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しおりを挟む朝から文化祭の準備に追われていて生徒たちは浮き浮きしながら手を動かしている。嬉しそうな顔をして浮かれている彼らが気に入らなくて持ち場を離れて一服できるところを探していた。いつもなら屋上にでるのだが、今日に限って施錠されて入れなかった。
「クソッ!」
舌打ちしてうろうろしていたら更衣室のドアが少しだけ開いているのが見えた。
「ここならいけるか?」
手をかければそれはすんなり開いた。やった!と嬉しくなって中に入ろうとしたら人の気配がして気分は急降下。
「何だ、人がいたのか」
がっかりしたのと同時に淡いピンク色のワンピースで頭には特徴的なアレが目に入った。
ナースか?でも、何で・・・?
ピッタリとしたナース服が体のラインを強調していて目が離さなくなった。
太ももがやけにキレイで色気があって・・股間に熱が・・・いや、さすがにこの状況はマズイ。
そう思った時に視線が合った。
「使用中だ。出ていけっ」
「・・・はあ?」
きつい言葉に眉間にしわがよる。
だけど、大きなキレイな瞳に吸い込まれそうなそんな錯覚に襲われた。
これはケンカを売られたのか?
見惚れていた自身に腹が立ち舌打ちをし視線を逸らす。だけど気になってちらりと見ると奴の視線はオレの手元に・・・あ、当初の目的を忘れていた。これを人に見られるわけにはいかず、慌ててお尻のポケットにねじ込んだ。
「それって・・・」
奴が何か言いかけたがこれ以上ここに居ても意味がないというか、厄介なことになりそうだったので諦めてここから立ち去った。
「はあ~・・せっかく見つけたと思ったのにな」
頭をポリポリかきながら廊下を歩いていると、数人の一年生らしい奴らとすれ違った。
「勇人さま。もう着替えは終わっているかな?」
「そうだな、時間からして中に入っても大丈夫だろう」
『勇人さま』って誰だ?聞かない名前だな。気になって奴らを見るとオレがさっきまでいた更衣室の前で止まった。
「勇人さま、入ってもいいですか?」
「・・・ああ」
そのやり取りを見て、興味がわいた。
「ふ~ん・・・勇人さま、ねえ・・・」
休んでいる間に随分と状況が変わったようだ。
これは退屈しないで済みそうだと嬉しくなって自然と口角が上がったのだった。
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