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死者の記憶を継ぐ者
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応接室のドアが静かに閉まり、鈴村彩香(すずむら あやか)は奥のソファに腰を下ろした。対面に腰を下ろす日高光彦(ひだか みつひこ)は、彼女が深く息を整えるのを待ちながら、慎重に会話の糸口を探る。
先ほど彼女が語った「池内沙織(いけうち さおり)」と「平沢真梨子(ひらさわ まりこ)」の名前。それはまさしく、バディとして日高を導く幽霊の本名でもある。この偶然――いや必然かもしれない――を、どうやって彼女から引き出すかが問題だった。
「さっきのお話の続きを伺ってもいいですか? 池内さんが“マリコ”という記者の取材メモを手に入れた、とあなたに話していたと」
日高が静かに問いかけると、鈴村はこくりと頷く。まだ表情に不安が混じっているが、覚悟を決めたようでもあった。
「そうです。沙織は、“大きな企業と政治家の癒着を暴く決定的なメモ”だって興奮気味に言ってました。最初は冗談かと思ったんですけど……。でも、彼女は本気でした」
「いつ頃の話か覚えていますか?」
「……一週間前くらいです。詳しい内容は、危ないから私には教えられないって。それでも“マリコ”という女性記者が、何らかの不正をつかみかけたまま、事故に見せかけて消されたらしい――そう言ってました」
“事故に見せかけて消された”。まさに真梨子の生存情報が突然途絶えた事実と合致する。もしあれが“口封じ”だとすれば、池内も同じ運命を辿った可能性が高い。
「池内さんは、その取材メモをどこで手に入れたとか言ってました?」
「詳しくは……。ただ、“三浦総合開発”っていう会社の関係者を何度か取材したって話もしてました。翻訳の仕事って言ってたけど、実際にはその会社の資料をこっそり探っていたんだと思います。彼女、“取材気取り”とか冗談めかして言ってましたから」
「なるほど……」
日高は軽くメモを取りつつ、頭の中で点と点を結ぶ。三浦総合開発が絡む再開発と、真梨子が地方紙で追っていた政治家との癒着。そこに“取材メモ”という明確な証拠が存在したら、確かに大きな不正を暴き得るだろう。
“ただ、それが彼女を死に追いやった――”
日高の脳裏に、幽霊の真梨子の苦悶がよぎる。自分の死が誰かの策略によるものだと知るのは、いかに恐ろしく悲しいことだろう。池内もまた、同じ悲劇に巻き込まれたとすれば尚のこと。
「あと……一つだけ、気になることがあるんです」
鈴村が遠慮がちに声を上げる。
「気になること?」
「数日前、沙織の部屋を訪れたら、彼女が“新聞の縮刷版”を大量に取り寄せていて。机の上に“平沢真梨子”と書かれたメモもありました。まるでその名前の載った記事を必死に探しているみたいで……」
記事の縮刷版――それは日高自身も真梨子の痕跡を辿るために図書館で調べたばかりだ。池内も同じ手段で真理子の足取りを追っていたのだろう。
「彼女は、その記事を見つけた様子でしたか?」
「……わかりません。ただ、すごく嬉しそうだった。“やっぱり事実だったんだ”って呟いてたんです。でもその翌日、彼女は……」
言葉の続きを紡げず、鈴村は俯く。自分が見つけた証拠を喜んだその友人が、一日後に惨劇に巻き込まれた事実。その重みに押し潰されそうなのだろう。
日高は彼女にティッシュを差し出し、少し間を置いてから話を継いだ。
「辛い思いをさせて申し訳ありません。これからも何か思い出したことがあれば、遠慮なく連絡をください。あなたの証言は、池内さんの真実を明らかにする手がかりになるはずですから」
鈴村は潤んだ目で日高を見上げ、小さく頷いた。
事情聴取を終えた後、鈴村をエントランスまで見送った日高は、ふとロビーの向こう側に“黒い影”があるのに気づく。ピタリとこちらを見つめるような違和感。先日図書館で感じた視線に似ている。
(また、誰かが尾行しているのか?)
