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27‥怒りと嫉妬と羞恥
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「ひっ」
突然キスされて俺は咄嗟に身体を引き後ろに下がった。
「逃げないで下さい」
死にそうな顔でクラシュ皇子が俺の腰に手をまわし引き寄せた。
恐い。
クラッシュ皇子の瞳に嫌な物を感じた。こんなギラギラした目を見たことがなかった。そのままベンチに押し倒されクラシュ皇子が覆い被さってきた。悲痛な声で訴えた。
「あの従者には許していたではないですか私ではダメなのですか」
息がかかるほど近くでクラッシュ皇子に囁かれ困惑した。ナンで自分を口説くのか理解できなかった。押し退けようと両手でクラシュ皇子の胸を押したがびくともしない。
「や‥めて下さい……」
俺の言葉にクラシュ皇子の顔が歪んだ。そのまま首筋に吸い付かれ悲鳴をあげていた。
「ひゃぁーやだ!」
体格の差がありすぎてジタバタ手足を動かし抵抗したが逃げられなかった。
クラシュ皇子の手が俺の身体をまさぐり始めた。
魔法で逃げようとしたが強化魔法が発動しない。そんな…せっかく魔王(伊藤)から教えてもらったのに・・・どうして?
服をめくられ胸を腹を手が下に下がっていく。下衣の中にまで手を入れてきた。
「小さいんですね。可愛い」
おお俺のムスコを撫でながら呟きやがった。ちっちいさいだと!ここの連中が大きすぎるんだ!
怒ってる場合じゃないヤバイ。俺のムスコが反応しだした。
「感じてくれてるんですね」
「ち‥がう。やめて・・・うっうん・・・」
キスされ舌が侵入してきた。抵抗したけど顎を捕まれ舌と唾液を吸われた。嫌だ。グーリドとのキスは気持ち良かったのに…
ぐっん
んっんっ
「これは!魔力が回復していく。マナト殿貴方を押さえるのに魔力を使いきってしまい枯渇状態だったのです。助かりました」
ナニ言ってるのか分からないよ?
もうヤダ!
さっさと助けにこい!
『『『グーリドーーー』』』
俺は叫んだ。
そしたら目の前のクラッシュ皇子が俺の上から地面に滑り落ちていった。
「マナト様!」
駆け寄ってきたグーリドに抱きあげられた。
「うっううグーリドあいつ襲ってきた」
地面に倒れたままのクラッシュ皇子を指差して泣きついていた。
「何てことを」
声の聞こえた方に顔を向けると人族の魔導士が真っ青な顔で謝ってきた。
「「お許しください!殿下。申し訳ありません」」
「この不始末魔導士ザーンが責任を取ります。どうかご内密にお願い致します」
地面に額を擦り付け土下座してきた。
「きさま内密になどできるか!陛下には報告を入れておく」
グーリドが聞いたことのない低い声で言い放った。
「うっぐグーリド可哀想だからその人苛めないであげて」
「しかし‥マナト様・・・ザーン殿。クラシュ皇子から二度と目を離さぬように見張っていてもらおう」
「殿下。ご配慮ありがとうございます」
顔を上げたザーン殿は額から血を流していた。俺はグーリドに降ろしてもらいハンカチで額を拭いてあげたらザーン殿が驚いて動きを止めていた。
「あのう彼も手当てしてあげてください」
俺は倒れたままのクラッシュ皇子を指差した。
「クラッシュ様なら私の魔法で眠っているだけですので心配要りません。どうか殿下は会場にお戻り下さい」
「うん」
「マナト様こちらに…」
グーリドは俺の服を整えると手を取り会場に向かった。会場に入る手前でグーリドが脚を止め俺の頬に手を当てキスされた。
「申し訳ありませんでした。私がお側を離れなければこの様な不愉快な目に合わせずに済みましたのに…」
「グーリド…呼んだら来てくれたから感動しちゃった俺のヒーローだ!」
「ヒーロー?とは?」
「困った時に助けてくれる人のことだよ!」
俺の目から涙がこぼれた。
その涙をグーリドに吸いとられ驚いた。
「甘い」
「へっ」
「失礼しました勿体無いと思いまして…マナト様の体液は魔力がたまっておりますのでつい」
「たった体液?」
「特に精液が美味で……」
俺は自分の耳を疑った。いつどこで…美味って?キスされて目覚めたら身体がキレイにされてたけどそのとき?
全身が沸騰しそうなほど熱くなった。
「びっ美味って?」
「マナト様が口づけでいってしまわれた時です。キレイにするために舐め取らせて頂きました」
「な‥な舐めたの・・・」
「はい」
グーリドがうっとりと微笑んだ。
俺は恥ずかしさのあまり震えていた。クラクラしてきた。
舐められていたなんて・・・どこかに隠れてしまいたいと思った。
「もっと味わいたい」
グーリドの呟いた言葉に俺は目の前が真っ白に爆発していた。
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