公爵令嬢の選択

つきほ。

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第2章 試練と成長

第11話 疑惑の影

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 訓練場の空気はいつもと違っていた。

 剣を交える音は変わらないはずなのに、どこか冷たい緊張感が漂っている。

 マリアンヌはその違和感を振り払うように剣を握り直した。




 訓練を終えると、リナが小走りで近づいてきた。

 「マリアンヌさん……。」

 その声はどこか落ち着きがなかった。

 「どうしたの?」

 「ロイさんが誰かと揉めてるみたいなんです。」

 マリアンヌは眉をひそめた。

 「場所は?」

 「倉庫の裏です。」

 マリアンヌは剣を腰に差し、リナを連れて足早に向かった。




 倉庫裏では、ロイとカインが対峙していた。

 「お前の動きは怪しいんだよ!」

 ロイの怒声が響く。

 カインも負けじと反論した。

 「証拠もなしに疑うな!」

 マリアンヌは間に割って入った。

 「二人とも落ち着いて!」

 ロイは険しい顔をマリアンヌに向けた。

 「こいつ、倉庫の鍵を勝手に持ち出してたんだ!」

 「鍵を?それは本当?」

 カインは歯を食いしばりながら答えた。

 「違う!俺は鍵を管理してる担当者から頼まれて整理をしていただけだ!」

 マリアンヌは両者を見比べたが、どちらも譲らない。




 そのとき、シリウスがひょっこり姿を現した。

 「楽しそうな話をしているな。」

 「あなたには関係ありません。」

 マリアンヌは鋭く返したが、シリウスは肩をすくめた。

 「鍵か。まるで誰かが何かを隠しているようだ。」

 「何が言いたいんです?」

 シリウスは意味深な笑みを浮かべて答える。

 「裏切り者はどこにでもいるという話さ。」

 その言葉が突き刺さるように響いた。




 マリアンヌはロイとカインを交互に見つめた。

 仲間を信じるべきか、それとも疑うべきか――答えはまだ出ない。

 静かに息を整え、マリアンヌは剣を握り直した。

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