部下と上司の素敵で不純な恋愛交流(旧題:染めて、染められて)

もすもす。

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【15】変貌。【R18】

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お待たせしました。
今回は二話同時投稿になります。こちらは一話目です。

生々しい性的な描写があります。
苦手な方はご注意ください。

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熱いうねりの中に、全身が浸かるような感覚。
分身をきつく締め上げる恋人の体内なかは、信じられないほど心地よい。
どこかで耳にした〈幸福の絶頂へと誘う花園〉という例えは、成程と頷けるものだった。
入れただけでこれだ。動こうものなら直ぐに出してしまう自信がある。

―でも動くのは、もう少し慣らしてから・・だよね―

本音を言えば今すぐに激しく腰を振って最奥に打ち付けたい。
それはもう果てても果てても、何度でもヤりたい。
だが、そんなことをすれば恋人にどれだけの負担を掛ける事になるか・・
彼女が辛いのは嫌だし甚だ不本意な事だ。

それよりも・・一緒に気持ち良くなってくれた方が嬉しく、幸福だと思う。
恋人の上に乗り、ぴたりと肌を寄せ合いながら優しく頭を撫でる。
潰してしまわないように肘で体重を支え、動きそうになる腰から意識を逸らし如何にして恋人の負担を減らそうかと考える。

―体内の傷は回復薬で修復中の筈・・もう少ししたらまた唾液を追加して・・―

「じ、る・・」
「はい。なんですか?」

耳元で微かに呼ばれ、思考を中断して返事をした。
体を起こして顔を見る・・うん。とても辛そうで申し訳なくなった。

「・・ごめんなさい。もう抜きますね?」

そう言って、体を離そうと腕に力を込めると、震える手が添えられた。

「だめ、だ・・この、ままで・・」
「でも、顔色悪いですよ?・・ちょっと休憩しませんか?」
「い、やだ・・」
「嫌って・・俺も、エトラさんが辛そうなの、嫌なんですけど・・」

真っ向から主張がぶつかる。
それでも、やはり抜いた方が良いだろう。
そう説得しようと考えが及んだところで、全く別の提案がなされた。

「たの、む。まりょくを・・血を・・初めての時、みたいに」
「あ・・」

行為に夢中になり過ぎて、すっかり失念していた。
そうだ。辛ければ快楽で気を逸らせば良いのだ。
何も馬鹿正直に耐える必要は無い。

「そうですね・・そうでしたね。じゃあ、少々お待ちを」

上体を起こし、中級の魔力回復薬に手を伸ばすと、その半分ほどを飲み干した。
六割くらいに減っていた魔力が、直ぐに回復し始める。
また体を倒し、鼻先が触れそうな距離で問うた。

「血も、いいんですか?」
「戦闘で、出血はしてない・・から。平気、だ・・」
「それなら・・少し、いただきます」
「ふふっ・・召し上がれ?」

少し余裕が出て来たのか、まだ顔色は悪いものの笑みを浮かべる恋人に幾らか安堵して、軽く唇を啄ばむ。
そのまま、舌を絡めて深く繋がりながら唾液と共に魔力を送り込んだ。自身の快感を乗せて。

「んふっ!!んうっ!」

ぎちぃと音がしそうなくらい分身が締め付けられて、痛みにも似た感覚が腰に伝わる。
まだ仄かな快感だが、唾液の効果もあって恋人は小さな欠片のようなそれを拾ったようだ。
体内がうねり、先と裏筋が刺激され分身が跳ねる。
するとまた、きつく締め上げられた。

刺激の応酬が何度か繰り返され、とうとう我慢できずにゆるゆると腰が動き出す。
ほんの少し引き、押し出す。

引く。押す。引く。押す。
引いて、もう少し引いて、押し付ける。

ゆるりゆるりと動く腰に合わせて、快感が脳を揺さぶった。
熱く、うねる恋人の中は幸福に満ちていて、理性が溶かされる。

「ぷぁっ!はっ、あっ、あっ!!」

口づけを終えると甲高い嬌声が上がった。
恋人の声が耳に届いた瞬間、腰から背中にかけてゾクゾクとした感覚が走る。
腰に手を添え、最奥を刺激する様に捏ねると、先の方で子宮の入り口を弾いた感覚が伝わった。