確認しようと小走りで近づくが、そこにはスーツ姿の男が一人いるだけで、すぐに廊下の角へ消えていった。追うか迷った刹那、鈴村が不安げに振り返るので、日高は彼女を優先して外へ案内する。
「大丈夫です。お気をつけて帰ってください。何かあればすぐ連絡を」
「ありがとうございます……」
鈴村はかすかに笑みを見せてから帰路についた。
日高が再びビルの中へ戻ると、先ほどの視線の主はもういない。
(犯人側の監視なのか、それとも警察内部の“内務調整室”あたりの刺客なのか……。どちらにしても、周囲を嗅ぎ回る俺の動きを警戒している連中がいるのは間違いない)
署内の廊下を歩いていると、ある一角が不自然にひんやりとしていた。そこに足を踏み入れた瞬間、白っぽい靄(もや)のようなものが揺れ、真梨子の姿が浮かび上がる。だが、いつもより輪郭が薄い。
「真梨子……どうした?」
心配になって声をかけると、彼女は微かに笑おうとしてかすれた声を漏らす。
「大丈夫……。ただ、さっきから頭が痛いの。無理に記憶を呼び戻そうとすると、どこか“引きずり込まれる”ような感じがして……」
言葉が終わる前に、彼女の体がふわりと揺れ、透け具合が増す。まるで風に吹かれた煙のように形を保てない。
「無理はするな。少し落ち着け。君の記憶が戻れば戻るほど、体が消えかけるなんてことは……」
「わからない。でも、確かに“終わり”が近いような気もしてる。――この事件が解決したら、わたしは……」
そこで真梨子は口を閉じる。事件が解決したとき、彼女はこの世に残る理由を失い、成仏――あるいは完全に消滅してしまう。彼女自身、その運命を予感しているのかもしれない。
「心配するな。俺は絶対に事件を解決する。そして、できることなら君の意思も報われるように……。そのときまで、一緒にいてくれ」
日高の言葉に真梨子はかすかに笑みを浮かべるが、表情は儚げだ。
「わかった……。ありがとう、日高さん」
翌朝、再び捜査会議がセットされた。法医からの正式見解では、池内沙織の死因は「他殺」がほぼ確定。首を絞めた跡が体内検査で裏付けられた形だ。捜査一課のメンバーは事件の性質が大きく変わることを認識し、気合いを入れ直す。
その一方で、日高は警察内部からの不可解な圧力をひしひしと感じていた。上層部が何かを隠そうとしているかのように、再開発への言及を避けるよう指示を出している。
「捜査主任に再開発絡みの件を進言しても、曖昧にかわされてしまう……」
日高は自席に戻ると同僚の宮下にぼそりと漏らす。宮下も思うところがあるのか、神妙にうなずく。
「事件の背景が明らかになればなるほど、上の方々は落ち着きを失っていくように見えます。なんか変ですよね」
「変だな。まるで“これ以上は踏み込むな”と言わんばかりだ。……だが俺は退けない。池内さんが掴んだという写真と、真梨子の取材メモが鍵になるはずだ」
宮下もまた一課の刑事としての意地があるのか、小さく笑みを浮かべる。
「日高さんがそこまで言うなら、僕も手伝いますよ。僕も警察官として、この事件を有耶無耶にはしたくない」
「ありがとう、助かるよ」
正義感と気概を感じる仲間の言葉に、日高はほっと息をついた。幽霊である真梨子も含め、この“小さなバディチーム”で巨大な闇と対峙するしかない。
夕方になり、宮下から写真解析班の進捗報告がもたらされた。予想以上に画像が荒く、顔の特定までは難しいが、少なくとも中年の男性とわかるという。さらに、被写体の一部に「紋章のようなバッジ」が見切れている可能性があるとのこと。
「紋章? 会社のロゴか、警察関係のものか……」
日高がそう呟いた矢先、室内の空気がうすら寒くなり、真梨子の気配が現れた。
「バッジ……。たしか取材中に、そういうものをつけた人物を見た記憶があるわ。だけど、誰だったのか……思い出せないの」
「いいさ。ゆっくりでかまわない。焦らずに一緒に考えよう」
小さな手がかりも積み上げれば、やがて真相へ辿り着けるはず。だが、敵は一枚岩ではない。警察上層部を通じて圧力をかける勢力、再開発に利権を持つ大企業、そして政治家――。
その日の捜査を終えて夜の廊下を歩く日高は、霧のように漂う真梨子の影へ語りかける。
