えぇー 俺が魔族しかも王族て???

腐りんご

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17‥⭐️俺またピンチ!

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☆☆☆


□魔王城大広間


「真人くん~遅いよ~」

 魔王陛下(伊藤さん)が手を振りながら飛び付いて来た。
 うっ酒くさ。呑んでますね?
 伊藤さんは俺とよく似た衣装を着込み頭には金ぴかの王冠をかぶっていた。
 俺の頭にはのっかているティアラと王冠に同じ家紋が入っている。


「魔王陛下お美しい衣装をお召しでよくお似合いでございます」

 俺にピッタリ張り付いていたグーリドが俺から離れ魔王陛下(伊藤さん)の手を取りキスした。
 
「魔王陛下…ナンとお美しい」

「ウフフありがとうグーリド」

 ちゅ~


  魔王陛下がグーリドの頬にキスした。
 グリードが頬を染めてデレデレしている。


 胸がムカムカしだした。
 俺ナンでこんなにイライラするんだ。

「俺ご飯食べてくる」


 俺はムーとしたままその場を離れた。
 
「マナト様!どうなさいました?」

 グーリドが慌てて追いかけてきた。



  睨んだまま聞いてみた。

「グーリド父上魔王陛下好きなの?(怒)」

 グーリドが驚いた顔をした。

「マナト様・・・」

 もしかしてマナト様が妬いている。
 口を尖らせているがそれさえも可愛らしい。
 私は嬉しくなった。

「マナト様魔王陛下のことは尊敬申し上げておりますがそれ以上の気持ちは持ち合わせておりません」

「私の可愛いマナト様」耳打ちした。

「なっ」

 マナト様が真っ赤になってしまわれた。クックッ可愛らし…顔がニヤケルのが止められなかった。
 私はマナト様の腕を取った。



 グーリドのヤツ恥ずかしコトばかり言う。
 俺も俺だナンでこんなにドキドキしてるんだ。
 グーリドに腕組みされながらバイキングの食事をぐるりと見て廻ってみた。全体的にイタリアンな感じの料理だった。給仕の人にお進めを聞いてお皿に入れて貰った。
 ニッコリ笑って「ありがとう」ていったら給仕係の人が真っ赤になっていた。席についてから気が付いた皆が俺を見ていることに…えーとどうしようかな。食べにくい。

「グーリド?俺、見られてないか?」

  グリードに小声で聞いてみた。

「皆、マナト様とお近付きになりたいのです」

「ナンで?」

 俺は首を傾げた。
 グーリドは俺を見ながら笑った。
 笑ってないで教えろよ。

 大男が話しかけて来た。

「殿下!お邪魔します」
「自分は【土】部隊の隊長を勤めておりますガイルと言います」

 そう言うと敬礼した。 

 俺は立ち上がって軽くお辞儀した。

「始めましてガイルさん(笑)」

  話し掛けてきたヤツはやっぱり俺より遥かにデカイ!赤い髪を短く刈上げていた。グーリドよりデカイなぁ。腕の筋肉がスゲー 
 俺がジーと上から下まで眺めていたらガイルは顔を紅くした。

 俺の手を取ると口づけした。

「ナンと愛らしい…さすが魔王陛下のご子息様……」

 うっとりと俺を眺めている。どうやら魔王陛下の言っていた言葉は本当なんだと実感し始めた。認めたくないが俺はここではかなり可愛いらしい部類に入るようだ。止めて欲しい。

 本当に止めて欲しい。

 いい加減に手を離してくれ。
 俺は今男に手をナゼ廻されている。
 助けて欲しくてグリードに目をやった。
 
「ガイル!いい加減にマナト様の手を離せ」
 
「グーリド挨拶の邪魔をするな」

「そんな長い挨拶があるか!」

 
 ガイルの隙を付いて急いで離れグーリドの背中にかくれた。

「グーリド……助けて」

「殿下…お逃げにならなくても・・」

 
 ガイルかなりショックな顔をしている。

「ガイル下がれ。マナト様が怯えておられる」

 しょんぼりした背中で去って行った。
 なんか悪いことした気分になった。
 
「マナト様お座りください」

「うん」取り敢えず食べよう。

「これ旨い!ナンの肉?」

「レッドボアです」

「へっナニソレ?」

「魔物ですが?マナト様はご覧になったことは無いのですか?」

「見たことない!」

「飛竜も魔物?」

 これは思った以上に箱入だな。
 魔王陛下どこにご子息を隠していらっしゃたんだ。やれやれ。

「もっとお持ちしますか」

「もうお腹い一杯で入らないよ」

「少ししか食べておられませんが?」

「え~沢山食べたよ」

 俺食べる量普通だよ。
 皆さん食い過ぎだよ。

「外見てきていい?」

「ご一緒します」

 俺はグーリドと庭にでた。
 皆お酒を呑んで騒いでいた。
 魔王陛下はキス魔に変身していた。
 おいおい男の騎士にベローチェしてるぞ。
 騎士さんどうして嬉しそうなんだ。
 止めなくていいのかグーリドに聞いたら、大丈夫ですて笑っていた。
 ザックさんが魔王陛下にナニか飲ませている。
 そしてそのまま引きずって消えた。
 ね、大丈夫でしょうって。
 なんか慣れてません。

「ア~ア」あくびが出てきた。眠い。

「グーリド眠い。俺部屋に戻る」

「でしたら中庭を横断したほうが早いのでご案内します」

 グーリドが手を差し出してきた。
 つい手を出していた。
 そのまま腕を組まれ歩いていた。
 なんか俺気が付くとグーリドと腕組んでない?ナゼ?
 横を歩くグーリドを見上げた。
 男の俺から見てもかっこいい。
 どうして俺にベタベタするんだと思ってたんだけど俺が可愛いという世界なんだ。参ったな。可愛いって言われてもピントこないし…それに男にばかりモテてもな。

「マナト様あまり見つめないで下さい」
 
 えーそんなつもりじゃナカッタのにグーリドが照れている。

 俺はいつの間にかベンチでグーリドにお姫さまダッコされベローチェされていた。またかよ。
 うえん~気持ちいい俺どうしよう。

 あ~ん
 魔力が全身に巡り出すと体が熱いし頭がクラクラする。ちょっと耳舐めないで「ぁぁあっあヤメロ」押し退けようとしたけど力が入らない。耳の中まで舌が浸入し動く度に音が頭の中から響いてくる「ヌチャビッチャ」ぁあっやぁううやっああ・・・
 服の中に手が入ってきた。胸を揉まれた。まさか気持ちいいなんて「ぅうあ~んあっあ」そのままキスされ舌を擦られ魔力を流し込まれ身体が痙攣した俺はイってしまった。目の前が真っ白になっていく俺は意識を失った。

 




 チュン

 チッチッ

 チュンチュン

 ピッピピチュンチュン


 鳥の声で目を覚ました。
 朝になってる。
 起きようとしたけど動けない。
 俺の胸に腕がまわっていた。
 グーリドに抱き締められ寝ていた。
うそ
背中にあたる感触は絶対裸だ。
 俺も裸だった。

・・・えっナンで・・・・・


・・・・・




 マジ
 また
 ウソ





            ☆

            ☆

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これからもよろしくお願いします
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