「ん、きゃうっ!!」
「あぁ、これ、気持ちいぃ・・」

ぐりぐりと最奥を擦ると、堪らない感覚が腰の奥に響く。
「あっ!あっ!」と刺激に合わせて上がる声に、思考がふわふわと解けていくようだ。
嬌声に震え、逸らされた喉元に視線が惹きつけられて、ごくりと生唾を飲み込む。

また上体を倒して、肌を寄せる。
脇の下から腕を通して後頭部に手を添え、首を傾けさせた。
その肘と、もう片方の手で体重を支える。
晒された首筋へ、欲望に従い犬歯を沈めた。


△    ▽    △    ▽


一番深い所をぐりぐりと撫でられ、捏ねられる感覚に最初は強い違和感しかなかった。
でも、すぐに彼が感じている快感が送り込まれてそんなの、どうでもよくなる。

辛いばかりだった身体は、回復薬と彼の魔力の効果によって随分楽になった・・どころか、快感を与えられたことにより、自身の気持ちいい感覚も拾い始めた。
要するに、慣れて来た・・のだと思う。
彼の手で作り変えられたのだ。快感を得る事の出来る身体へと。

ずっずっと中が擦れる度に、恋人の快感が肌の触れ合う箇所から流し込まれ、自身の痛みは快楽へと変換されて行く。
二重の快感に、あられもない嬌声が上がる。
汗ばむ肌が重ねられ、彼が背中に腕を回し後頭部に手を添えた。
自分も、手を回し恋人の身体を抱きしめる。

さらりと白い前髪が顔を撫で、首筋に熱い呼気が触れると・・・ぶつっと肌が食い破られた。

「あっぁあああっ!!」

じゅうじゅうと血が吸われるその感覚に、ゾクゾクとした快楽が伴う。
身体を穿つ律動は激しさを増し、繋がった所からは粘着的な水音が響き始めた。

ずれ動かぬように頭と、肩を手の平で押し留められる。
折り曲げ、広げた脚の膝から下が腰の動きに合わせ、カクカクと揺れるのが少し恥ずかしい気がした。

次々と迫り来る快感の波に翻弄されながら、回した腕で恋人に縋りつき水難者のように空気を求める。
身体が打ち付けられる度に抉られ、掻き出された二人分の体液がばちゅばちゅと卑猥な音を奏でた。

首筋から流れ込んでくる、恋人の快楽と自身が感じる甘い快感。
擦られ、引きずり出される情欲。
燃えるような身体と、徐々に聞こえなくなる音。
積み重ねられた刺激に、昂ってゆく快感が限界に達した。
きぃんと耳鳴りがして音が消えた後、絶頂を迎えた身体がきゅうと収縮して弾ける。
解き放たれた快感の波が、びくりびくりと身体を震わせた。

しかし余韻に浸る間もなく、律動は続く。
どうやら恋人の果てはまだ少し遠いらしい。
達して、鋭敏さを増した身体が容赦なく責め立てられた。

「ひぁっ!!あっ!あ゛ーっ!あ゛ーっ!!あぅ!あっ!」

繋がった所から、恋人の動きに合わせてひどく粘着的な音が上がる。
どぢゅどぢゅと暴力的な程に激しく打ち付けられ、強すぎる快感に獣のような嬌声が零れた。
視界はぽろぽろと溢れる涙で滲みぼやけ、白く明滅する。
下腹部がぎゅんぎゅんと収縮して、包み込んだ彼を高みへと誘っているようだ。
一層激しさを増した律動に、意識が飛びそうになる。
抱きしめ、縋りつき過剰に与えられる快楽に耐えようと背中に爪を立てた。

