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ちょっと待て!
しおりを挟むルークが目が覚めると心配そうな二人の顔があった。
「ルーク様・・」
「よかった。気が付かれて・・」
そう言われたものの意識が朦朧としていてなぜ二人が傍にいるのか分からず不思議に思っていると、片手を胸に当て頭を下げてきた。
「ルーク様、申し訳ありませんでした」
「すみません。調子にのってあんなことを・・」
あんなことって何だと目をぱちぱちしていたら、不意に思い出して真っ赤になった。
いきなり口づけをされて胸も触られて、挙句の果てに股間まで。
恥ずかしくて顔から火が出そうで手で顔を覆って悶絶していると
「その・・ルーク様・・私たちとあんなことをするのは・・おイヤでしたか?」
核心をついてきた二人だが顔は不安そうだ。
気持ちがよかったし、ハッキリ言ってイヤではなかった。
むしろもっと触れてほしいと思った。
「あ―――・・えっと・・い、イヤじゃ・・な、い」
正直にそう言ってやると二人の顔がぱあっと華やいだ。
「それは、誠ですか?」
「う、うん・・・」
「気持ちよかったですか?」
「うん・・」
「またしてもいいですか?」
「うん・・」
「じゃあ、続きを・・」
「ちょっと待てっ!」
危ない!危うく流されるところだった。
「ユリアスっ!」
大きな声で名前を呼ぶと残念そうな顔に。
ラルクもそれは同じだった。
何だよ、オレが悪いのか?
こっちが被害者なのになぜお前らがそんな顔をするんだよ。
湧き出た罪悪感に、どうすれっばいいのかわからなくなってきた。
「ルーク様・・」
「ルーク様・・・・」
懇願するように手を握られて見つめられて困惑する。
ここで拒否してもきっとこいつらは求めて止まないだろう。
いきなり王太子となり、この二人が婚約者に選ばれていずれは国王になる。
それがオレに課せられた運命―――
でも、まだ時間はある。
それまで―――
「今日はお預けだっ―――!」
そう簡単に、落ちてなるものかっ
―――と
口角をあげて満面の笑みでそう告げてたのだった。
完
****************
これで、この物語は終わりです。
初めてのファンタジーで設定や描写に悩むことだらけでしたが、たくさんの方に読んでいただきありがとうございました。
ランキング1位に上がったときは、驚きましたしすごく嬉しかったです。
書き洩らしたネタもありますが、それはまた違うものに使いたいと思います。
ホントに、ありがとうございました。
相沢 京
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みんなの感想(11件)
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頑張って校正してくださいね(^o^;)
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ありがとうございます。
訂正しておきます(;^ω^)