剣雄伝記 大陸十年戦争

篠崎流

文字の大きさ
12 / 57
竜騎士ジェイド編

内弟子

しおりを挟む
学院はほぼ顔を出す程度、城も籍を置くだけジェイドは兵長を退任で仕事はほぼ切り、変わりに何かあった時の為に「予備客員騎士筆頭」というなんだか意味不明な役職を貰って少ないが給与も支給された

まあ早い話この謎の役職は
「城には出なくてもいいから戦闘や戦争では手を貸してね?」
という用心棒的立場である

依然として兵や騎士はおろか軍や将ですら誰も彼に敵わないのでフリーにはしたくなかったのもある

一方マリーは魔術の授業と内弟子の指導だけは離れられなかった

まず、魔術に対して「人造魔人」のトラウマは依然強く
「学びたい」という人は元々少ない

その術は、系統事に別の学科のように1つ1つ複雑で難しくそもそも脱落するものが多い

また、才能、に依存する部分が非常に多く。基本魔術士というのは、広く深い知識と努力、適応する才能と狭き門なので、どうにか「教師」になれそうなものが彼女の学科からは2年でついに1人しか出なかったのである

魔術の内弟子も取れたのがその一人ともう一人だけという想像を下回る結果だった

一人は「教師候補」にウェルチという少女、彼女は12歳で学科の門を叩き学んだ

とかくまじめで素直、物覚えも良く努力家、更に基本魔法元素である7種全てに親和性を持ち、初級だが全系統の魔術を1年で習得した、はっきり言ってこの時代の世界では、この時点ですでにそこいらの国なら宮廷魔術士に乞われるレベルで「数十年に一人の天才」だったが逆に致命的な欠点が2つあった

1つは魔力許容量が極端に少ない事。早い話「ガス欠少女だった」

やたらなんでも出来る割魔力を余り感じないわね~と一度、火の弾の魔法を連打させてみたが5発撃った後卒倒した

2つに攻魔力の低さ、事攻撃魔法に関してはかなり弱い、今の火の弾の魔法も一応飛んでいくけどヘロヘロだったり相手に着弾しても熱がしばらくまとわり着く、という程度だった

マリーは上手く行けば兵や軍に同行させて後方から援護させる新しい戦法を考えていたが。

4,5発しか撃てない上に大してダメージが無いのではハッキリ言って火矢でも撃ったマシだった流石にorzになるほどヘコンだが。

ウェルチは性格もまず立派なものだし頭もいい
基本7系統全て適応があり、学科もいつも満点

こういった万能型の才は魔術教師には向いていた、なにしろ「あれ教えて」と乞われて「知らない」では話にならないからだ

かと言って欠点を放置はせず、学院と内弟子のレッスンをほぼ攻魔力の強化と許容量の上積に費やした。と言っても単純な方法だが、非常に退屈でもあるのでマリーはあまりやりたくなかった

攻魔力は魔力の弾を作り、それを形を変えず充填圧縮し続けると云うものでマリーは万が一の事故の対応で、見てるだけ

許容量増加は なみなみ注いだコップに零れないように一滴ずつ魔力をマリーがウェルチに注入して上積する、という物で極端に繊細で精密な作業なので疲れる

そのかいあって多少は1年で改善したが更に、誕生日プレゼントとしてウェルチに微妙に調整した超圧縮で巨大なエンチャンターの装飾品をブレス、ネックレス、サークレットの3個を与えた。当然知識は知っていたのでウェルチは

「こ、こんな高価な物、も、ももも貰えません!!!」
と絶叫したが。
「受け取らないなら捨てるわよ」

と無理やり押し付けたが。概算でも3個で金貨百は軽くすると知っていたウェルチは受け取って直ぐ卒倒した

実際はマリーの特別調整の再充填特化と保有量特化の超圧縮品で激レア物で恐らくオークションにだしたら軽くその5倍にはなるだろう。と計算していたがそれを言うと今度こそウェルチが死にかねないのでずっと秘密にした

実はマリーはこのエンチャンター技術を伝えようかと、一時思ったがウェルチの素直すぎるのと、正直過ぎる性格が災いすると考え。それはしなかった。

どんな小さないたずらでも容易にひっかかり、よく人に騙されたりしたため。うそ話の類で騙されて、トンデモな物を生み出すことになっては問題だろうと考えた

また、この極端なガス欠体質ではそもそも「魔力注入を行い続ける」というは無理だろうと思い。断念する事となった

しかしならが教師の資質は十分であり。実際試しにやらせてみたが、なんら問題ないレベルだった。マリーに事情を説明され、後事を託されたウェルチは感動のあまり。またも卒倒した