その瞬間。

強く血が吸いあげられ、体内がこれ以上ない程深く穿たれた。
一瞬置いて、最奥で熱が弾ける。
びくんびくんと跳ねる感触が深い所から伝わり、ようやく果てたのだと理解した。
だけど、彼が出ていく様子は無い。

浅く引いてまた奥へと押し付け、余韻を引き延ばすようにぐりゅぐりゅと捏ねられる。
その度に律儀なこの身体は反応を返して彼を締め付け、つられて彼もまたびくりと返す。
やがて反応の間隔が少しずつ開き、無限に続くかと思われた応酬は恋人が身を起こした事で終わりを告げた。

貪るように喰らい付いていた唇が離れ、赤い糸が二人の間を繋ぐ。
ぽたぽたと垂れ落ちた雫が、肌を刺激する。
ぴくりと震えた身体が、また彼を締めつけた。

「ん、すみません・・大丈夫、ですか?」
「だい・・じょぶ。だが、少し休憩を・・・ジル?」
「はい?」

ぱちぱちと瞬きして、くっきりと映った視界に首を傾げる。
口元の血をぺろりと舐め取り、髪を掻き上げる・・美しい吸血鬼に。

「あ、やっぱり辛いですよね!?すぐに抜きま―」
「ジル・・その姿は、一体どうしたんだ?」
「え?・・」

きょとんと首を傾げる様子に、気づいていないのだと判断して見たままを口にした。


△    ▽    △    ▽


こくりと嚥下した血が、脳髄を痺れさせる。
舌の上で蕩け、飢えた身体が『これだ!』と叫び喜ぶ恍惚の味。
以前に口にした時より美味いと感じる極上の味に、夢中で舌を這わせ吸い上げた。

―美味しい・・気持ちいい・・あぁ、最高っ!!―

そうして気付いた。
腰を打ち付け、彼女が快感を得たであろう瞬間・・・血の味が増すことに。

それからは、夢中で腰を振った。

穿ち、抉り、最奥をガツガツと突いて、快感を引き出そうと躍起になる。
こちらの快感を乗せた魔力を注ぎ、悦楽に染まる彼女の血と魔力を共に啜り上げた。

―あぁ。堪らない・・なんて快感!!

本能的な吸血欲と性欲を同時に満たされていく、経験した事の無い充足感に全身が震える。

体内で捏ね、混ぜられた体液が分身により掻き出され、腰を打ち付ける度にばじゅっと音を立てた。
耳元で上がる嬌声に、背筋がゾクゾクとして気持ちが良い。
鼻の奥に届いた彼女の髪と血と、滴る体液の香りに酔ってしまいそうだ。

内から外から、まるっと全て彼女に包まれているようで、幸せ過ぎて死んでしまうんじゃないかと錯覚する。
やがて、限界を迎えた彼女の体内がぎゅぎゅっと収縮して分身を締め上げ、緊張に強張った時のように身を竦めた。

瞬間、舌の上で踊るは天上の甘露。
舌先で傷口を舐めて吸い上げ、根本で転がすように味わえば腰が砕けそうな恍惚に震えが走る。

―もっと、もっとこのを!!―

彼女に更なる悦楽を!

卑猥な水音を立てて、腰を夢中で打ち付ける。
喉奥から響く低い嬌声に、じんじんと脳を痺れさせながら最奥を穿つ。
背中と脇腹を引っ掻かれ、ピリリと走る痛みさえ今はとても気持ちがいい。

彼女の血と魔力がこの身に力を与え、ざわりと全身に広がれば、肉体が膨張するような感覚に陥った。
同時に、脳内で処理できる情報量が増大し、得られる快感の幅が広がる。
強く血を啜り上げ恍惚に酔い、在り得ない程の全能感に絶頂を迎えた。

