えぇー 俺が魔族しかも王族て???

腐りんご

文字の大きさ
35 / 49

34‥魔国side

しおりを挟む



「「「マナト様ーーーー」」」










 ウオーーーーーーーー







 悲痛な叫びが響きわたった。



 ドスーーーー





 グーリドが地面を両手で叩きつけた。どれ程の力で殴ったのか石畳にクモの巣状にヒビが入り割れていた。彼の拳からも血が滴り落ちていた。






☆☆☆


魔城内にて…



 遺跡が突然稼働し攻撃を受けたうえにマナト君が強制射出の転移陣に引き込まれたとグーリドからの報告を受けているとこだ。


「魔王陛下。申し訳ないございません」


 剣を差出し頭を下げるボロボロのグーリドがいた。


「どうか私に断首の刑を…陛下」


「グーリド貴方を殺したら真人君が帰ったとき悲しむでしょう」


 観光名所兼デートスポットとなっていた遺跡が突然稼働したのだこれは事故としか言いようがないがグーリドの傷心ぶりには少々心が痛むとこだ。私は隣で控える魔王第三位に話しかけた。
 

「グアンド城を頼みます。私は今から遺跡跡にギールと行って来ます」

「陛下。城のことはお任せください」


 グアンドが少々大袈裟なほど頭を下げた。


「グーリド着替えて武装して着ついてきなさい」


「【風】部隊長ゼロス飛竜の準備をして下さい」


「非番の者も緊急事態で呼出してください。南の遺跡を完全封鎖します」


「ギール、グーリド急ぎましょう」


 完全武装で飛竜に乗り遺跡に到着した。なるほど今まで死んでいると思った遺跡内部から魔力が動く気配がする。まだ動力が生きていたのか?


 遺跡内部の確認もしたいがそれよりも真人君だ。 

 さぁどこまで跳ばされたか?

 候補はいくつか在るが?
 人族領あそこにも遺跡が発掘されたハズだが?
 獣人の谷にも同じような遺跡があるハズ?
 両方に使者を送り確認に向かわせるか?


「ギール追跡できませんか?」


「・・んやってみるか。マナト君はジロウちゃんと同じ魔力だから上手くいくと思うよ。昔ジロウちゃんがどこに隠れてもすぐに見つけたでしょ?」


「えぇ。何処かに発信器でも付いてるのかと思いましたよ。どうやって探してたんですか?」


「知りたい?」


「勿体つけないで下さい!」


 ギールはジロウの手を取り引き寄せた。


「なっ」


「捜索範囲が広いと魔力をたくさん使うからジロウちゃんの魔力もちょうだい」


 ジロウの頬に手を添えると口づけをしていた。ギールはジロウの舌を絡めながら唾液を吸い上げていった。


うぐ
んっん
あっあん


 周りの兵たちは静かに背を向け漏れ聴こえる声に耐えた。

 二人の魔力が混ざり合っていった。長い長い口づけが終わり頬を染め上げたジロウは腰が砕けそうになりギールに支えられながらやっと立っていた。


「ジロウちゃんの美味しかった」

 そう言うと自信の唇をペロリと舐めた。
 ジロウはギールにもたれながら肩で息をしていた。

「ハッアハッアなんてキスするんですか!」

「本当はここから摂取した方が濃いんだけど…」

 ジロウの下腹を撫でながら軽く持ち上がったものに手を添えた。

 キィーとジロウがギールを睨んだが金色の瞳を細め微笑んだ。


「ジロウちゃんの怒った顔も可愛い♡」


「「ふっふざけてないで早く真人君を捜して下さい!」」


 頬を染めながら怒鳴り付けた。


 兵たちは顔を背けたまま自分の物が反応しないように耐えていたが半数は立ち上がったものを隠す努力をしていた。

 






 数分後…

 黒い蝶の群れが遺跡を中心に広がっていった。それは美しい光景だった。




 






 ギール…蝶の正体が貴方の髪だなんて……


 ちょっとキモイ!?



 そうギールは魔方陣を地面に刻むと自分の髪を人束切り取り細かく刻むと自分の血を垂らしていた。

 飛び立った蝶はギールの髪から作られた分身である。彼の好きなものを追いかける為だけに飛び立った。後は蝶達からの知らせを待つだけだ。
 
 真人君どうか無事で居てください。







   ☆

   ☆

   ☆
 
   ☆

   ☆


 



#ご覧頂きありがとうございます       



(〃⌒ー⌒〃)ゞ
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜

キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」 (いえ、ただの生存戦略です!!) 【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】 生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。 ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。 のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。 「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。 「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。 「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」 なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!? 勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。 捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!? 「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」 ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます! 元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

処理中です...