公爵令嬢の選択

つきほ。

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第3章 陰謀と裏切り

第35話 影の資産

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財務局で渡された隠し資産リストを手に、マリアンヌは王宮内の一室で書記官と向き合っていた。

「このリストの場所に行けば、影の組織の資金の流れがわかるかもしれないわね。」

書記官は少し首を傾げながら答えた。

「ただし、それは組織の核心部分に近づくことを意味します。危険を覚悟する必要がありますよ。」

「それでも行くわ。」

マリアンヌは迷いのない目で言い切った。

「真実を暴くためには、ここで止まるわけにはいかない。」




その夜、マリアンヌは騎士団のロイとカインに宛てた手紙を準備していた。

「私は影の組織の手掛かりを追って、ある場所に向かいます。この件については、まだ団長にも知らせないでください。」

彼女は封筒を封じながら、リナのことも頭をよぎったが、危険な任務に巻き込むべきではないと考えた。

「私一人で行くべきよ。」

手紙を王宮内の信頼できる使者に託し、彼女は翌日の行動に備えた。




翌朝、マリアンヌは書記官と共に王宮を出発した。馬車の中で、書記官が静かに口を開いた。

「この場所は財務局の公式記録には一切載っていない施設です。おそらく、組織が長年利用してきた隠れ家でしょう。」

窓の外には荒れ果てた土地が広がっていた。書記官が指差した先には、小さな廃屋が見えてくる。

「あれが目的地です。」

マリアンヌは剣を握りしめながら頷いた。

「行きましょう。」




廃屋に足を踏み入れると、中は意外なほど整然としていた。机には帳簿や書類が山積みになり、壁には地図が貼られている。

「これが……隠し資産の管理記録?」

マリアンヌが帳簿を手に取り、ページをめくると、大量の資金が特定の口座に流れている記録が出てきた。

「この名前……?」

見慣れた名前が記されていることに、彼女の手が震える。

「その口座は……王宮のものです。」

書記官が低い声で告げた。

「王宮の中に協力者がいるという証拠ね。」

マリアンヌは息を呑みながら、帳簿を閉じた。




突然、廃屋の外から足音が聞こえた。マリアンヌと書記官は素早く身を隠す。

「やはり誰かが動いている。」

書記官が低く呟く。

窓から覗くと、黒装束に身を包んだ数人の男たちが廃屋に近づいてくる。

「影の組織……!」

マリアンヌは剣を抜き、書記官に囁いた。

「ここから脱出する必要があるわ。」

書記官は頷き、二人は隙を見て廃屋の裏手から抜け出した。


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