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もう、我慢しなくてもいいよな?
しおりを挟むしかしこのフランとやらは、なぜこんなにもやせ細っているんだ?学園では平民でも不自由なく食事ができるようになっているはずなのに・・?
「フランは貴様の虐めのせいで精神的な苦痛を受け食事が喉を通らなくなったんだぞ!」
はあ?精神的な苦痛??食事が喉を通らない・・?
それがオレのせいだというのか?
そもそもなぜオレがこいつを虐めなきゃならないんだよ?
「兄上、私は身に覚えがありません。それに何のメリットもありませんが・?」
皮肉を込めて言ってやると、兄上はニヤリを笑った。
あ、これはまた良からぬことを考えているなと、思ったら案の定・・
「それは、私を失脚させるためだろう?」
「失脚・・ですか?」
何の役にもたっていないこいつから一体何から失脚させるんだ?
茶色い髪をかき上げ、上から目線で鼻で笑う。その態度に虫唾が走る。
学園では成績は最下位。魔法も魔力が少なくて初期魔法がやっと、武術も努力次第では何とかなるのに鍛錬を嫌い自分自身さえ守れないほどの落ちこぼれ。そのくせプライドだけは高く王子の権力と立場を利用してわがまま放題。
よって、取り巻きも最悪なものしかおらずもはや災いの中心人物となり学園はおろかこの国では嫌われ者となっていた。
「何から・・ですか?」
できればこれ以上は関わりたくない。早く会話を終わらせてアレクの元へ行って癒されたい。
そんなオレの態度が気に触れたのがキレたようだ。
顔を真赤にして怒りで手が震えている。
「貴様、私を愚弄するのかっ!」
え、だって何のことかさっぱりだし・・。
「そ、そうです。カイン様謝ってください」
「は・・?」
一触即発というタイミングで今まで沈黙していたフランが口を開いた。
「おお、フラン・・大丈夫か?」
「はい・・私は大丈夫です。怖いですけどダグラス様がご一緒なら・・」
フランはダグラスの手にギュッと抱きついた。
何だこの茶番は?しかもこのオレに謝れだと?
「カイン、フランに免じて謝罪すれば許してやるっ!」
黙っていればいい気になりやがって!
謝罪したら許してやるだと!
「・・けんな」
「何だ・・?」
この腹の底から沸き上がる怒りをもう抑えきれなくなった。
「・・・ふざけんな!何が虐めだ!何が謝罪したら許してやるだ!貴様、何様のつもりだっ!!」
今までずっと耐えてきたが、もうこれ以上は我慢ならなかった。
怒り狂う心をそのまま奴らにぶつけてやると、威圧感に恐れをなしたのが顔がだんだんと青くなっていく。
「や、やめろカイン」
ダグラスはいつも温和な性格のカインを心のどこかでバカにしていた。何を言っても言い返さず従う弟だと思っていた。だが、その認識はどこかで間違っていたと今更ながら気づかされた。
「きゃあ・・」
怒りが静まらないカインはこのまま処分してもいいのでは?いや、さすがにそれはダメだろう。と二つのことが頭を過ぎり、さてどうしようかと迷っていいると、周りにいた貴族たちがカインの威圧に耐えらず悲鳴をあげた。
そうだ、子どもたちがいたんだった。
これ以上すれば怪我人がでると判断したオレは仕方なく威圧を静めた。
それを何を勘違いしたのかダグラスはカインが自分の言葉に従ったのだと勘違いした。
「貴様、この私に何ていうことを・・許せん!」
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