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しおりを挟むあの胸糞悪い奴をのした後、勇人は最悪の気分だった。
クソッ!クソッ!クソッ!クソッ!
油断したっ!
ああーーっ!もう、何であんなところで寝ちゃったんだよっーーー!
襲ってくださいって言ってるようなもんだろうがああーーっ!!
「オレのバカ野郎ーーーっ!」
頭をガリガリひっかいて
自分の仕出かしたことに、ものすごーーく後悔していた。
またしても、男とキス・・・しかもベローチュー・・・
ああ、悲しすぎる・・・
ファーストキスはあの変態副会長に・・
セカンドキスは、チャラ男に・・・
はあ~・・やっぱり、帰りたい
うう・・泣きたい気分だ・・
しかも、闇雲に走ったせいでどこにいるのかわからなくなったし・・・
いや、迷子だったけどさ・・
でも、あのお花畑の次は森ですか?
いや~いいですけどね・・
どうすっかな~と思っていたら
遠くから声が聞こえて来た。
「お。やった!これで道が聞ける」
嬉しくて声のほうに近寄って固まった。
何でかって?
なんだ・・その~・・・
アレの最中だったからさ・・
ハハハ・・・もう笑うしかない
組み敷かれている奴の上着は途中で止まっていてシャツのボタンは全開。
ズボンは脱がされたのかオレの足元に散乱していて、
下着と言えば申し訳なさそうに片足にかかっているだけの状態だった。
これ以上は見たくないし見つかれば厄介なことになりそうなので
後ろ足で逃げようとしたら、そいつと目があった。
やべえ!見つかった!
邪魔しちまったと思ったんだけど
そいつの目からは涙がこぼれていた。
それを見て、まさかと思った。
おいおいおい!
これって合意じゃねえのかよっ!
カッと頭に血が上って身体が勝手に動いた。
「そこで、何してんだ?」
そいつの腕を掴みながら脅すように低い声で言ったつもりだったが
「邪魔するな!今、取り込み中なんだよっ!」
目が血走り、野獣のような顔で放つ言葉に心底腹が立った。
さっきあいつにされたことがまだ頭に残っていたのが原因かもしれないが、合意でないならば見逃すわけにはいかない。
掴んだ腕をギリギリと締め上げると、そいつは悲鳴をあげた。
「ぐっぅ・・・や、やめろ」
「これってさあ~・・合意じゃねえよな?」
図星をつかれてそいつの顔色がかわる。
明らかに動揺しているようだ。
まあ、締め上げてるからそうなるかもしれねえけど・・
「な、何いっている・・ご、合意に・・決まってるだろ・・」
ほお~・・こんな状況でほらを吹くのか?
ザコのくせにいい度胸してんじゃねえか・・
「へえ~・・なあこう言ってるけど?」
被害を受けている生徒の顔を見れば、ブルブル震えていつの間にかオレのシャツの裾を掴んでいた。
「・・・ち、ち・・が・・・う」
たどたどしい言葉で否定する彼に勇人は優しく微笑みかけ頷いた。
「違うって言ってるけど・・?」
「な・・なな・・う、そだ!こいつはウソを言ってる。あれだ、オレを嵌めようとしてるんだろ?」
勇人の腕を振り払い逃げる気満々で気味の悪い笑みを浮かべる。
「そ、そんな・・オレは、ウソなんて・・」
自分のしたことを必死に否定し彼に罪を擦り付けるこいつに我慢ができなくなった。
「てめえっ!いい加減なことをいうなあっ!」
逃げ出そうと後を向いた瞬間にそいつの横っ腹を蹴り上げてやった。
「ぎゃあっ!」
悲鳴をあげて傍の木にぶつかり伸びた。
「弱ぇ~・・・」
このまま放置するのも問題があるような気がしたのでそいつのネクタイで腕を足はベルトで拘束する。
始末をしながら、高坂さんに言っていたことは本当だったんだと実感した。
学校内で強姦なんて、やるせないやら情けないやら複雑な気分だ。
被害に合った生徒の傍に寄ると、所々キズや出血はあるもののギリギリ未遂で終わったようでホッとした。
「大丈夫、立てる?」
余程、怖かったんだろう。
ガタガタと震えていて顔色はよくなかった。
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