第三勢力のレオ

篠崎流

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ピンチはチャンス

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「成程だな、ブランドン大佐の見解は正しいが間違いでもある」
「と、言いますと?」
「姫様はあの王子と王位を争う様なレベルじゃない天と地程、頭脳に差がある」
「そうかもしれません、ですが姫様も欠点が多い」
「あんまり欲は無さそうだな、それから並みの相手では対面しただけで隙が無さ過ぎて寧ろ怖いとすら思うレベルだろう、そして主張が激しくない」
「左様です‥」
「大佐が姫を推す理由も分ったが、当人にその気が無いならそれはそこまでだ、第一、女子であるし」
「いえ、次代は世襲ではありますがそれだけで決める訳ではありません、支援者・支持者も重要です、ですから‥」

「まあ、それはあるな、何ぼ世襲政治と言ってもあんなのはダメだと全員が言う人物を王様でも指名出来ないしな一位と二位が引っくり返る事はある、か」
「はい」
「肝心の国王はどう考えて居る?」
「陛下が姫様の最大のお味方です、ですが一方で迷っても居られます」
「それは?」
「クラルス様を幼い頃より評価しております。ですが、出来過ぎた、可愛いが故に高い立場を与える事を逡巡しておられます、これは陛下自身が体調が優れなくなった時期七年前から変わっていません。娘を「使う」事を為さいませんでした」
「分らなくも無いな‥」

要するに親としては可愛すぎる、優しすぎる娘、それ故に、経験をさせなかった、可愛い子には旅をさせろとか言うがその逆、敢て厳しくはしなかった。それを「愚かな」とも言えない現実ではよくある話だ

勿体無くはある、レオがアルを拾って同じく可愛がったら?と考えれば頼りになる仲間、には成って居ないという事、そういう育て方を王様はクラルスにしてしまったのである

レオ自身もこの一件で考える所は多かったが具体的に口に出して行動する事は無かった

「他所の国の事」「後継者はその国の者が選べばいい」
「当人に権力欲求が無く、女王になる事を望んでいる訳ではない」は

無論あったが、此処から状況が大きく変わり、結果的に跡目争いにも関わる事になる

その最初の一つ目は、レオが虫討伐してから二ヶ月目に入るところで姫様から直接言われた通り、彼女を介して様々な要請も届いた、大抵はなんじゃこれ?みたいなのばかりだった

どうやら「好きに選んで」て事らしい、ホントに姫に届いたレオ宛の嘆願、依頼の類が、選別される事なく全部提示され届けられた

「ウチの店の常連になりませんか?レオさんなら、飲み食いタダです」とか
「レオさんの肖像画を描いて売りませんか?」とか
「ギルドの名誉所属員になりませんか?仕事はしなくていいです」とか

「俺は広告塔か!」としか云い様が無い物も多々有った
「有名税みたいなもんですね‥」
「でも大変だねぇ、王家の親族てこんなのまで届くんだ‥」
「まあな、姫様とかが顧客とかウチの店をご贔屓に、とかなればそれだけで宣伝効果が半端ないし、それだけに安易に得だから、で判断してしまう間抜けだと為政者も務まらない」
「不公平になっちゃうしね」
「そうですねぇ‥だいたい商品の良し悪しでなく名前で売る様になったら碌な事になりませんし反って有害ですよね」
「その通りだな」

ただまあ、その中でも重要なモノも紛れてはいる、何しろ「レオ」のワードが含まれている物は全部回されたから、そこから汲み上げたのが

「南方の小砦からの嘆願」である

それを読んだレオの表情の変化をアルゼンタもプリムも察したのだろう「何々?」と説明を待った

「この国は南に人型の魔物が多数居るのは知ってるな?その為、監視施設に近い砦とか陣とかが領土境界線に配されている、そこから援護の要請が出されている」
「政府首脳部に持っていく案件では?」
「出したが、ずっと反応無しらしい」
「ええ?!」

