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1-2.何でそうなった?

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「階段から突き落とした?嫉妬?一体何のことですの?」


 言葉は冷静だが、目が据わっている。あれは怒りでブチ切れる寸前だ。

だが、そんなことあの人たちにわかるはずがない。



「貴様、私をエリスを愚弄するつもりかっ!」


 だが、それは王子も同じで周りが見えていない。

 バチバチと睨み合いが続く中、オレはどうすればいいのか迷った。


1.このまま王子の勘違いを放置して姉上にまかせる。

2.婚約者は自分だと告げる。

3.陛下に助けを求める。


 うん、まず1だけど……このまま放置したら姉上が怒りで暴走しそうだ。そうなるとオレも巻き込まれるな。
うん……これはないな。却下だ。

 次、2は……この状況で「婚約者はオレで~す」と言ったところで信じてもらえるかどうか怪しいな。だってオレ男だし…うん、これも却下だな。


 3は…今すぐ陛下に会いに行くにしても色々手続きがあるから許可が下りるころには惨劇がおきてそうだ。

 あれ…もしかしなくても打開策が、ない?

 ちょっと待て!
 これってすごくマズい状況なんじゃ…。

 そう気づいてサーっと血の気が引く。

 このままこの状況が続けば王家と公爵家の問題に発展し、身分が下の公爵家に何らかの処罰が下される。

 何てことになり兼ねない。



うわああああああああああああああああああああ――――――――――っっっっ!!!!!!


 パニックになったオレは勢いで2人いや3人の前に飛び出した。


「姉上、落ち着いてください!」


 すがるような声で姉上に声をかけると目をパチパチさせてこちらに視線を移してくれた。


「あら、アラン。あなた今までどこにいたの?」


 嬉しそうに蕩ける目でオレを見つめてくれる姉上にちょっとホッとする。


「料理を少し…いや、そうじゃなくて…」

「まあ、相変わらず食いしん坊さんね?」


 にっこり笑う姉上にドキッとしたが今はそうじゃない。


「姉上、殿下とのお話ですが場所を変えませんか?」


 オレがそう言ったことで初めてこの状況に気が付いたようだ。

 オレたちの周りは空間ができていて貴族たちが周りを取り囲み見世物になっていた。これは貴族にはあるまじき行為である。

 王子もそれに気づいたようで顔をしかめた。


「殿下よろしいですか?」


 オレは打開策がないこの状況から何としても連れ出したかった。それしか思い浮かばなかったこともある。

 王子も納得したのか頷きかけたその時、エリスは気に入らなかったのか口出ししたのだ。


「場所を変える必要なんてないです。私はみなさんに聞いてほしいんです。うまく誘導して逃れようなんて卑怯です」


 クソッ!この女っ!余計な真似をしやがって!

 このままだと姉上が暴走するし、殿下だって引き下がりそうもない。






どうすればいいんだあああああ―――っ!


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