「何があろうと、一つずつ真実を突き止める。君が遺した取材メモ、池内さんの“ヤバい写真”、どちらも見つけ出す。そして……犯人を絶対に逃がさない」
その約束に、真梨子はそっと微笑んだようだったが、すぐにふっと透明度を増して姿を消した。まるで闇の向こうへ連れ去られるかのように。
日高は一瞬だけ、背筋を冷たいものが走るのを感じる。
(このまま真相に近づけば、真梨子は本当に“いなくなる”のかもしれない。だけど、それで彼女が救われるなら……)
決意とやるせなさが入り混じった思いを抱え、日高は夜の警視庁を後にした。
先ほど彼女が語った「池内沙織(いけうち さおり)」と「平沢真梨子(ひらさわ まりこ)」の名前。それはまさしく、バディとして日高を導く幽霊の本名でもある。この偶然――いや必然かもしれない――を、どうやって彼女から引き出すかが問題だった。
「さっきのお話の続きを伺ってもいいですか? 池内さんが“マリコ”という記者の取材メモを手に入れた、とあなたに話していたと」
日高が静かに問いかけると、鈴村はこくりと頷く。まだ表情に不安が混じっているが、覚悟を決めたようでもあった。
「そうです。沙織は、“大きな企業と政治家の癒着を暴く決定的なメモ”だって興奮気味に言ってました。最初は冗談かと思ったんですけど……。でも、彼女は本気でした」
「いつ頃の話か覚えていますか?」
「……一週間前くらいです。詳しい内容は、危ないから私には教えられないって。それでも“マリコ”という女性記者が、何らかの不正をつかみかけたまま、事故に見せかけて消されたらしい――そう言ってました」
“事故に見せかけて消された”。まさに真梨子の生存情報が突然途絶えた事実と合致する。もしあれが“口封じ”だとすれば、池内も同じ運命を辿った可能性が高い。
「池内さんは、その取材メモをどこで手に入れたとか言ってました?」
「詳しくは……。ただ、“三浦総合開発”っていう会社の関係者を何度か取材したって話もしてました。翻訳の仕事って言ってたけど、実際にはその会社の資料をこっそり探っていたんだと思います。彼女、“取材気取り”とか冗談めかして言ってましたから」
「なるほど……」
日高は軽くメモを取りつつ、頭の中で点と点を結ぶ。三浦総合開発が絡む再開発と、真梨子が地方紙で追っていた政治家との癒着。そこに“取材メモ”という明確な証拠が存在したら、確かに大きな不正を暴き得るだろう。
“ただ、それが彼女を死に追いやった――”
日高の脳裏に、幽霊の真梨子の苦悶がよぎる。自分の死が誰かの策略によるものだと知るのは、いかに恐ろしく悲しいことだろう。池内もまた、同じ悲劇に巻き込まれたとすれば尚のこと。
「あと……一つだけ、気になることがあるんです」
鈴村が遠慮がちに声を上げる。
「気になること?」
「数日前、沙織の部屋を訪れたら、彼女が“新聞の縮刷版”を大量に取り寄せていて。机の上に“平沢真梨子”と書かれたメモもありました。まるでその名前の載った記事を必死に探しているみたいで……」
記事の縮刷版――それは日高自身も真梨子の痕跡を辿るために図書館で調べたばかりだ。池内も同じ手段で真理子の足取りを追っていたのだろう。
「彼女は、その記事を見つけた様子でしたか?」
「……わかりません。ただ、すごく嬉しそうだった。“やっぱり事実だったんだ”って呟いてたんです。でもその翌日、彼女は……」
言葉の続きを紡げず、鈴村は俯く。自分が見つけた証拠を喜んだその友人が、一日後に惨劇に巻き込まれた事実。その重みに押し潰されそうなのだろう。
日高は彼女にティッシュを差し出し、少し間を置いてから話を継いだ。
「辛い思いをさせて申し訳ありません。これからも何か思い出したことがあれば、遠慮なく連絡をください。あなたの証言は、池内さんの真実を明らかにする手がかりになるはずですから」
鈴村は潤んだ目で日高を見上げ、小さく頷いた。
事情聴取を終えた後、鈴村をエントランスまで見送った日高は、ふとロビーの向こう側に“黒い影”があるのに気づく。ピタリとこちらを見つめるような違和感。先日図書館で感じた視線に似ている。
(また、誰かが尾行しているのか?)
