『チート作家の異世界執筆録 〜今日も原稿と畑で世界を綴る〜』

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第8話 王の目を裂くは、自由の刃

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 森の深い闇が、一瞬にして戦場の色に染まった。月明かりが樹間をすり抜け、土煙を銀灰色に照らす。足元の落ち葉がカサカサと悲鳴をあげるたび、ルナの心臓が不規則なリズムで跳ねた。
 
 リュウの言葉で灯された〈物語の刃〉は、ルナの手で生き物のように躍動し始めた。淡い蒼光を帯びた短刀の刃は、彼女のしなやかな動きに合わせて空気を切り裂き、その軌跡はまるで蒼い流星のようだった。
 
「“物語の刃”か。なかなか似合うではないか、ルナ姫」
 
 軍団長の息子、ゴルザーク・ガルフレアは、冷ややかな笑みを浮かべ、全身を覆う重厚な戦斧を構えた。筋骨隆々の腕には、夜の影すら押し返すような威圧感が宿る。大地さえ踏み砕きそうな重みを感じさせつつ、彼は低く唸った。その声には、獣王国の絶対的な威厳が宿っていた。
 
「いくら逃げようとも、王家の血は王家に帰る。お前の運命は、ここで終わりだ!」
 
 それが“定め”なら、定めは壊すためにある。ルナの心に宿る炎が、ゴルザークの言葉に呼応するように燃え上がった。
 
 ルナは雄々しい咆哮とともに、地を蹴り上げた。
 
「定めは、壊すためにあるとやろがぁあ!!」
 
 猫のような鋭い視線で、ルナは樹上へ飛び移る。しなやかな肢体はまるで森を駆け抜ける一匹の獣のよう。枝を蹴り、岩を飛び越え、斜面を駆け下がりながら一気に距離を詰める。風を切る音が、彼女の決意を物語っていた。
 
「速い……!」
 
 ゴルザークが肩を震わせる間もなく、ルナは一瞬で間合いに入り、蒼刃を斧の柄に叩きつけた。キン、と乾いた音が森に響き渡り、鋼が火花を散らす。ゴルザークの巨体がわずかに揺らぐ。
 
「くっ……これが、リュウの“筆”の力か……!」
 
 背後からの罵声が届く中、ルナは重心を低く落として叫んだ。その声は、森の静寂を打ち破る。
 
「違う! これは、うちの“意志”ばい!!」
 
 再び跳躍。木々の梢すれすれを駆け抜け、空中で一閃。鮮烈な切っ先が、ゴルザークの鎧を抉るように走った。冷たい鋼の感触が、彼の体に戦慄を走らせる。
 
「っ……姫にしてはやる……だが!」
 
 ゴルザークは咆哮混じりに前進し、地を抉るような衝撃で彼女を吹き飛ばす。まるで巨大な鉄槌で打ち砕かれたかのように、ルナは幹に叩きつけられた。全身に激痛が走り、辺りに鮮血がしぶいた。意識が遠のきそうになる。
 
「ルナ!!」
 
 リュウの悲痛な呼び声が森にこだまする。しかし、ルナは歯を食いしばり、傷ついた身体を這い上がらせる。血の味が口の中に広がるが、彼女の瞳には揺るがぬ決意が宿っていた。姫の名誉でも、王家の誇りでもない、ただひとつ、自分自身の誇りのために。
 
「まだ、やられるわけにはいかんとよ……!」
 
「ルナの刃に“自分自身”の誇りがあるなら……俺の筆にも、“仲間”の誇りがある!」
 
 リュウが新たにノートを開き、ペン先を走らせる。彼の指先から放たれる魔力が、ノートに宿る言葉を具現化させる。その文字の一つ一つが、光を放ち始める。
 
《ルナの刃は、真実を貫く。誰かの決めた未来ではなく、自分の選んだ“今”を切り拓く》
 
 言葉が空気を震わせ、再び短刀が蒼く輝いた。その輝きは、ルナの傷を癒すかのように、彼女の身体に力を満たしていく。ルナの足元に風が渦巻き、朱に染まった戦場に冷たい月影が踊る。まるで、月がルナを祝福しているかのように。
 
「これが……うちの、物語ばい!!」
 
 その瞬間、ルナの身体が閃光とともに弾けた。まるで、光の粒子になったかのように。
 
〈瞬身突刃・月影〉
 
 五連撃の天・地・人に三撃、空中での反転斬り返し一撃。目にもとまらぬ速さで繰り出される刃は、ゴルザークの防御を完全に崩した。最後の一撃が、ゴルザークの胸甲を完璧に裂き、斧を手から弾き飛ばした。
 
