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しおりを挟む「なっ・・」
動揺する親衛隊たち。
まあ、そうなるよな・・制裁中に風紀委員のオレが現れたんだから・・
「お前・・・確か」
「風紀委員がなぜここにいる?」
「・・邪魔しないでよ」
「こいつのせいで、会長が・・」
憎しみをこめたドロドロした感情を向けられて佐川が怯む。
「こいつさえいなければ・・会長は私たちを見てくれるはずだ・・そう言いたいのか?」
「クッ・・・そうだ」
親衛隊全員が同じ感情のようだ。
『恋』というのはここまでするものなのか?
「そんなのおかしいだろ・・?」
ああ、何でオレがこんな奴らを相手にしなきゃならねえんだ?
男同士の恋愛ってこんなにドロドロしたものなのか?
しかも、会長の気持ちがどうなのか知ろうともしなくて・・
佐川を排除しようなんて見当違いだと思うぞ
「私たちは元の会長に戻ってほしいだけです・・」
「元のって・・具体的には?」
「それは決まっているじゃないですか?」
「生徒会メンバーは生徒のアイドル的存在。誰か一人の者になるのは許せないことです」
ええーーっ!それって・・
親衛隊が生徒会に求めていることってそんなことなのか?
アイドルは誰かの者になっちゃいけねえのか?
情けなくて頭が痛くなってきた。
こいつら、ホントなんなんだよ・・
「会長はあんたらのことなんて何とも思ってないよっ!
アイドル的存在?ふざけんなっ!そんなんだから嫌われんだよっ」
あざ笑うような言葉は親衛隊に動揺を与えた。
「嫌われて、いる・・?」
「そうだよ。会長、言ってたよ・・あんたらがウザいって・・・なのにオレを排除しようとするなんて・・」
蔑むような視線を向けて、自分の存在価値をアピールする佐川に勇人の中から黒い感情が生まれた。
「‥お前がそれを言うのか?」
「はあ~・・だってオレは会長のお気に入りだからな。何をしても許される」
「ふざけんなっ!会長がお前を傍に置くのも、親衛隊がこんなことをしたのも全部お前のせいだろっ!!」
「はあ・・?」
「お前、はっきり自分が弟じゃないって言ったのかよ?言ってねえよな?
だから会長もこんな風になってるに放置してんだろ?」
「何だよ、オレが偽者だっていうのか?」
「ああ、そうだよ(オレが本物だからな)」
「証拠はあるの・・?」
あるのなら出して見ろっと言わんばかりの偉そうな態度。
勇人自身証拠など持ってはいない。だからといって自身の正体を晒すこともできなくて手づまりだった。
だが、そこに親衛隊の一人が口を挿む。
「証拠ですか・・それならここにありますよ」
黒い笑みを浮かべた彼の手にはUSBメモリーがあった。
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