらも想いを通じ合っていく様が好きなんだけれど、平凡受けというやつはちょっと違う。何でわざわざ普通の顔面の男を登場させるんだ。意味が分からない……。フィクションの世界ではきれいなものだけ見ていたいのに。もちろん人の嗜好はそれぞれ、苦手なものは見ないようにすればいいと分かっているから、日々自衛は欠かさないけれど。
その点、今日読んだ漫画は最高だった。イケメンなスパダリ攻めに溺愛される可愛らしい受けというカップリングで、ストーリーがしっかりしつつ適度に濡れ場もあってバランスが良かった。さすが話題になっているだけのことはある。
結局その本をもう一度読み返し、うっかり日付が変わってしまったので慌てて眠りについた。
「ふあ……」
翌朝、案の定寝不足の僕は通学路を歩きながら大きなあくびをした。
「結人、眠そうだな。また遅くまで漫画読んでたのか?」
「うん、ついつい読み耽っちゃってさ……」
隣を歩くのは近所に住んでいる幼馴染の宗助だ。幼稚園からの腐れ縁で、高校まで同じ学校に通っている。宗助は地味で平凡な僕と違って誰もが認めるイケメンで、頭も良いし女子にめちゃくちゃモテる。でも僕の知っている限りでは彼女が出来たという話は聞いたことがない。理想が高いのか何なのか分からないけれど、もったいない奴だと思う。
「どうせBLだろ?」
「どうせって何だよ、すっごく面白かったんだから!」
「はいはい」
僕が腐男子だと知っているのは姉と宗助だけだ。宗助が家に遊びに来た時にうっかり出しっぱなしだったBL漫画を見られてしまったのだ。でも宗助は「こういうのあるんだ」と言っただけで深くは聞いて来ず、引かれたり馬鹿にされたりすることもなかったので安心した。ただBLに興味があるわけではないようなので僕も積極的に話を振ることはない。
常日頃から思っているのだが、宗助はBL漫画の世界にいても遜色がないほどのハイスペック美形だと思う。すらりと伸びた長身に、切れ長の瞳、さらさらの髪……まさに理想の攻めキャラだ。とはいえ、実在の人物で妄想をするのは二次元よりもだいぶデリケートなので、本人にそんなことを言ったことはない。僕も界隈の暗黙のルールは把握している。
そもそも子どもの頃から知っている相手で妄想するのは何となく申し訳なくて、宗助のことはただ顔が良すぎる幼馴染としか思っていないのだけど。
「結人、今日家行ってもいいか?」
「いいけど、帰りに本屋さんに寄りたい。新刊が出るんだ」
今日は楽しみにしているBL漫画の続刊の発売日だ。これを買わずして家に帰ることは出来ない。宗助は「俺も何か買おうかな」と言って了承してくれた。
放課後、駅前の本屋さんに寄ってお目当てのコミックスを手に入れた。最初は店頭で買うのは恥ずかしかったのだけど、いつの間にか慣れてしまった。
「欲しかったやつ買えたのか?」
「うん!早く読みたいなあ」
思わず笑みが零れると宗助もどことなく嬉しそうに笑った。何だろう、宗助も欲しかった本が買えたのかな?