「んで、姫様は過去こうした援護、物資補助を自分の権限の範囲で口利きしたらしい、手持ちの配下とか金とかな、そこで前線の部隊も姫に要請した方が早い、と縋ってきたみたいだ」
「で、俺の首都での評判、あくまで姫様の直属て事で「レオン殿のお力を借りたい」との事らしい」
「確かに、現場からすれば直ぐ答えてくれる側のが言い易いよね」
「どうします?」
「俺に、て事もあるしな、それと気に成るワードもある、鬼種の目撃数が此処、二週で増えてるそうだどっちにしろ、行っては見る、俺が対応出来る出来ないに関わらず現場は見て置きたいし」
「そうですねぇ、ただ、交渉は‥」
「だな、まあ、それも行ってからだ、現実には分らんし」

プリムが「交渉は‥」と言ったのも理由は明白で、鬼種、オーガとかの事だが人側の知識では、オークより厄介とされている相手だ

体格は先のオークとあんまり変わらんが、結構固体差異があるとされている、やはり体躯に優れて居るが、ブタ野郎も居るが、ムキムキマッチョに近いのも居る

総じて頭に角の類があるのだけは統一しているらしいが一般的には残虐で人を食うとされているが、臆病でもあるとも書かれる

レオらは早速、支度を整え、仲介役でもある大佐に通知するが、移動自体は姫様側が保持する移動用の馬車を用意され向う事になった

現地に着いたのが一日半

首都の南にある砦や陣は三箇所ある、領土境界線、扇形、横に監視砦、移動可能な陣、集落と半々の施設、この内、要請のあった南西側の昔からある砦だ

環境的にはそんなに良くない、完全な軍事施設で、兵軍が二小隊(六十名)が居るだけ、周囲は林道を切り開いた場所に柵と施設自体も大きくはないだろう

一応、石建物の塔と平屋四つで固くはあるがどうみても人数が足りない、多分、この戦力じゃ、精精中型から大型の魔物を二匹相手に出来るかどうかだ

「一応最前線じゃないんかい‥」とレオも言わざる得ない。今回の要請を出した現地責任者でもあるヴェルチ中佐も「名目上はそうですね」と半笑いで返した

彼は中々若くてイケメンだ。軍人らしくない柔らかい中りの人物で、年齢は二十三歳、どちらかと云えば学者っぽい風貌で居る場所を間違えた感はある、城とかで会うのが自然だ

「その年齢で中佐て事は相当優秀なんだろうな」

レオはそう思ったが、それはその通りである。彼は元々城勤務で騎士である、当然、貴族の子弟であり、学問にも優れて居る

城に近い勤務という事は、それだけ前線から遠く将来を嘱望される、とか単純に早々に死なれたら困る、という能力か立場がある。レオはこれも直ぐ察した

「ヴェルチ中佐は姫側かい?」と問うた
「ええまあ、元姫の近衛の一人でしたね」
「嫌がらせ人事かよ‥」
「さぁ?どうでしょう。ただ、貴族の中では少ない親父も姫様派ですからね」
「何か失敗でも?」
「いいえ」
「呆れた話だな」
「いえ、モノは考えようですから、それよりも」
「そうだな」

そこでそのまま、中佐の司令室の様な場所に案内され本題、鬼種の目撃が増えた事を聞くが、そういう事態、その物が珍しいらしい

臆病と言った通り、一般的なそこいらに居るオーガ種は虫と同じ対応が可能だ、音を出すとか、激しく光るとかも苦手で、基本近づいては来ないらしい

だからこんな微妙な戦力でもそれ程問題はないのだが最近は当施設の監視塔から目視出来るところまで行動範囲を広めているらしい

何かするとか、襲ってくるとかでなく別に被害は無いのだが、複数匹での統一行動が見られ、領土線を越えて、東西から周り、北側、つまり首都方面にも移動が見られる

「なんだか斥候みたいだな‥」
「お察しの通りです、私の見解もそうです」
「確か、二十年前に軍事に発展したんだっけ?」
「この砦からもう少し首都に近い方、平地でのかなりの規模の防衛戦はありました」
「それ以降は無い?」
「ありません。それがここ最近、急にですからね」
「そりゃ心配だな、で、過去の戦争てのはどのくらいの規模?」