確認しようと小走りで近づくが、そこにはスーツ姿の男が一人いるだけで、すぐに廊下の角へ消えていった。追うか迷った刹那、鈴村が不安げに振り返るので、日高は彼女を優先して外へ案内する。
「大丈夫です。お気をつけて帰ってください。何かあればすぐ連絡を」
「ありがとうございます……」
鈴村はかすかに笑みを見せてから帰路についた。
日高が再びビルの中へ戻ると、先ほどの視線の主はもういない。
(犯人側の監視なのか、それとも警察内部の“内務調整室”あたりの刺客なのか……。どちらにしても、周囲を嗅ぎ回る俺の動きを警戒している連中がいるのは間違いない)
署内の廊下を歩いていると、ある一角が不自然にひんやりとしていた。そこに足を踏み入れた瞬間、白っぽい靄(もや)のようなものが揺れ、真梨子の姿が浮かび上がる。だが、いつもより輪郭が薄い。
「真梨子……どうした?」
心配になって声をかけると、彼女は微かに笑おうとしてかすれた声を漏らす。
「大丈夫……。ただ、さっきから頭が痛いの。無理に記憶を呼び戻そうとすると、どこか“引きずり込まれる”ような感じがして……」
言葉が終わる前に、彼女の体がふわりと揺れ、透け具合が増す。まるで風に吹かれた煙のように形を保てない。
「無理はするな。少し落ち着け。君の記憶が戻れば戻るほど、体が消えかけるなんてことは……」
「わからない。でも、確かに“終わり”が近いような気もしてる。――この事件が解決したら、わたしは……」
そこで真梨子は口を閉じる。事件が解決したとき、彼女はこの世に残る理由を失い、成仏――あるいは完全に消滅してしまう。彼女自身、その運命を予感しているのかもしれない。
「心配するな。俺は絶対に事件を解決する。そして、できることなら君の意思も報われるように……。そのときまで、一緒にいてくれ」
日高の言葉に真梨子はかすかに笑みを浮かべるが、表情は儚げだ。
「わかった……。ありがとう、日高さん」
翌朝、再び捜査会議がセットされた。法医からの正式見解では、池内沙織の死因は「他殺」がほぼ確定。首を絞めた跡が体内検査で裏付けられた形だ。捜査一課のメンバーは事件の性質が大きく変わることを認識し、気合いを入れ直す。
その一方で、日高は警察内部からの不可解な圧力をひしひしと感じていた。上層部が何かを隠そうとしているかのように、再開発への言及を避けるよう指示を出している。
「捜査主任に再開発絡みの件を進言しても、曖昧にかわされてしまう……」
日高は自席に戻ると同僚の宮下にぼそりと漏らす。宮下も思うところがあるのか、神妙にうなずく。
「事件の背景が明らかになればなるほど、上の方々は落ち着きを失っていくように見えます。なんか変ですよね」
「変だな。まるで“これ以上は踏み込むな”と言わんばかりだ。……だが俺は退けない。池内さんが掴んだという写真と、真梨子の取材メモが鍵になるはずだ」
宮下もまた一課の刑事としての意地があるのか、小さく笑みを浮かべる。
「日高さんがそこまで言うなら、僕も手伝いますよ。僕も警察官として、この事件を有耶無耶にはしたくない」
「ありがとう、助かるよ」
正義感と気概を感じる仲間の言葉に、日高はほっと息をついた。幽霊である真梨子も含め、この“小さなバディチーム”で巨大な闇と対峙するしかない。
夕方になり、宮下から写真解析班の進捗報告がもたらされた。予想以上に画像が荒く、顔の特定までは難しいが、少なくとも中年の男性とわかるという。さらに、被写体の一部に「紋章のようなバッジ」が見切れている可能性があるとのこと。
「紋章? 会社のロゴか、警察関係のものか……」
日高がそう呟いた矢先、室内の空気がうすら寒くなり、真梨子の気配が現れた。
「バッジ……。たしか取材中に、そういうものをつけた人物を見た記憶があるわ。だけど、誰だったのか……思い出せないの」
「いいさ。ゆっくりでかまわない。焦らずに一緒に考えよう」
小さな手がかりも積み上げれば、やがて真相へ辿り着けるはず。だが、敵は一枚岩ではない。警察上層部を通じて圧力をかける勢力、再開発に利権を持つ大企業、そして政治家――。
その日の捜査を終えて夜の廊下を歩く日高は、霧のように漂う真梨子の影へ語りかける。
「何があろうと、一つずつ真実を突き止める。君が遺した取材メモ、池内さんの“ヤバい写真”、どちらも見つけ出す。そして……犯人を絶対に逃がさない」
その約束に、真梨子はそっと微笑んだようだったが、すぐにふっと透明度を増して姿を消した。まるで闇の向こうへ連れ去られるかのように。
日高は一瞬だけ、背筋を冷たいものが走るのを感じる。
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