こうしてウェルチは14歳で準教師。15歳には教鞭を振るうようになり「学園史上最年少の天才魔術教員」となった

もう一人の弟子はセシル。14歳 まず魔力もかなり多く、初級攻撃魔法なら。20発は連打した後

「あー疲れた」というくらいの許容量を生まれつき持っていた

しかも一発の威力が高く、風魔法の「風の斬撃」という攻撃魔法を使ったが一発で家のドアに使う丈夫な木板を両断した

ただ、ウェルチとあべこべに風と特定の対象に掛ける補助魔法しか習得できないというやたらと尖った才能の持ち主だった

彼は同時にジェイドの剣の授業も希望して習った
「どっちか物になればい~よ」という軽い感じだったがどっちも物になってしまった

ジェイド曰くセシルは「猿」だそうだ、見た目は平均より良いという感じでどちらかというと甘い系のハンサムで「猿」に顔が似ている訳ではない

とにかく彼の戦いは転がって打ってきたり後転して避けたり、時に足蹴りを出したり、武器すら投げたりと当初むちゃくちゃな喧嘩戦法だった

ジェイドもマリーも喧嘩戦法の類は割合使うが、最初からこれでは流石にまずいだろうと、ジェイドはセシルに基礎半分と残り半分は自分との立会いを2つに分けて指導した、あえてその「喧嘩剣法も」咎めなかったが、立会いの中でセシルがその技を使うとそれをあえて「極めて正統的な剣術」でジェイドは返し。

「そんな奇襲のナマクラ剣法では一生俺に追いつけないぞ」と言い。

セシルはジェイドに心酔、以降は基礎もきちんと習得し、なかなかの剣士に育つ。ただそれが大人になってもずっと続き
「師匠!」と何かとジェイドについて回ってうんざりな事態になる

一方魔術は相変わらず「風」以外才覚が0で。

結局、風魔法の「空騨」という飛行するのではなく、ロケットの様に飛び上がる魔法と

「空の階段」という空中の床に立って歩く魔法、「風の盾」という見えない空気圧の盾で防御を張る魔法等習得剣と合わさって最終的には。

空を駆け、飛び掛り、剣技を振い、見えない盾で防ぎ、離れては風の刃で切り刻む。という個性的な空の魔法剣士と呼ばれるようになる

ウェルチとは逆に「欠点」ではなく最初から何も無い。のでどこかを補ってやる必要もなく手が掛からない弟子ではあった

また彼は物と者に掛ける補助と魔力感知力が高かった為、マリーはセシルに「サーチ」も伝授した

これと合わさり「魔法具鑑定士」としても活躍、何しろ、魔法具はマリーの供給するもの以外では古代の出土品が全てで

「どれにどんな効果があるか使わないと分からない」という困った物で

まさか実際使って間違って火柱が上がるのを確認して家を焼いた後分かりましたでは、話にならないので。使って調べるのは無謀だった

ゆえに「魔法具鑑定士」という立場は役に立った

並びに「人物能力サーチ」は人事評定にもとても有効でこの2種の評定は世界の魔法具の半分を所持し

兎角、有能な面白い奴を集めるのが大好きな氷の女王マリアに大変重宝されてセシルは専属で召抱えられるが後の話である

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ
ファンタジー
 ハートとお気に入り登録、ぜひぜひお願いいたします!  ↓簡単なあらすじは''もっと見る''へ!↓  ここは、剣と魔法の異世界グリム。  ……その大陸の真ん中らへんにある、荒野広がるだけの平和なスラガン地方。  近辺の大都市に新しい冒険者ギルド本部が出来たことで、辺境の町バッファロー冒険者ギルド支部は無名のままどんどん寂れていった。  そんな所に見習い冒険者のナガレという青年が足を踏み入れる。  無名なナガレと崖っぷちのギルド。おまけに巨悪の陰謀がスラガン地方を襲う。ナガレと仲間たちを待ち受けている物とは……?  チートスキルも最強ヒロインも女神の加護も何もナシ⁉︎ ハーレムなんて夢のまた夢、無双もできない弱小冒険者たちの成長ストーリー!  努力と友情で、逆境跳ね除け成り上がれ! (この小説では数字が漢字表記になっています。縦読みで読んでいただけると幸いです!)

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...