人違いの婚約破棄って・・バカなのか?

相沢京

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新しい命3

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「名前、考えたか?」

アランの問いにレイルは笑みを浮かべながら頷く。


「ああ、王子には太陽神ヘリオス様からリオスと名付けた。太陽のように国を照らし国王として相応しく育つように。王女にはルナ。月の女神からで、太陽を陰から支えてくれるようにと・・」
「お前にしてはなかなかいいな。リオスとルナか・・うん、気に入った。」

二人の頭を撫でながら微笑むアランは母親の意識が芽生えたのか愛しそうに見つめていた。レイルもまだまだ父親としての自覚はこれからだと思うが守る者が増えて成長していくだろう。

それを見守っていたアリアは感動し涙ぐむ。

あのヘタレのレイルが国王としても父親としてもここまで成長するのに時間がかかったが、この光景をみただけでもいくらか救われた気がした。

だが、これでアリアの気苦労が終わるわけではなく、まさにこれから二人の子供たちの教育が待っている。それを任命されたのはアリア本人であり、私はいつになったら解放されるのかしらと項垂れたらしい。

でも、大事な甥っ子と姪っ子のためならと引き受けたのだ。


しばらくして、元国王夫妻とラス公爵夫妻が祝福に訪れた。
妊娠中も度々訪れていた彼らは生まれたのが双子だと聞いて喜んだ。特に元国王は王女の誕生に涙した。夫妻には王女がいなかったのでその感激といったら異常なくらいだった。

「双子でしかも王女が生まれるとは、めでたいことだ」
「王子はレイルに似て、王女はアランに似ているのね」
「名前はつけたの?」
「ええ、王子にはリオス、王女にはルナと名付けました」
「もしかして、太陽神と月の女神から?」
「はい・・」
「そう、いい名前だわ・・」
「ルナ、おじいちゃんだよ」

顔を近づけてへらへら笑う元国王にみんな苦笑する。

「あなた、近づきすぎです」
「そうか?」

「アランお疲れ様。がんばったわね」

体を気遣ってくれるミリアにちょっと照れくさい。

「ありがとう・・」
「初孫がこんなにかわいいとは・・?」

スヤスヤと眠る子供たちに癒しを感じ目じりが下がる。

これから大変だけど、一人じゃない。みんなが助けてくれる。それが嬉しいいし申し訳ないという気持ちもあるけど、それが子育てだと母上から教わった。


「レイル、オレ幸せだよ」
「・・・・それは奇遇だな、オレも同じだ」


二人で顔を見合わせて吹きだし声を出して笑った。



平穏な日々が流れていく――――・・

それは、誰もが望む世界だ―――――・・・





****************************


番外編はこれにて完結です。

次回は

アリアの観察日記をはさみながら番外編2を・・と思ってますので

よろしくお願いいたします<m(__)m>

後、この話は短編としていましたが、長くなったことから長編へと変更しました。
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