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最終決戦といこうか!3
しおりを挟むアルバ伯爵はバレると思っていなかったのか油断していたのか、堂々と奴隷商を屋敷に呼んで取引をしていたのだ。
エレンは隠れてそれを確認するとすぐに国王に報告した。
「何と、愚かなことを・・我が国の民を違法な奴隷商に売り渡していたとは!」
顔を真赤にして怒りを露わにする国王にエレンも宰相も同じ気持ちだった。
「まったくです!陛下これは許しがたい犯罪です!奴らに制裁を下さなければ怒りが治まりませんっ!」
「うむ、エレンよそなた、あいつらの動向を探るのに手を貸してもらえぬか?」
王太子妃にそんな危険な真似をさせるなんてどうかしていると宰相が止めに入る。
「陛下!それはあまりにも危険では?」
「大丈夫だ。エレンは隠密のスキルを持っておる」
「しかし・・」
「エレンよどうだ?」
「はい!仰せのままに・・」
そんなやり取りがあったのが数日前。
証拠をつかんだエレンが報告しに行こうと学園をでたところで、あの襲撃事件があったのだ。襲ってきた奴らはおそらくアルバ伯爵の手の物。だが、転移した先が鍛冶屋の納屋とは何ともお粗末だ。
あれはどう考えても誰かが奴らの邪魔をし、手助けしてくれたとしか思えなかった。
そして城に来てみればあのダグラスの婚約破棄騒動が起きていたのだった。
証拠の書類を突き付けられたアルバ伯爵とリム男爵は観念したのか膝をつき情けない顔をしながら床を見つめていた。
なぜ、こんなことに?
バレるはずがないと高を括っていたのが悪かったのか?
まさか、エレン様が絡んでいたとはっ!
「奴隷商の主も拘束して牢屋に入れている。貴様らの仕出かしてきたことを洗いざらい白状してくれたぞっ!」
それを聞いて焦ったのかアルバ伯爵は声を荒げる。
「待ってください!私たちが奴隷商と関係を持ったのはクリス様から紹介されたからですっ!」
最後の悪あがきに、国王の眉がピクリとした。
「クリスの紹介・・だと?」
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