えぇー 俺が魔族しかも王族て???

腐りんご

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25‥男でもいい・・・

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☆☆☆



 ガタン

 人族王家第三皇子クラッシュは魔王の息子(マナト君)が部屋を出ていくと崩れるように床に膝を突いた。


「「「どうなさいました皇子?」」」


 魔導士たちは皇子の体調が悪くてなったのかと駆け寄った。紅い顔で口許に手を宛て呟いていた。

「可愛い…どうしよう…男でもいい…」

・・黒髪と黒い瞳は忌むべきものと教わっていたが禍禍しいどころか美しかった…

 魔導士四人は耳を疑った。
 一番年上の魔導士ザーンは65歳は皇子をたしなめた。

「あれは魔王の息子で魔族の第一皇子です!確かに可愛いい顔でしたが変な気を起こさないでください皇子!」


 「ぁああ~抱き締めたい・・・」

 皇子はまた呟いた。

 ザーン魔導士は他の3名に皇子の様子に目を光らせるよう命令した。
 勘弁してほしかった。
 今から第一魔王に会わねばならぬのにこれ以上悩みを増やさないでほしかった。
 ザーンは皇子の様子に目がいってしまい気付かなかったが他の3人も魔王の息子(マナト君)に頬を染めていた。



二刻後・・・



 俺は使節団を魔王たちが待つ部屋に案内するためグーリドと共にふたたび訪れた。中にはいると人族の皇子は見事な正装で待っていた。まるでおとぎ話の王子様のようだった。チョット目がきついが・・・
 へぇー。
 上から下まで眺めているとクラッシュ皇子は頬を染めながら微笑んできた。

「マナト殿‥先程は失礼しました」

「全然気にしてませんから」

「良かった。ひとつお願いがあります。国同士の前にまずはマナト殿と親交を深めたいとおもいましてワタシと友人になって頂けませんか?」

「えぇ喜んで(笑)良いですよ」

 どうせ今回限りで滅多なことで会うこともないと俺は思っていたので軽い気持ちで承諾し差し出された手を取った。皇子は俺の手を両手で握り手にキスしてきた。俺は驚いて見上げた。

「なっ」

「あっ申し訳ないつい…」

 皇子は慌てて手を離した。

 
「マナト様陛下がお待ちです」

「では案内します」

 俺は魔王たち3人が待つ部屋に使節団を案内した。


 使節団の全員が第一魔王(伊藤さん)の顔に釘ずけになっていた。
 グアンドさんとギールさんの二人とは面識が会ったが第一魔王は人族の前に出たことがなく今回が初対面だそうだ。
 
 クラッシュ皇子は頬を染めうっとりと魔王の顔に魅入っていた。

 「初めまして人族の皇子こちらへ」

 魔王(伊藤さん)が手招きするとクラッシュ皇子は誘蛾灯に惹き付けられる哀れな虫のように近付いていった。
 
 玉座から降りた魔王陛下は茫然とするクラッシュ皇子の手を取り微笑んだ。

 クラッシュ皇子は全身を紅く染め震えていた。
 皇子は震える唇からやっとの想いで言葉を吐き出した。

「魔王陛下・・・お会いでき感激しております・・」

あぁぁーー

なんて・・・・・


 
「さぁ皇子こちらの席にどうぞ」

 皇子はふらつきながら席に突き魔王が離れて行くのを名残惜しそうに眺めていた。

「お付きの方もどうぞ着席してください」

 その言葉で我にかえった魔導士たちは皇子の後ろに着席した。
 
 王座に座った魔王陛下は満面の笑みを浮かべ皇子に話しかけた。

「人族の方々。改めて自己紹介させて頂きます。私が第一魔王ジロウです」

今まで聞いたことのない艶のある声だった。

 スゲー

 前回魔王3人と食事をしたとき人族の皇子が挨拶に来るので「ついでに落としましょう」といっていたが冗談ではなかったようだ。皇子は魔王陛下の顔を見つめたままだった。

 そう言えばグアンドさんもギールさんも魔王(伊藤)さんなら余裕だと笑っていたな。

 なるほどなー

 グアンドさんは俺と目が会うとニヤリと笑った。
 ハッハッァー俺はから笑いした。


 俺は自分の席に座った。
 斜め後ろにはグーリドが寄り添うように待機していた。
 

 俺は会議室にて魔王次席と言う謎の役職で人族の人たちに紹介された。

 なんか微妙。


 使節団の5人の魔力をコッソリ測ったらこんな感じだったらしい。

 人族王家第三皇子 Aクラス
 

 魔導士 四人

 Aクラス 2人
 
 Bクラス 2人
 
のメンバー構成だった。
 
 あの皇子Aクラスなのか?
 ふ~ん。
 ここの隊長さんたちと同じぐらいなんだ。
 話の内容に興味がなかった俺は途中寝そうになってグーリドに2回起こされた。

 すいません。


 調印式はこちらの優位のまま無事に終了した。

 さあて~後は歓迎会か?
 もう少しあの皇子に付き合うか?
 
 このまま全員で歓迎会の開かれる大広間に移動した。移動と言っても隣の部屋なんだがな。
 食事は立食式で給仕の人に好きな物を取ってもらって食べるんだが一応イスやテーブルも置かれてはいる。

  今日はお客の相手をせねば・・・

「ねぇグーリド!皇子にナニか飲み物を勧めたほうがいいよね?」

「そうですねー本当は毒でも盛りたいとこですが・・・」

「グーリド今…さらりと恐いこと言わなかった?」

「本気です。マナト様!」

 目が怖い。金の瞳孔がキラリと光った気がした。

「マナト様の対応は必要ないようです。魔王陛下がお酒を勧めておいでです」

 振り返ると魔王と仲良くしている皇子が見えた。

「あっ本当だ」

 じゃーゆっくりとグーリドとご飯食べよう。

「グーリドご飯食べよう」

「はい。マナト様!」

 俺はクラッシュ皇子の関心は全部魔王(伊藤さん)に向いていると思い油断していた。
 後から考えるとこれがいけなかったんだ。







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#お読み頂きありがとうございます(///∇///)
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