最奥の、更に奥を目指して穿ち、全てを解き放つ。
尻と分身の間が熱を絞り出すようにきゅうと縮み、管の中を子種がびゅくびゅくと勢いよく流れ過ぎると、快感に全身が震えた。

最後の一滴まで味あわせるように、ぐりぐりと奥に擦り付ける。
その度に、きゅうきゅうと分身が締め付けられて、とても素晴らしい余韻を味わった。
愉しく、幸せな応酬に満足して身を起こす。

名残惜しく思いつつ首筋から唇を離すと、血に染まった唾液が互いの間に橋を架けた。
健康的な肌に幾つか赤い点が散り、その官能的な情景にうっとりと目を細める。
最後にきゅんと分身が刺激され、思わず「ん」と声が漏れた。

「―すみません・・大丈夫、ですか?」

果てた事でだいぶ理性が戻って来ており、最後の方など全く手加減出来ていなかった事に思い至って今更ながら心配が募る。

「だい・・じょぶ。だが、少し休憩を・・・ジル?」
「はい?」

こちらの心配を余所に、恋人はぱちりぱちりと瞬きをして、その瞳に訝し気な色を浮かべた。
何だろうか?と疑問符を浮かべつつ、口の端に残っていた血を舐め取り前髪を掻き上げる。
ふと違和感を覚えるも、やはり恋人は身体に変調を来したのではと思い、慌てて「あ、やっぱり辛いですよね!?」と声を掛けた。

「すぐに抜きま―」
「ジル・・その姿は、一体どうしたんだ?」

何の話だろうか?
意味が分からず「え?・・」と恋人の言葉に内心首を傾げる。
そんな自分を気遣うように手を伸ばし、優しく頬に触れて彼女は告げた。

「髪が、伸びてる。耳の形も変わって・・あ、瞳孔もだな。体格も、大きくなったか?」
「え、えぇ?!あっ!本当だ!伸びてる長い!!何だコレ?!!」

自分の髪を摘み、肩が隠れる程に伸びたそれを目の前に持ってきて、思わずしげしげと眺めた。
先ほどの違和感はこれか!
倍以上に伸びた髪に心底驚き、悲鳴にも似た声が上がる。
意味の解らない事態に混乱して、頭を抱えたくなった。

「とにかく非常事態だ。身形を整えて、おじ上に相談してみよう」

冷静に「まずは抜いてくれ」と言われ、ぐっと言葉に詰まる。

「どうしたジル?離れてくれないと動けないのだが・・」
「・・・あの。もう少しこのままじゃ、駄目ですか?・・」

ぱちりと瞬きして、こちらを見つめるダークブラウンの瞳に逸らしそうになる視線をなんとか合わせ、続けて言った。

「それが難しいなら、せめて二人きりの時間を・・もう少しだけ・・」

まだ貴女が足りないから・・

頬に手の平を当て、視線に想いを込めて見つめる。
恋人は悩んだ様子で暫し目を閉じ、力強い視線で問うた。

「私の質問に正直に答えるか?その回答次第では・・まぁ、叶えてやらんでもない」
「はいっ!もちろん了解です!」

はっきりと拒絶されなかっただけでも嬉しくて、元気よく返事をする。
それに、自身が希望する方へ進む可能性もまだ十分にあるのだ。
『仕方のない奴だ』と表情で語ってから、恋人は質問を始めた。

「どこか、痛いところはあるか?」
「ありません!」
「よし。では何かしらの異常は感じるか?」
「ないです!強いて言うなら、好調過ぎ?かな?」

肉体も魔力も。力がみなぎって若干落ち着かない。
違和感と言えばそれくらいだ。今のところは。
そう正直に伝えたら、きっぱりと「やはり、直ぐにおじ上へ連絡だ」と言われてしまった。

「え、そんな。何故です?!異常は感じないって言ったじゃないですか?!」

あまりのショックに大声を上げると、額をぺちりと軽く叩かれた。

「馬鹿者。異常を感じない事が異常なのではないか・・見た目がこれだけ変化しているのだ。何かしらの異常や違和感を覚えるのが普通だろう?」
「でも・・まだ、少ししか・・」
「ジル・・?」