「相手は五百、王国は二千でしたか、歴史で知ってる程度ですがそれで首都近くまで侵攻されましたが、首都の防壁や廓、街の施設等を使い、どうにか追い返した、となってます」
「その数の鬼に攻められると、どうにもならんな‥」
「ええ、人的被害は八百、殆どが首都防衛戦での被害です」
「現在もそれくらいは居るんだろうな」
「少なくともそうでしょう」

「しかし珍しい、オーガ種は気が荒く残虐ともされているが集団行動はまず無いだろう、しかもその数で人間の国に侵攻とか」
「ええ、知能が低く、臆病とも言われいますからね、ただ、統一行動を可能にする手段、前例もありますからねぇ」
「ああ、魔軍か」
「左様です、二年前にも西であったらしいので」
「それと同じか、近い事態であると中佐は考えて居るのか?」
「それが一番説明がし易くはありますね」
「で?俺を指名した理由は?」
「レオ殿は姫様の直属、しかも公人ではありませんし名を挙げて居られます、首都の住民も多く知っている」

「成程、左遷されてとか、排除される心配はないわな」
「ええ、なので、現状を把握して頂き陛下、若しくは姫様に伝えて頂きたい」
「それで対応がされるとも思えんなぁ‥」
「同感ではあります、代理統治が「アレ」なので、ただ、状況が厳しくあるのも理解しておりますが小生の出来る事が他にありません」
「分った、その程度の事でいいならやろう」
「有難う御座います」

この要請も受けてそのままレオらも滞在するがレオは実際は別の事を考えていた、クラルス姫なら何らかの対応はするだろうしヴェルチ中佐は姫とも面識がある

代理統治の王子がアレだと言っても無駄だし、実際要望は無視されている、だからレオを呼んで直接首都の然るべき立場の人に状況を伝えて欲しいというのも真っ当ではあるが

姫には味方が少なく、具体的に大きな権限を振るう立場もない、ヴェルチ中佐の為に何かをしてもたかが知れているだろう、と予測した

そこでヴェルチ中佐の要望とは別に、自分で「この事態を逆用出来ないか?」と考えた、到着、当日の夜には、過去の鬼との戦いの記録を貰い翌日には砦周辺に増えた、とされる鬼も実際探した

ただ、これは接触が難しく「向こうに直接聞いてみよう」というのは無理だった。残忍で臆病とはあるが、どちらかと云えば臆病なんだろう、レオらが接近するとオーガの方が逃げる

まあ、人間側の知識なんてこんなもんだ、オークの街でもそうだったか、予想で書かれた知識と現実は全然違う

「しかし不思議だな‥」
「どーしたのにーちゃん?」
「オーガは強く、残忍であんま頭良くないし、臆病でもある、にも関わらず統一した行動が見られる、過去、此処であった、戦争みたいな事態に発展する要素が見当たらない」
「だね、交渉してみようとしても接触自体出来てないもんね‥」
「レオさんは当時の記録洗ったんですよね?」
「残念ながら戦に発展した原因まではハッキリしてないそもそも、それも正しいとも断定出来ないな。一応、原因と書かれているのは、オーガが人を浚った事それでシュバイクの国と国民がオーガを敵視して鬼狩りが始まる、そこから双方で拡大、小、中、大に発展したとある」

