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第1章 婚約破棄と転落
第7話 剣と疑念
しおりを挟む訓練場に響く剣と剣のぶつかる音。
マリアンヌは額に汗を滲ませながら、ロイ・バークの剛腕を受け止めていた。
「ほら、公爵令嬢様。もっと力を抜け。」
ロイは剣を軽々と振り下ろしながら、にやりと笑った。
「そのままじゃ腕が持たねえぞ。」
「分かっています。」
マリアンヌは息を吐き、剣を滑らせるように押し返した。
「ほう、ようやくまともに受け止められるようになったか。」
ロイは剣を下ろし、汗を拭った。
「でもな、公爵令嬢様。剣は腕力じゃねえ。次はもっと相手の動きを見ろ。」
「……はい。」
マリアンヌは疲れ切った身体を支えながらも、ロイの言葉を受け止める。
(まだまだ足りない。でも、もっと強くならなければ。)
ふと横を見ると、リナがバケツを持って駆け寄ってきた。
「マリアンヌさん!水、どうぞ!」
マリアンヌは小さく笑い、ありがとうと受け取った。
訓練を終えたマリアンヌは、エリック団長の部屋に呼ばれていた。
「例の文書について進展は?」
団長は椅子に深く腰掛けながら、厳しい顔で問いかける。
「まだ確証はありません。ただ……シリウスが動いています。」
「シリウスか。」
エリックは腕を組んで考え込む。
「奴は信用できない。だが、奴の情報は侮れない。くれぐれも慎重にな。」
「はい。」
マリアンヌは団長室を出て、静かに息をついた。
剣の握り方も、仲間との距離も、まだ不安定だ。
それでも、進むしかない――。
そう自分に言い聞かせ、マリアンヌは剣を鞘に納めた。
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