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しおりを挟む「どうします?体育館に行きますか?」
「う~ん・・そうだね、もう時間もないし」
意見が合う二人に両脇をがっしりと固められて体育館へと連行される。
ホント、なぜこうなった・・?
チャラ男の説明によると
こういう時のために本部のパソコンには、
誰が誰を捕まえたのかデータが送られていて、すぐに確認できるようになっているらしい。
このシステムに感心しながら、オレの相手が誰なのか凄く気になった。
チャラ男も同じ考えのようで、説明のあとブツブツとなにやら呟いていて気味が悪いし
変態副会長はというと、オレの腕をイヤらしい手つきで触ってくるから背筋がぞわぞわした。
しかも、時々オレを顔を見て嬉しそうにほほ笑むもんだから
道中、親衛隊や他の生徒たちから嫉妬じみた鋭い視線を浴びて居心地の悪いことといったら・・・
お前ら、自分のことばかりでこれからオレがどんな目にあうかなんて考えていないだろうっ!
きっと、嫌がらせなんかが始まるんだろうな・・
オレの、平穏な学校生活が・・
ああーー・・・
オレが絶望にくれているのに、会長は親衛隊に囲まれている。
頬を赤くして潤んだ瞳で見つめて・・あれは恋する乙女・・いや、男の娘っていうやつか?
オレもその辺は詳しくないが・・・まあ、どうでもいいけど、さ・・もし、会長が相手ならどうなるんだろう?
さっきの会長の態度からして、何人も捕まえて・・いや、捕まえさせられているようだようだからけど、みんなにご褒美ってのをあげるのか?
だったら、オレ『一ヶ月の外出券』がいいな~・・
何てニヤニヤしていたら、変態副会長が話しかけて来た。
「勇人、今日のディナーご一緒しませんか?」
え、ディナー・・?
突然のお誘いに戸惑う。
これって、もしかしなくても二人でだよな?
「・・・えーっと」
どうしよう・・できれば行きたくない。
だって、身の危険を感じるから・・
すると、そこに
「ダメだよっ」
と、チャラ男が阻止してくれた。
何だよチャラ男、お前なかなかやるじゃねえかと見直したのだが、
それは一瞬だった。
やっぱり、チャラ男はチャラ男だった。
「何、言ってんの?勇人はオレと食べるの」
こいつもかっ!
掴んでいる腕をギューッとするチャラ男に変態副会長の目が怪しく光る。
「私の勇人に馴れ馴れしくしないでくださいっ!」
メガネをクイッとあげてチャラ男を威嚇する。
「それはこっちのセリフ!オレと勇人はあつーいキスをした仲なんだからね~」
ゲッ!こいつ、何余計なことを言ってんだっ!
そんなこといったら・・こいつが何するかわからねえだろっと焦るオレ
だけど、変態副会長はポロっと暴露する。
「え、そんなの私だってしてますよ・・」
ああーーっ!もうこいつらさっきから何なの?
何でそんな恥ずかしいこと暴露してくれてるの?
両脇でいがみ合う二人の態度にいい加減我慢の限界が・・・。
「うそ・・どういうこと?」
「勇人?」
そんな勇人の態度み気づかず、ぎゃあぎゃあと詰め寄って行く。
「ああーーっ!もういいーー・・」
『いい加減にしろっ』と怒鳴りたかったのに、そこに会長ののんびりした声が遮る。
「そうなのか・・?」
「ああっ・・?」
その声にイラっとして眉をしかめた。
いつもなら『なんだこのっ』とか『うるせー』とか言って威嚇したと思う。
だけど・・興味津々で聞いてくるものだから、爆発しかけたオレの怒りが消滅していった。
「・・・オレの意思じゃありませんっ」
お陰で荒々しいけど冷静に答えることができた。
それとここはハッキリ否定しておいた。
「ふ~ん・・・」
何だその返事は?
「会長、まさかあなたも勇人に興味がおありですか?」
不機嫌そうに聞く変態副会長。
考え込む、会長。
いやいやいや・・・そこは否定してくれよ!
これ以上話をややこしくしないでくれっ!
じーっと、オレを見つめるチャラ男
遠巻きで見ている生徒たち・・
「頼むから、やめてくれよ・・」
情けないがこのまま逃げ出したいと切に願うオレだった。
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