「なんだかオークの時と似てますね」
「外交不能だと誤解のまま、こうなるんだろうな」
「ええ‥、その意味レオさんの「交渉」は有効なんですね」
「そうなんだろうな、まあ、鬼の言語も同じかは分らんが接触自体不能じゃ話にならん‥」
「まさかふん捕まえて話をしよう!という訳にもいきませんしね」
「けどさ、本来纏まって行動しない鬼種が統一行動してるんだから、なんかの要素があるんだよね?」
「セイさんみたいな統率者が居るんでしょうか?」
「うむ、それか中佐の言った通り、俺の故郷で起きた事態だな」
「?」

プリムには意味不明だった様なので、ここでレオはプリムにも自身のこれまでの経緯を簡易に説明する

「え?!じゃあレオさんは魔軍と戦ったんですか!!?」
「一応な、本名はレオーネだ」
「聞いた事があります‥、西で魔軍を討伐した人間が居ると」
「一応オフレコだぞ、今の俺には人間の有名は邪魔だし」
「わ、わかりました。けどもし今が同じ事態で新たな指揮官が登場し魔物を動かしているとすれば、大変な事ですよ?‥」
「それを確認する意味でも向こうと交流したかったんだけどな‥」
「けどレオさんは、一度魔物の拠点に乗り込んで討伐したんですよね?」
「そうなんだが、当時と状況が異なる。以前は元々人間の国の領土内に指揮官が現れ周囲の魔物を統率した、今回はその外だから、こっちから情報無しの未開の危険地帯に踏み込んでの調査を出すのは難しい」

「‥専門家でも難しいでしょうね」
「うーん、何か手は無いものか」
「本職の魔術士とか居れば出来なくは無いかと」
「うん?」
「例えばですが、ファミリアーを使うとか。遠隔視、ビジョンの魔法で現地に行かずに目視とかフライト系の魔法で空から測量とか」
「なるほど」

とはレオも返したが、実際は難しい、そもそも「本職の魔術士」というのが居ない

アルの様に初歩なら、そこまで知学的に難しくなく、割と使い手は居るんだが、それ以上となると極端に少ない。才能と努力がかなり要求されるしよしんば居たとしても、まず俗世に出て来る事も稀で協力が得られる事も稀、変人が多いし

実際そんなに居るなら既に魔術士を使っての、調査の類はされているだろう

更に言えばだが、今までの経過で明らかだが魔術士の噂すら聞いた事もなければ、たかがファミリアー(使い魔)すら従えている魔術師にも会った事がない、大陸を西から東へ旅してきたレオでも、だ

空から、姿を見えなくする、化ける、なら魔物側への潜入は可能なんだろうが、何れも古代語魔法、稼動時間も長くて一時間くらいな訳で本職の術士を探せば万事解決、て訳にもいかない

レオはとりあえずの現地の状況の把握砦の宜しくない状況も知り、まず中佐の要望を先に行う、一旦首都に戻り姫様側、ブランドン大佐にこれらの情報と懸念を伝達し

対応を願ったが、これもレオが予想した通り、姫様側で出来る事が少ない、独自に戦力を有しているという程でもないし軍に味方もそう居ない、国王も寝たきりが多くそういった心配事を耳に入れて政策対応を願うのも難しい状況だった

レオは直ぐに街に出てプリムの言った事も一理あると思い「本職の魔術士」を探すが、残念ながらこの国でも噂すら聞けなかった

ただ「使い魔の斥候」という案は悪くない、それから、ファミリアーの魔法は一応下級魔法の部類である事もレオは知ってる

「もしかしたら俺かプリムでも覚えられるんじゃね?」

とか思いアルとプリムに付き添って、王国の学術施設に向かい蔵書の閲覧を願って自分でも魔術書を読んで見るが、それは甘い考えだった

今までノータッチだった学問を急に覚えようたってそりゃ無理だ、魔術なんて学問としてみても、最難関学問であるには違いないから

ただ、結論から言えばレオが魔術を習得するとか無茶をする必要が無く、解決方法が見つかる、王国の蔵書の閲覧の中でソレを見つけたからだ

「これは何ですか?」

と謎書籍を見つけて司書のおねーさんに聞いてだ

「ああ、遺跡から出た本の写しですね、なんだか分ってません、魔書の類ですが、専門家でも解析されてないです」

それは一冊のファイル、本とは言い難いのだが古代遺跡から出た謎言語の本を丸写しした写本。魔書と言った通り、中身は人間側では読めない文字、解析されていないモノであるがレオは読めたのである