足りない。全然、全く持って足りないっ!!
未だに繋がったままだったソコを支点に、腕を引いて彼女を引き起こし膝に抱えるようにして座らせた。
硬さを維持していた分身が深く突き刺さり、驚きの声と共に甘い声が上がる。

「んあっ?!ジルっ?!」

首筋に付けた噛み痕の血をべろりと舐め上げれば、傷はすっかり癒えていた。
回復薬が効いているのだろう。
身体が倒れないように背中を支えつつ、もう片方の手で素晴らしい造形美を持った尻を掴み、ぐりゅっと奥を刺激するように揺する。

「んひぃっ!」

可愛い声を上げ、ふるると震えながら喉を晒す恋人を抱きしめて囁く。

「物足らないです。やっと、貴女と一つになれたのに・・もっとじっくりシたい、です」

耳の下辺りに優しく口づけ「駄目、でしょうか?」とお伺いを立てる。

閉じ込めていた腕の中から手を伸ばした恋人は、頬に手の平を当ててこちらを見つめた。
見上げた視線と、見下ろす視線とが繋がる。

―あ、本当だ。視点が高い・・―

膝に抱えても、目線の高さは然程変わらなかったのに・・
今は自分が見下ろす形になっている。
確かに、体格が大きくなっているのだなと自覚した。

意識が逸れた隙に、ぐいと耳が摘まれ横に引っ張られる。

「人の話を聞かんのはこ・の・み・み・か!?」
「いったたたたっ?!」
「私だってもっとジルと一緒に過ごしたいと思っている!!」

「だがなっ!!」と眉を吊り上げ、鋭い眼光で続けられた言葉に打ちのめされた。

「この後体調が急変したりしたらどうするっ?!異常は無いからと放置して、後から「あの時直ぐに処置していれば」なんて後悔を、私は絶対にしたくないんだっ!!」

興奮から肩で息をして、睨みつける強い瞳。その目尻から涙が一筋零れ落ちる。
恋人の本気の怒りに中てられて、パンパンに膨らんでいた性欲がみるみる内に萎んでいった。

―・・エトラさんは心配して言ってくれたのに・・―

俺、馬鹿だ・・

「ごめんなさい。エトラさん・・ちゃんと、します。貴女のいう事、ちゃんと聞きますから・・」

「もう、泣かないで」とぽろぽろ零れ続ける雫を、指の腹で拭った。
頬を手で包み、目尻に唇を寄せて抱きしめる。

「・・・次こんな事があったら、一週間は口きかないからな」
「はい・・もうしません。ごめんなさい」
「ん。それなら・・許す」
「はい・・」

反省の気持ちは伝わったようだ。
抱きしめた胸元にすりりと頬が寄せられ、許しの言葉と態度にほっと胸を撫で下ろす。
と、恋人が肩を震わせた。また泣き出したのかと慌てたが、どうやら違うみたいだ。

「ふふっ、初めての喧嘩を、こんな状態ですることになるとは・・」

くすくすと笑う恋人に、こちらも頬を緩める。

「確かに。傍から見たら間抜けにも程がありますね」
「ふふふっ。君と一緒に居ると本当、色々あり過ぎだ。楽しくて仕方ないよ」
「それは良かったです。俺も、エトラさんと一緒だと楽しいです」
「嬉しいね。最高の誉め言葉だ・・さ。これからも安心して一緒にいる為に、さっさと憂いを晴らすとしよう」

「了解です」と返事をして、立ち上がろうとする彼女の脇腹を支え補助をする。
だいぶ柔らかくなった分身がずるっと引き抜かれ、互いの体液にまみれた結合部が気化熱で冷えていく感覚に背筋が震えた。

