公爵令嬢の選択

つきほ。

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第2章 試練と成長

第15話 沈黙の証拠

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地下通路の奥はさらに暗く、足を踏み入れるたびに冷気がまとわりついた。

マリアンヌは灯した松明を高く掲げ、壁に描かれた模様を照らした。

「これは……何の紋章?」

ロイとカインも立ち止まり、その不気味な模様を見上げる。

「王宮の印とは違うな。これは――」

ロイが言いかけた瞬間、背後から物音がした。

「誰だ!」




マリアンヌたちが身構えると、薄闇から現れたのは若い騎士だった。

「マリアンヌ様……なぜここに?」

現れたのはリナだった。

「リナ?どうしてここに?」

リナは息を整えながら答えた。

「騎士団の倉庫に鍵が戻されていないと聞いて……気になって後を追いました。」

「危険だぞ。」

ロイが低い声で注意するが、リナは真剣な目でマリアンヌを見つめた。

「私も力になりたいんです。」

マリアンヌはリナの決意を感じ取り、軽く頷いた。




通路の奥に進むと、そこには朽ちた机と書類の山があった。

「これ……」

マリアンヌは慎重に書類を開いた。

「名前……?それに取引記録?」

ロイが眉をひそめて内容を確認する。

「武器や食料の取引記録だな。だが、どれも王宮の許可を受けていない。」

「つまり、密輸。」

カインが低く呟く。

「誰がこれを……?」

リナが不安げに声を漏らしたそのとき――。




「それ以上、触らないほうがいい。」

通路の入り口から響いた声に、全員が剣を構える。

現れたのは――シリウスだった。

「またあなたですか。」

マリアンヌは剣を下ろさずに問い詰める。

シリウスはゆっくりと近づき、机の上の書類を見つめた。

「これが表に出れば、この国は混乱するだろうな。」

「あなたはそれを知っていて、黙っていたの?」

シリウスはマリアンヌの問いには答えず、代わりにこう言った。

「証拠は必ずしも真実を語るとは限らない。」

「どういう意味?」

シリウスは微笑みを浮かべたまま立ち去った。




マリアンヌは書類を手に取り、その重さを改めて感じた。

(この証拠が語るのは真実か、それとも罠か――。)

疑念と覚悟を胸に、マリアンヌは剣を握り直した。


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