「ほんとにお前はそればっかだな」
「いいじゃん、好きなんだから!誰にも迷惑かけてないし」
「そうだけどさ、例えばそういうの読んで男と付き合いたいとか思うもんなの?」
「えっ!?ないない!僕はあくまで傍観者だから!」
やっぱりBLを読まない人からするとそう見えてしまうのか。心外だ。宗助はふーん、と呟くように言ったきり黙ってしまった。何なんだ一体……。
宗助と一緒に僕の家に帰り、二人で部屋に入った。本当は買った漫画をすぐに読みたいけれど、さすがに宗助の前で読むのは少し恥ずかしい。どうしよう……と思っていた時。
「結人、漫画読みたいんだろ?気にしないで読んでいいから」
「え……いいの?」
「いいよ。俺も読むし」
宗助はカバンから本屋さんのロゴが入った袋を取り出し、漫画を読み始めた。宗助も僕ほどじゃないけれど多少は漫画を読んでいる。でも彼が読むのは国民的海賊漫画とか、スパイの擬似家族漫画とか……要するにオタクじゃない一般人でも読むようなものばかりだ。僕は最近BLばかりだから漫画の趣味はあまり合わない。
宗助がいいと言うなら僕も読もうかなと思い、買ったばかりのコミックスを開いた。二人でいても会話はなく、ただ紙の擦れる音だけが部屋に響く。でも不思議と居心地は悪くない。
そのうち僕は漫画に没頭した。前巻では攻めと受けがすれ違ったところで終わり、続きが気になって仕方なかった。今回は二人の間の誤解が解けて晴れて両想い、そしてそのままベッドへ……という最高に甘々で盛り上がるシーンに差し掛かり、僕の胸も熱くなる。ドキドキしながら読み進めていると……。
「BLって結構エロいんだな」
不意に頭上から声が降ってきて、僕は慌てて本を閉じた。いつの間にか宗助が僕を見下ろしていた。
「ちょ……っ、み、見ないでよ!」
「たまたま見えただけだって」
いくら腐男子だと知られているとはいえ、濡れ場を読んでいるところは見られたくない……。気まずくて目を逸らすと宗助は僕の隣に腰を下ろした。
「……結人もそういうことしたいのか?」
「は?違うって言ったじゃん」
「ふーん……」
宗助はまた黙り込んでしまった。なんか今日は様子がおかしい。いつもこんなこと言わないのに。
不審に思っていると宗助は急に真剣な表情になってこちらを見た。
「結人」
「ん、なに?」
「俺、結人が好きなんだけど」
……は?
突然の言葉の意味が分からずにフリーズする。
「俺は結人とその漫画みたいなことしたいよ」
「……は……?え……?」
「結人は俺のことどう思ってる?」
なんだこれ、なんだこの状況。宗助に告白されてる……?僕が……?
宗助は僕の目をじっと見つめてきた。その色素の薄い瞳は少し不安げに揺れている。冗談……ではなさそうだ。
「えっと……」
上手く動かない頭で必死に考える。なんだかよく分からないけれど、宗助が僕に告白してきた。なんなんだ、このBL漫画も真っ青な展開は。現実がフィクションを超えることなんてそうそうないだろ。
そもそもこんなイケメンが僕みたいな平凡腐男子のことを好きだなんてあり得ない……。
……ん?イケメンが……平凡に、告白……?
……平凡受け?
「地雷じゃん!!」
思わず叫ぶと宗助は目を丸くした。
「え、なに?地雷?」
「地雷だよ!平凡受けは地雷!」
「え、え?」
宗助は戸惑った様子で僕を見る。そうか、宗助には意味が通じていないんだ。
「BLには色んなカップリングがあるんだよ。僕は大体何でも好きなんだけど平凡受けだけは地雷なんだ。特にこんな陰キャ根暗オタクの平凡受けなんてもってのほかだから宗助が僕みたいな平凡を好きっていうのは地雷で解釈違いなんだよ!」
「……ちょっとよく分かんないんだけど」
こんなに熱弁したのに宗助は理解出来ていないようだった。これだから一般人は……!
「だから、宗助は僕なんかを好きになっちゃダメってことだよ!」
「……俺のこと嫌いなのか?」
「違う!そうじゃない!」
ああもう、どうしたら伝わるんだ……!やきもきしていると宗助の表情がだんだん険しくなっていった。
「何言ってるのか分かんねえよ。大体、そんな理由でフラれるのも納得いかない」
そんな理由……?その一言にカチンときた。僕にとっては死活問題だというのに。
「そんな理由ってなんだよ!これは信仰の問題だから!宗教戦争だから!」
「だからそれが分かんねえって言ってんの!」
「宗助には分かんないよ!BL読んだこともないくせに!」
「BL、BLって……人が告白してんのにそれしかねえのかよ」
宗助はすっと立ち上がり、僕に背を向けた。
「……もういい。帰る」
「はあ?ちょっと……!」
「とにかく俺と付き合う気はないってことだろ?もういいよ、分かったから」
宗助はこちらを振り返ることなく部屋を出ていった。
分かったってなんだよ、絶対分かってないくせに……!ばーかばーか、宗助のばーか!
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