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お披露目会での襲撃5
しおりを挟む次々に挨拶にくる貴族たちにリオスとルナは顔が引きつるのを隠しながらもそれに応えていた。
中には、子息令嬢を懸命に紹介して婚約へと結びつけようとする強者いや愚か者もいたがレイルの睨みで払拭した。
「まだ、早い」
「ですが・・」
「くどいぞっ!」
殺気を飛ばし牽制するレイルに諦めて引き下がって行った。
「まったく、まだ5歳だっていうのにこれでは先が思いやられる」
うんざりうんざりした様子のレイルにアランも同感だった。嫁ぐ前はこんなしがらみもなく平穏に過ごしていたアランはこれが王族というものかと苦笑した。
結婚式のときはこれはどではなかったというのもある。
「おかあさま、私もう婚約者を決めなければいけないのですか?」
悲しいそうというか困惑しているルナにアランは首を横に振る。
「いや、まだ急がなくてもいい。それにオレはルナには好意を持った相手と一緒になってほしいからな・・」
アランのその言葉にルナの大きな目が更に大きくなる。
「いいのですか?」
「ああ、できれば政略結婚だけはしてほしくない」
「・・おかあさま」
目を潤ませてアランを見つめるルナにレイルは彼女の頭を撫でる。
「お前にも幸せになってほしいからな」
「おとうさま、ありがとうございます、嬉しいです」
「じゃあオレはルナが安心できるように頑張らないといけないな」
「リオス・・王妃に相応しい婚約者と出会えることを祈ってますわ」
穏やかな空気が周りの貴族たちにも伝わり心が温まるのを感じた彼らは、入り込む隙がないとその場は諦めたようだった。
こうして、二人のお披露目会はお開きとなったのだった。
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