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「和也は奴らと接触しなかったんだよな?」

「うん・・オレがいる二階には上がってこなかった」

「・・・奇妙だな」

「何が・・?」

「そいつら二階に和也がいるのをわかっていなかったとは思えない。」

「そうだな。だとしたら・・狙いは勇人だったことになる」

「勇人が・・?」

「でも、それっておかしいだろ?あいつは一般人だぞ。なのに何でこんな奴らに狙われる必要がある・・?」




相良勇人は何者なのか―――?


再び沸き上がる疑問―――・・・



「なあ、勇人ってホントはどこかの財閥の身内なんじゃないのか?」

「それはオレも考えていた」


夏樹の言葉に視線が集まる。


「幸村、お前がそんなことを思っていたとは意外だな・・」

「そうか、でももしそうならこの誘拐も頷ける」

「誘拐、か・・・」

「そうなると・・」

「ああ、オレたちだけじゃ手に負えない」

「幸村、理事長のの助けが必要だ」

「わかっている。だから手掛かりを探そう」



そう言ったと同時に車はタイミングよくログハウスに着いた。



ログハウスの周りは昨夜の雨でぬかるんでいて奴らの痕跡がくっきり残っていた。

複数の足跡に二台のタイヤの跡は高坂たちが来た方向とは逆に向かって伸びていた。

ログハウスに目を向けると、玄関のドアと窓ガラスは粉々に割れて悲惨な状態だった。

中に入れば争った跡がありリビングの机やイスはひっくり返っているしテレビは床に落ちて大破していた。

床にはガラスが散乱していて、その中に少量だが血痕もあった。



「これって、血痕だよな・・・まさか、勇人の?」

「それはわからん。あいつのケンカの腕は相当なものだ。もしかしたら奴らのものかもしれないし・・」

「拓也、焦るな・・こういうときこそ冷静になれ」


拓也をなだめていると、早瀬が声をあげる


「ここに、何か引きずった跡があります・・・」


散乱したガラスには道ができていて何か大きなものを引きずった跡が残っていた。


「恐らくここから、勇人を引きずって車に乗せたんだろ・・」

「クソッ」


悔しくて拳を床に打ち付ける高坂の目に不審な物が映った。


「幸村っ!」

「どうした?」

「これ、なんだと思う?」


高坂が見つけたのはどこかの企業のバッチだった。


「これは・・このバッチには見覚えがある。確か後継者争いをしている奴らの傘下にある会社の物だ。」

「何だと・・・」










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