「借りてもいいんですか?」
「写しですから構いませんけど‥」

として、平静を装って持ち帰り駐在所に戻ってから読み漁った。そう、それは「暗黒魔法の教本」である

「そうか、悪魔側の知識だから「アイツ」が元々読める、だから同化した俺にも知識が共有されているんだ!」

という事、言語が分るのだから文字も読める、当たり前の話だ。この教本は非常に丁寧なモノだ

暗黒魔法の初級マニュアルみたいなモノで、基礎、系統、二十種の中級までの魔法が記されている、そして学術としては難しくない、詠唱か印、効果のイメージと発動のワードさえ暗記して正確に唱えればいいだけだ

ただ、基礎習得の準備段階で早速躓く、というのも「人間は九十九%発動不可能」とされているからだ

暗黒魔法を使う絶対条件「闇属性への適応」これを人間は持っていない。だから闇族と混じっているハーフとかじゃないと百%無理て事なんだが、これも「悪魔と同化した」レオなら可能である、後天的ハーフみたいなもんだし

そして夜に首都の外まで行って実験を始める、まず一番優先「使い魔斥候」を使えるかどうかだ、初歩暗黒召喚魔法の一つ「サモンインプ」をやってみる、指で空中に陣を描き、丸暗記した詠唱を唱える

それはあっさり成功したのである、流石にレオも「ウホ!」とか変な声が出たくらい驚いた

続けて、同系魔法「コントロールインプ」を唱え命令にも成功する、これはインプを召喚し、そのまま永続使い魔にする魔法である

「よしよし」と思ったがよしよしする程は可愛くはない、羽と尻尾の生えたチビの下級悪魔に違い無いし、まあ、他の使い魔と比べて下級悪魔だから強い事は強いし、飛べる、割と命令には従うし他の生物に襲われる事もそうない、自身も姿を消したり、攻撃魔法が使えたりと、暗黒召喚の一番初歩の割には強力だ。

それからこれも他の召喚と違い、悪魔召喚というのは悪魔自体が知性があるという事、通常の魔術の召喚だと生きる屍みたいのが多いが悪魔は人間と同等前後の知能があるので、細かい命令をしなくてもある程度自己判断する、咄嗟の状況で其々の臨機応変な行動が出来る

例えばゴーレムとかスケルトンとかは「○○をしろ」というとそれしか出来ない、悪魔は「俺の護衛頼むわ」と命令したら主を様々な方法で其々守る、物理だったり、魔法だったり、自身のスキルを自己判断して駆使して動く

早速そのまま、インプに南の地形調査を命令「ギ」とか言って南にふよふよ飛んでった

まあ、地形調査、と言っても記録するとかじゃない、インプ使い魔は通常の使い魔と同じく彼が見たモノを主も見れるというだけ、だから「この辺見てきて?」で済む、後は結果待ちでいい

レオはそのまま自室に戻り他の魔法を調べるが、暗黒魔法はそんなに強力でもない、どっちかと云えば嫌らしい系統

相手に毒とか病気を与えるとか、HPを吸い取るとかだ、ただ、他の魔法と違って準備がそんなに要らない、キーワードと魔力と効果イメージだけあればOKてのが結構あるので、戦闘中でも割と使えるだろう

翌日にはもう一つの準備も整える「この事態を逆用出来ないか?」の部分、このままだと、どう転んでも悲惨な事になるのは眼に見えているし、王子が優勢なのは変わらない

姫も別に権力闘争するつもりもない、ならば「俺が姫側に動かしちゃえばいいんじゃね?」と思った

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