「・・凄いな。こんなのが私の中に入っていたのか・・」

視線を下ろし、心底驚いたといった感じで呟かれる言葉に苦笑する。

―・・だいぶ萎えた状態なんだけど・・いっか、わざわざ言わなくても―

完全に勃起しているのを見せる機会など、まだこれから幾らでもあるだろう。
なんて事を考えながら支えた体をひょいと持ち上げ、膝立ちから直立へと促す。
が、手を放した途端膝から崩れ落ちたので慌てて支え直した。

「エトラさん?!大丈夫ですか?!!」
「むぅ・・足腰が・・あ。こぼれ・・」
「えっ」

言葉につられてつい見上げていた視線を下げる。
目に飛び込んできたのは内腿を伝い落ちる白濁で・・

―うわ、えっろ・・―

僅かに視線を下げた所にあった秘所は体液に濡れており、割れ目からは赤く色付いた芽が僅かに顔を覗かせている。
ぷっくりと膨らんだ割れ目の両唇も、肌と肌が触れて擦れた所為か赤くなっていた。
そこから内腿を伝い、桃色のとろっとした体液が落ちるのを目の当たりにして、思わずごくりと喉を鳴らす。

「ジル・・」

低い声にハッとして見上げた瞬間、脳天にゴッと拳が降って来た。


△    ▽    △    ▽


一瞬前の反省をどこに忘れたのか、言外に「見るな」と伝えたつもりの秘所を間近で見られてしまい、迷わず拳を振り下ろした。
手を守るために薄く強化したとはいえ、威力は十分抑えてある。
それでも不意打ちによりそれなりの痛みがあったらしく「あでっ!」と悲鳴を上げた後は俯いてぷるぷると震えていた。

まぁ、今回はこれで許してやるか。
本当は、見せるくらい良いかとも思うのだが・・まだ明け透けに晒すのには少し抵抗がある・・心の準備が出来るまでは待っていて欲しい所だ。
恋人には少し、我慢を強いるのが申し訳ないが・・

それにしても、攻撃されたのに支えた腰を離さず無防備に受け入れ、痛みに耐える姿勢には好感を覚えた。
私を心配してのことだろう。純粋に嬉しい。

―私も甘いな・・―

些細な好意で直ぐに絆されてしまうのは、惚れた弱みというヤツだろうか。
苦笑して、俯き視線を下げたままの恋人の腕を優しく叩いた。

「放してくれ。大丈夫だから」
「・・・すみませんでした」
「あぁ。もう怒っていないよ。その・・ソコを見られるのはまだ恥ずかしいから・・今はまだ勘弁してくれ」
「はい。ごめんなさい」

しゅんとしながら、素直に腰から手を放した恋人の頭をよしよしと撫でる。
震える足腰は意識を集中させないと膝を付いてしまいそうだが、少しすれば慣れるだろう。
ふと目線を下げれば、彼の足の間で本体同様〈しゅん〉と小さくなっている分身に目が留まった。
抜いた後より更に小さくなっていて、その摩訶不思議な現象に興味をそそられる。

―いかん、いかん。こんなことしている場合では無い―

内心で首を振りつつ分身から視線を引き剥がし、身形を整えるべく動き出す。
カクカクと震える脚を動かして【洗浄】の魔道具で身を清め、布類の入った箱の中を検めた。
・・・一番底から駐屯地の荷物入れに置いてあったはずの戦闘服の予備一式が出て来た。
悪戯心で隠されたであろう自分の装備を手に、胡乱な視線を背後に投げる。

「ジル・・私はこういった悪戯は好きではないんだが?」
「え?あっ!予備の?!あったんですね!?」
「ん?これは君が用意してくれたのではないのか?」
「いえ、リアムさんがアクロア曹長に頼んで下さったらしく・・」
「・・・ほほぅ・・」