 斧は土をえぐり、重々しく地に落ちる。ゴルザークは苦悶の呻きとともに膝をついた。その巨体が、一人の少女に打ち破られた事実に、森全体が息をのむ。
 
「……なるほど。お前が、本当に欲したものは、“自由”だったか……」
 
 絞り出すような声でゴルザークが呟く。苦しげに仰ぐ瞳には、少しの敬意とも哀惜ともつかぬ感情が揺れていた。それは、彼の敗北を認める、偽りのない感情だった。
 
「うちは、誰のものにもならん。ただ……うちの居場所は、自分で選ぶ“ルナ”としての」
 
 ルナはゆっくりと背を向け、月光の輪郭だけを残して立ち去ろうとする。彼女の背中は、もはや逃げる王女ではなく、自らの道を切り開いた一人の戦士のそれだった。
 
 静寂が支配する森の中で、ゴルザークは震える手で斧を握り直し、深く頭を垂れた。彼の口から出た言葉は、全軍にとって信じられないものだった。
 
「……全軍に命ずる。退け!これは、わが姫の命令である。王の娘としてではなく、『一人の獣人、ルナ』として」
 
 沈黙の後、彼は立ち上がり、獣王の目たちに静かに合図を送った。影の軍団は整然と森の闇へ消えていく。ルナの勝利は、単なる戦いの終結ではなく、新たな時代の幕開けを告げていた。
 
 時間は夜半。戦いの興奮が冷めやらぬ中、ログハウスの屋根の上で、二人は星降る空を仰いでいた。
 
「……ありがとう、リュウ」
 
 ルナは震える声で言う。あの激しい戦いの痕は跡形もなく、ただ誇り高い笑みだけが彼女の顔に残っている。その瞳は、満天の星を受けてきらきらと輝いていた。
 
「いいって。そもそも、お前が一人でやり遂げたんだろ?」
 
 リュウは腕を組んで照れくさげに笑う。彼の隣にいるルナは、もはやかつての臆病な姫ではない。
 
「でもね……うち、一人じゃここまで来られんかった。あんたがいてくれたけん、逃げずに立てたっちゃ」
 
 月明かりに照らされた横顔は、ほんのり赤らみ、暖かく揺れていた。その表情は、彼女の心の奥底からの感謝を物語っていた。
 
「……うち、もう“王女”じゃない。これからは、ただの“ルナ”として生きるとよ」
 
 ルナの瞳が夜空の星屑を映す。リュウはそっと手を差し伸べた。その手は、彼女の未来を導くかのように。
 
「俺もルナが残ってくれて良かったよ。じゃあ……“うちのルナさん”って呼んでいいか?」
 
 ルナはバンとリュウの手を軽く叩き、笑った。その笑顔は、これまでの彼女からは想像もできないほど、自由で弾けるようなものだった。
 
「はっ!? なんちゅう図々しか質問しよると!? ばかリュウ!」
 
「わー! 石投げないで! 屋根から落ちる!筆が命なんです筆が!」
 
 二人の笑い声が、満天の星とともに夜に溶けていった。それは、これまでの苦難を乗り越え、新たな一歩を踏み出した二人の、希望に満ちた歌のようだった。
 
 逃げる姫の物語は、ここで終わらない。
 自ら綴る、新たな自由への章が、今、幕を開けたのだった。
 
 そして翌朝。陽が昇りきる前の静かな時間、ログハウスのキッチンではリュウが湯気立つジャガイモを籠に並べていた。香ばしい匂いが漂う中、ルナはぽつりと呟く。
 
「……うち、街に行ってみたいっちゃ」
 
 蒸したてのジャガイモをほおばりかけたリュウは、フォークを空中で止めて振り向いた。その顔には、驚きと少しの期待が入り混じっていた。
 
「え? てっきり一生もふもふして暮らすもんかと」
 
「それも捨てがたいけどっ、ずっと逃げとるだけじゃ意味なかもん」
 
 ルナは膝の上に乗せた短刀の柄にそっと指先を当て、視線を少しだけ落とした。その瞳の奥には、新たな決意の光が宿っていた。
 
「もう獣王国には戻らんって決めたけん……これからのこと、ちゃんと考えときたかと」
 
 リュウは驚きながらも、すぐににやりと笑う。彼女の変化を心から喜んでいるようだった。
 
「じゃあ、“ルナ姫脱却記念”ってことで、王都見物ツアーだな」
 
「姫って言わんでよかー!! ……でも、楽しみにしとるばい」
 
 そうして、二人の小さな旅が始まった。それは、ただの観光ではなく、ルナが真の自分を見つけるための、新たな冒険の始まりだった。
 
 数日後、王都ルミアステラは、昼の光を受けてまばゆいばかりに輝いていた。石畳の通りは青磁色に磨き上げられ、規則正しく植えられた銀葉の並木がさわさわとそよぐ。まるで童話の一幕のような街並みに、ルナの金色の瞳は興奮に揺れた。都会の喧騒と活気が、彼女の心を躍らせる。
 
