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追い打ち
しおりを挟む「そ・・それは」
まさかカインが学園に入学していなかったとは・・これはフランの大きな誤算である。
ダグラスの言うがまま企てたことが仇になるとは思いもよらなかった。
自分でしっかりと確認を取るべきだったと後悔してももう遅い。
このままでは処刑は免れない。何とか回避することはできないのかと頭を巡らせる。
しかしこの状況でいい考えなど浮かぶはずもなく沈黙が続く。
「どうした?何か言うことがあるだろう?」
殺気を浴びせられ、ドクドクと自身でもわかるほど心拍数が上昇していく。
全身から冷や汗が流れ気が遠くなる。だがここで気を失うわけにはいかなかった。
どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!
だが、いくら考えても何もなく。動揺し思考がおかしくなっていった。
「私の・・・せいじゃ・・ない・・」
そうだ、これは私のせいじゃない!みんなダグラス様のせいだ。
「・・・・に・・・た」
「ん?」
「騙された・・のです・・・私は、ダグラス様に・・騙されたのです」
――――――は?
この世に及んで何を言っているんだ?
国王だけでなく、この場にいる全員が思ったこと。
「そうです。私はダグラス様にカイン様から虐められたと証言しろと脅されたのです」
真青な顔とは思えないほど意気揚々と言うフランに脅威を感じてしまうほどだ。
ええ――っ!!
いやいやいやっ!
それはない、と思うぞ!
ダグラスにそこまでの頭はない。
「・・・・ほう。ダグラスに騙されたというのか?」
「はい・・」
フランの弁明に国王は殺気を押さえ顎をなでながら口角をあげた。
カインはその仕草をみて何か考えがあるのだと察した。
「話は変わるが、エレンを知っておるか?学園で会っておると思うが?」
話が変わったことで助かったと肩の力が抜けた。信じてくれたかどうかはわからないが少しは時間を稼げるはずだ。もし、このまま拘束されないならすぐにでも逃げよう。
「え・・ああ、はい。知ってますが・・」
エレン様は確か隣のクラスだったと思う。でもなぜそれを聞くんだろう。
一方、焦ったのはカインの方だ。
エレンに何かあったのか?
「うむ、最後に会ったのはいつか覚えておるか?」
「えっと、確か3日前だったと思いますが・・」
「3日前か・・」
「何処でだ?」
「正門前ですが・・」
淡々と答えながらも、段々と不安になってきた。。
なんだろう、このモヤモヤした感じは?
エレン様とはほとんど接触はないけど、彼が王太子の婚約者だということは知っている。
あれっ?
頭の中で何かが引っ掛かった。
―――王太子の婚約者っ!
まさか・・・?
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