そうか。つまりはあのお茶目な有翼人がやったと・・
今度しっかり礼をせねばなと心に決め、もくもくと身形を整える。

そう時間も掛からずに、髪型以外はいつもの仕事姿へと着替え終わった。
と、ほぼ同時に、背後でがさごそと衣擦れの音をさせていた恋人が「エトラさ~ん・・」と困ったような声で呼びかけて来る。

「あの、着ていた服のサイズが全然合わないんですけど・・どうしましょう?」
「何?・・成程、どうしたものかな・・」

振り向けば上着を肩に羽織り、ズボンを手に困り果てた恋人の姿があった。

「下着は無理やり穿きましたけど・・動いたら破れそうですし、戦闘服の肩幅は合わないし、ズボンは・・見てください。穿けると思います?」

そう言って、ウエスト部分を持って自分の腰の位置に当てる。
明らかにサイズが合っていない。
丈も、ウエストも足りていないのは一目瞭然だった。

「・・仕方ない。服の調達はセラスの奴に手伝わせて何とかするとしよう。とにかく、私は一度本部に顔を出しておじ上に連絡を入れて来る。緊急事態だ、仕事が立て込んでいなければ直ぐに来て下さるだろう」

「何がどう影響するか分からないからな。ジルはここで待機していてくれ」そう続けて伝え、不安そうに眉をハの字にする恋人の傍に寄って正面から抱きしめた。
大分体格に差が出来てしまい以前とは抱き心地が違っていたが、恋人からもきゅっと抱きしめ返される。
感じた温もりに、こちらの方が癒された。

「分かりました。あ、結界を展開してありますが、内から出る事は可能みたいなのでこのまま維持してて大丈夫ですか?」
「ああ、それで構わない。おじ上が来たら精神感応で連絡を入れる。そうしたら解除を頼む」
「了解です・・まだ本調子じゃないんですから、無理はしないでくださいね?」
「そうだな。善処する」

「行ってらっしゃい」と見送りの言葉と共に視界が陰る。
頬にさらりと白髪が触れ、優しい口づけが降って来た。
ちゅっと小さく音を立てて唇が離れると、愛おし気に見つめる赤い瞳と目が合う。

「ん、行ってくる」

後ろ髪惹かれる思いを、後頭部で一括りにした髪を払い上げる事で断ち切り、天幕を後にした。


△    ▽    △    ▽


腰に布を巻き、現状出来る範囲で身だしなみを整える。
天幕内を【洗浄】できれいにしたり、水分を取るなどして待つこと暫し。
予想よりも早く、恋人は両手に服を抱えて戻って来た。
「セラスを叩き起こしてやった」と得意気な報告に苦笑しながら、その後ろから入って来た義父に軽く頭を下げる。

「夜分遅くにも関わらず、ご足労頂き感謝します。こんな格好ですみません」
「いや、構わねぇよ?しっかしお前さん、随分と面白い事になってるな?」

煙管を燻らせ細く煙を吐き出し「男前が上がったじゃねぇか」と義父はカラカラと笑った。
優しい香りの紫煙が空間に拡散して消える・・
と同時に、周囲に強力な結界が張られたのを感知。
思わず視線を宙に彷徨わせた。

「・・・もしかして、気付いたのか?ジルコニアくん」
「え?・・はい。結界を張ったんですよね?」
「何っ?!そんな気配は無かったぞ?!!」
「う~ん・・俺様の隠蔽した魔術を感知するかぁ・・こりゃ確定だな」
「どういう事ですかおじ上っ!?」
「まぁ、落ち着けや。説明してやるから、まずはその服を渡してやれよ」

持ってきた服を抱えたまま義父に詰め寄った恋人は、はたと手元に視線を落とし慌ててこちらに向き直った。

簡素な半袖のシャツとズボンを身に着けると、義父が異空間収納から取り出した華麗な装飾が施されたガーデンテーブルに恋人と並んで座る。
天幕内に敷き詰められていた敷物や他の荷物は既に義父の収納の中だ。

