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「なんだこの成績は!どうしてこの私の一番弟子であるお前は成績がFなんだ!?最低ランクじゃないか!」
「そそそ、そんなに大きな声出さないでくだしゃいよ~目立ってて恥ずかしいじゃないですか」
もしこの世界のモンスターにボスという存在がいるなら、きっと目の前にいる師匠がボスだ。そう思えるほどの形相と威圧感でまともにしゃべることができない。
指と指の隙間からたまに周囲を見てみるがジロジロと向けられる視線が痛いというか恥ずかしい。私は目立たないでひっそりと生活したいのに…。
「エリセフィーナ!聞いているのかまったく。」
「ひゃ、ひゃい!!…」
急に名前を呼ばれて驚いた時に舌を噛んでしまった。周囲のクスクスっと聞こえる笑い声や視線、陰口が耳に聞こえてくると心臓のドクドクという音が大きくなるのが耳の奥で聞こえてくると、体中から血の気がなくなる感覚に襲われる。
「いくぞエリセフィーナ。お前の言い訳は帰り道でたっぷりと聞いてやる」
私の手を握って急に歩き出す師匠。口では文句ばっかりだけど、いつも私の事を見てくれて、心配してくれる。今もきっと周囲からの視線を気にしたのかもしれないし、もしかしたらだけど、私がパニックになっているのに気が付いて心配してくれているのかもしれない。親というよりも、年の離れたお姉ちゃんという感じがする。
「お師匠さま~その名前、わたしにはなんかもったいないですよ~。なんかすごく賢そうで、魔法もバンバン使えて、錬金術なんて師匠と一緒に未知のアイテムを作りだした!とか武勇伝がついて回りそうな名前じゃないですか」
「当り前だ。なんせこの私が拾って育てて、私と同レベルの天才錬金術士になる!と信じてつけた名前だからな」
私の本当の名前はエリセフィーナ。普段はエリナと名乗っている。なぜか?簡単な話なんか名前が強そうだから。
王立錬金術学園の成績はS~Fまでの7段階評価。Sランクは王都で研究職や王立錬金術学園の教師になったり将来有望なのだけど、私は堅苦しいの嫌いだからご遠慮したいかな。
A~Bは医者や薬剤の知識があれば薬の調合なんかもできてこれもまた将来有望。一生お金には困らないと思うけど、人の命を預かるっていうのはなぁ。ってことでこれもパス。
C~Dは冒険者や便利屋なんかで自由気ままに生きてる人が多い感じ。冒険者とかモンスターと戦うのはちょっと怖くて、私には無理かなぁ。ってことでパス。
EとFは…。ははは、落ちこぼれ枠。かな。
私の成績は最低ランクのF。4年間一生懸命に工房で師匠と調合の練習や町のそばで素材探しや、基礎魔法の練習や調合理論なんかも勉強したんだけど、その結果がこれだった。師匠がどんな気持ちで名前を付けてくれたのかを考えると申し訳ない気持ちになってしまう。
「だからそれが私には重いんですって~。…はぁ」
ネガティブな思考が頭の中をグルグルとまわっていて、師匠の大きな背中をみるとため息が出てしまった。
「そそそ、そんなに大きな声出さないでくだしゃいよ~目立ってて恥ずかしいじゃないですか」
もしこの世界のモンスターにボスという存在がいるなら、きっと目の前にいる師匠がボスだ。そう思えるほどの形相と威圧感でまともにしゃべることができない。
指と指の隙間からたまに周囲を見てみるがジロジロと向けられる視線が痛いというか恥ずかしい。私は目立たないでひっそりと生活したいのに…。
「エリセフィーナ!聞いているのかまったく。」
「ひゃ、ひゃい!!…」
急に名前を呼ばれて驚いた時に舌を噛んでしまった。周囲のクスクスっと聞こえる笑い声や視線、陰口が耳に聞こえてくると心臓のドクドクという音が大きくなるのが耳の奥で聞こえてくると、体中から血の気がなくなる感覚に襲われる。
「いくぞエリセフィーナ。お前の言い訳は帰り道でたっぷりと聞いてやる」
私の手を握って急に歩き出す師匠。口では文句ばっかりだけど、いつも私の事を見てくれて、心配してくれる。今もきっと周囲からの視線を気にしたのかもしれないし、もしかしたらだけど、私がパニックになっているのに気が付いて心配してくれているのかもしれない。親というよりも、年の離れたお姉ちゃんという感じがする。
「お師匠さま~その名前、わたしにはなんかもったいないですよ~。なんかすごく賢そうで、魔法もバンバン使えて、錬金術なんて師匠と一緒に未知のアイテムを作りだした!とか武勇伝がついて回りそうな名前じゃないですか」
「当り前だ。なんせこの私が拾って育てて、私と同レベルの天才錬金術士になる!と信じてつけた名前だからな」
私の本当の名前はエリセフィーナ。普段はエリナと名乗っている。なぜか?簡単な話なんか名前が強そうだから。
王立錬金術学園の成績はS~Fまでの7段階評価。Sランクは王都で研究職や王立錬金術学園の教師になったり将来有望なのだけど、私は堅苦しいの嫌いだからご遠慮したいかな。
A~Bは医者や薬剤の知識があれば薬の調合なんかもできてこれもまた将来有望。一生お金には困らないと思うけど、人の命を預かるっていうのはなぁ。ってことでこれもパス。
C~Dは冒険者や便利屋なんかで自由気ままに生きてる人が多い感じ。冒険者とかモンスターと戦うのはちょっと怖くて、私には無理かなぁ。ってことでパス。
EとFは…。ははは、落ちこぼれ枠。かな。
私の成績は最低ランクのF。4年間一生懸命に工房で師匠と調合の練習や町のそばで素材探しや、基礎魔法の練習や調合理論なんかも勉強したんだけど、その結果がこれだった。師匠がどんな気持ちで名前を付けてくれたのかを考えると申し訳ない気持ちになってしまう。
「だからそれが私には重いんですって~。…はぁ」
ネガティブな思考が頭の中をグルグルとまわっていて、師匠の大きな背中をみるとため息が出てしまった。
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