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国の行く末7
しおりを挟む国境を超えた辺りで騎士団の出迎えがあった。姉上の姿はないがハインツが先頭に立ってオレたちを先導していく。
国王の顔色は少しばかり青く、手は震えている。
今から緊張しているなんて早すぎだろう。
「陛下、大丈夫ですか?」
「あ、ああ・・」
大きく深呼吸して見せるがわかり過ぎだ。宰相は書類に目を通していてオレの声は聞こえていないようだ。
後の馬車に乗っている二人も気にかかる。降りてから声をかけた方が良さそうだ。
馬車は休まずそのまま王宮へと向かう。一定のテンポで揺れる馬車の振動から王宮が近いと判断したオレは魔力を押さえる。話が進んだところでバレるのには問題なけど、今ここでバレるわけにはいかない。探知も千里眼もここから先では使えない。使えば速攻で姉上にバレるしレイルにも・・
馬車が止まり、騎士団の声が聞こえる。
「陛下、いいですね。私が言った通りにするんですよ」
「わ、わかっておる」
「宰相も、」
「は、はい・・」
おいおい本当に大丈夫か?二人とも顔が強張ってんぞ・・?
従者が馬事のドアを開ける。先にオレが出て宰相が、そして最後に陛下の順番だ。後はサラ王女が出てルイ王子となる。
馬車を降りて視界に入ったのは見慣れた王宮だった。目の前には厳しい顔のハインツがいる。
「お待ちしておりました。騎士団副団長ハインツと申します。レイル陛下より謁見の間にご案内するように賜っております。こちらへどうぞ・・」
廊下の両側を騎士団がズラッと並んでいて何があっても対処できるようになっている。これはいい、さすがハインツだ。姉上の姿は見えないがきっとレイルと一緒なのだろう。
はあ~・・緊張する。オレは今からレイルと対決することになるから気合いを入れねば。
謁見の間のドアの前には宰相が待っていた。
「お待ちしてました。これより先は宰相である私がご案内します。どうぞ着いてきてください」
「ああ・・よろしく頼む」
挨拶もそこそこにオレたちは謁見の間に足を踏み入れた。
そして、玉座にはレイルが厳しい顔で待ち受けていた。
「よく来たな、隣国の王よ・・」
不機嫌そうなレイルにオレは舌打ちする。
スムーズに行くとは思っていないが
見ただけで、ああ、これは一筋縄ではいかぬ―――と、強く思った。
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