対面に座った義父は「まずは茶でも」とティーセットを取り出し、小型の湯沸かし魔道具にポットをかけた。
湯が沸くのを待つ間、可愛らしい焼き菓子も出してくれたので有難く頂く。

「おじ上、ご覧の通りです。一体ジルに何が起こっているのですか?見当は付いているのですよね?」
「そうだな・・何から説明すっかな~」
「おじ上。隠し立てせず、全て話して頂きたい!」
「知ってる事はな。知らんことは話せんぞ」
「ではその知っている事をお話しください!」

義父の勿体ぶった言い方にイラつき、興奮してテーブルの上に身を乗り出す恋人。
一方義父は手の平をこちらに向け「わかった、わかった」と苦笑した。
丁度ポットのお湯が沸いたので、会話の邪魔にならないよう身振りで『自分がお茶を入れても良いか?』と訊ねる。
視線で許可が与えられたので頷いて感謝を伝え、手元に茶器を寄せてお茶を入れ始めた。

入れ物からティーポットへ茶葉を移し、お湯を注ぐ。
直ぐにふんわりといい香りが上がって来た。
これ、凄くお高い茶葉じゃないかしら?と二人の会話とは全く関係ない方へ意識を飛ばしていると「ジルもジルだ!」とこちらに視線を向けられる。

「なんでそんなに落ち着いているんだ?!最初はあんなに慌てていたじゃないか!?」
「え・・と。一周回って落ち着いたと言うか・・」
「そっ?!・・・・・はぁ、すまん。騒ぎ過ぎた」
「いえ・・俺も、エトラさんの事だったら冷静で居られないと思うので」

「気持ちは分かります」と、椅子に座り直して眉間を揉む恋人にカップに注いだお茶を差し出す。
義父の前にもカップとソーサーを置く。と、直ぐに持ち上げて口をつけた。

「美味ぇ!ジルコニアくんお茶入れ上手いな!」
「ありがとうございます。趣味・・みたいなもので、好きなんです。」

自分の手元のカップにもお茶を注ぐ。
持ち上げ、香りを堪能してから一口・・うーわ美味しい!!
これ絶対に王家御用達とかの高い茶葉だ!!
お茶の味に驚愕している間に、隣の恋人もカップを傾け一息ついたようだった。

「・・・落ち着いたか?」
「はい。取り乱してしまい、申し訳ありません」
「いんや。俺様もちょいと焦らしすぎたわ」

「悪かったな」と言って、収納から新しく皿を取り出して恋人の前に置く義父。
軽く頷いた彼女は、小さな皿に乗せられた黒く艶光する菓子を一つ手に取り口に運ぶ。
どうやらそれが二人の仲直りの手順らしい。
微笑ましく思いながらカップを片手にニコニコしていたが、義父の咳払いで居住まいを正した。

「でだ。ジルコニアくんに起きた異変だが・・それが何なのか、一つ心当たりがある」

何か、とても重大な事を告げられる・・そう確信して、どうしようもなく緊張が高まる。
と、膝の上に置いた拳に、温かな指が触れた。
見れば、恋人が励ますように力強い瞳でこちらを見ている。

―そうだ。二人一緒なら、何も怖くない―

膝の上で手首を返し、指を絡めて握り込む。
義父と真っ直ぐ視線を合わせ、続きを請うた。

「教えて下さい。その、心当たりとは・・?」

義父はカップを傾け、また一口お茶を飲んでから重々しく口を開いた。

「―真祖・・」
「・・・・はい?」
「ジルコニアくん。君は吸血鬼の中で、最も強大な力を持つ真祖へと変異・・いや、覚醒したんじゃないかと、俺は思う」

告げられた、言葉の意味がじわじわと頭の中に浸透して・・理解が及んだ瞬間。
すぅっと血の気が下がる感覚に陥った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

もうちょっとえちちは続く予定でしたが・・
いい加減しつこいかな?と思い、切り上げました。
二人のえちちなイチャイチャは話の続きか、閑話等で書いていきます。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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