「……きれー……こんな街、初めて見たっちゃん」
 
「そりゃあな、前に来た時は事件でそれどこじゃなかったし。庶民の賑わいは姫様には新鮮だろ」
 
 リュウはにこりと笑い、ルナの手を軽く引いた。その手は、彼女を新たな世界へ導くかのように温かい。
 
 まずは市場へ。
 色とりどりの果物、香辛料の芳しい香り、鍋から立ち上るスープの湯気が鼻腔をくすぐる。ルナは目を輝かせながら、露店で猫耳用のリボンや鈴付き飾りを指先で触れてみる。彼女の好奇心は尽きない。
 
「かわいい……これ、うちに似合うやろか?」
「似合うよ……ちゃんと、自由を選んだルナらしい」
 
 リボンをそっと髪元に当て、ルナはくすりと笑った。その笑顔は、これまでの彼女の重荷から解放された、真の喜びを表していた。
 
 次に、リュウが立ち寄ったのは書店だ。
 新刊棚に並ぶ厚い幻想小説たちにリュウは目を輝かせ、ページをめくるたびにメモを取り始める。彼にとって、本は知識の宝庫であり、物語の源だった。ルナはその横顔を眺めながら、ふと視界の隅に小さな花屋の看板が目に入った。
 
「ねえ、あそこ見て。花屋があるたい」
「行ってみるか」
 
 小麦色の壁に緑の蔦を這わせた小さな店先。ガラスケースには見慣れない白い小花が揺れている。風に揺れる花びらが、そっと彼女を呼んでいるかのようだった。
 
「これ……“自由の鈴花”ばい」
「知ってるのか?」
「母が育てとったと。王城の裏庭でね。風に揺れるたび、鈴が鳴るみたいで……自由の音に聞こえるけんって」
 
 ルナは一輪を指で優しくなぞり、目を閉じた。花びらの白さが、彼女の頬をほのかに染め上げる。その表情には、今は亡き母への深い愛情と、自由への切なる願いが込められていた。
 
 そのとき、空気を切り裂くような嫌味な声が響いた。
 
「おや、これはこれは……なんと、ルナ姫様ではございませんか」
 
 耳慣れた声に、ルナは思わず身構えた。振り返ると、ひときわ派手な金糸の刺繍を施した法衣に身を包んだ中年の男、マーヴェリック侯爵が薄笑いを浮かべて立っていた。その顔には、隠しきれない嘲りが浮かんでいた。
 
「獣王国を逃げた姫が市井をうろつくなど、甚だお嘆きでしょうな? お父上もお気の毒に」
 
 ルナの瞳に冷気が宿り、リュウが一歩前に出た。彼の表情は、明らかに怒りに染まっていた。
 
「……よくもまあ、こんな言い草を」リュウの言葉に怒りがこもっていた。彼の声は低く、抑えきれない怒りを孕んでいた。
 
「君は……ああ、下賤の物書きでしたね」侯爵は鼻で笑い、嘲るように言い放つ。「ではごきげんよう。よい夢を」
 
 そう言い捨てて去っていくその背中に、ルナは低く唸った。その声には、深い怒りと、そして強い決意が込められていた。
 
「……いつか、あいつに教えると。“自由は、うちの刃よりも重い”って」
 
 帰り道、ルナは鈴花を包んだ小箱をそっとリュウに見せる。夕暮れの光が、小箱の中の白い花を優しく照らしていた。
 
「……これ、うちの新しい名前に使おうかな。“ルナ・スズハ”とか、どう思う?」
「いいじゃん。響きも綺麗で、ルナらしい」
 
 リュウの言葉に、ルナは嬉しそうに笑った。小箱を胸元に抱え、夜風に揺れる髪をかき上げた。彼女の表情は、これから始まる新たな人生への期待に満ちていた。
 
「そ? じゃあ、明日からそう名乗るっちゃん」
 
 月明かりに照らされた並木道には、二人の笑い声だけが静かに響いた。それは、二人の間に流れる、穏やかで確かな絆を物語っていた。
 
 次の瞬間、リュウはノートを開き、ペンを握り締めた。彼の指先が、新たな物語を紡ぎ出す。
 
《自由とは、逃げることではない。選び、立つことだ。彼女の刃は、もう迷わない》
 
 ペン先が紙に触れるリズムが、新たな章の始まりを告げるように森に響いた。それは、ルナが真の自由を手に入れ、自らの物語を紡ぎ始める、力強い序曲だった。
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