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35‥人族王国side
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「ふぁーん」
俺は思いきり背伸びをして部屋の外を眺めた。
退屈だ!
手紙を魔王領に届けて貰うために書いてからすることがない。
手紙は全文日本語で書いたので魔王(伊藤さん)以外には解らないようにした。誰かに見られても安心だ。
それよりも暇だなーー
第二皇子クロリに手紙を渡したのでこれでひと安心だが俺の魔力が高過ぎて外に出ることもできずこの部屋に軟禁状態だ。俺の世話をしてくれている人達も魔力が高くないと不味いらしく魔導師の方々だ。
あ~
魔王領に早く戻りたい。
グーリドに会いたい。
「グーリド心配してるよなー」
☆☆☆
人族国王side
今朝のことだザーン魔導師が突然緊急の謁見を申し出てきたので会うことにしたのだが青い顔で鬼気迫る表情だった。
「どうしたザーン魔導師?」
「いましがた急激な魔力変動を感知し確認に行って参りました。場所はクラシュ皇子の住む離れです。室内に入りましたらベットに横たわる魔国の皇子を発見いたしました」
「・・――――まさかクラシュ……拐って来たのか?」
「ご本人は否定されておりますので今確認を取っております。魔国の皇子ですが意識がなく眠っておられましたので私の部下を付けて参りました」
「魔王国の皇子には護衛をつけ客室にお迎えしろ。後、クラシュから直接話が聞きたい。連れてこい」
「了解しました」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「父上参りました」
「クラシュ正直に答えよ。魔国の皇子を拐って来たのか?」
クラシュが目を剥いた。
「・・・ち父上まで私を疑うのですか?」
「確かにマナト殿に好意をよせていますが私はその様な卑怯な真似は致しません。父上信じてください」
クラシュの真剣な目に親として息子を信じたいと言う気持ちが沸き上がってきた。
「クラシュ…お前を信じよう。ただし確認が取れるまで部屋から出るな 。よいな」
「はい」
打ち拉がれる息子の背中から目が離せなかった。
☆☆☆
ザーン魔導師side
朝の鍛練を終え仕事に向かう準備をしているときだった。
バンーーーーー
突然魔力の衝撃波を受けよろめいた。
ナンだ今のは?
急ぎ発生源に向かい走った。高い魔力が移動しクラシュ皇子の離れに消えた!
クラシュ皇子にナニか起きたのか?
しかし、この魔力どこかで?
私は確かめるため皇子の部屋に押し入った。クラシュ皇子が今まで見たことの無いほど慌てておられたうえにベットにボロボロになった魔国の皇子がいた。意識がなくグッタリしており周囲には魔力の流出を防ぐ結界が張られていた。
まさかクラシュ皇子が誘拐してきたかと思い問い詰めたが違うと言って完全否定された。
クラシュ皇子からの説明を確認する為に部下の女魔導師を呼出し魔国の皇子の世話と護衛を言い渡し他の魔道士たちを神殿に向かわせ私は国王のもとに急いだ!
まずい。
不味すぎる。
魔国の皇子にナニかあれば魔国と全面戦争の可能性もある。
急ぎ報告せねば!
国王への報告を済ませ神殿に急いだ!
神殿入口が破壊されており部下たちが封鎖していた。私は神官たちに先程の爆音について詰問した。神官たちの答えがクラシュ皇子とほぼ同じで有ったため私は少し安心した。クラシュ皇子が誘拐したわけではないと確信したからだ。国王陛下に報告し今後の対策を話し合わねばならない。
あの魔王たちを本気で怒らせる訳にはいかない。私の体は震えていた。
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#ご覧頂きありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
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